デルは11月14日、Windows 8.1タブレット「Venue Pro(べニュープロ)」シリーズの発表会を都内にて開催した。既報の通り、8型モデル「Venue 8 Pro」と10.8型モデル「Venue 11 Pro」をラインアップしている。
最初に登壇した同社クライアント製品・ソリューションマーケティング本部長の秋山健一氏は、米Dellの近況に言及。10月末に株式非公開化が完了したことを受け、「短期的な利益を追うために顧客ニーズと違う製品を発売するような株式市場のプレッシャーから解放され、中長期的に顧客の付加価値を高めるための準備を進めていける」とのメッセージを伝えた。今後の戦略としては、トランスフォーム、インフォーム、コネクト、プロテクトの4つの分野に注力するという。
秋山氏はVenue Proシリーズの強みとして、以下の6つを挙げる。
Windows 8タブレットとして基本的な要件である1と2に加えて、Venue 8 Proは3のSIMロックフリー仕様を、Venue 11 Proは6つすべてをカバーすることで、幅広いユーザーニーズに応えた。「デルでWindowsタブレットを探せば、個人でも企業でも、あなたに合った構成が必ず見つかる」と秋山氏は力説する。
Venue 8 Proは、iPhoneやAndroidスマートフォンの大画面版という見方ではなく、PCユーザーがより小さいWindowsが動くタブレットが欲しいときに選ぶ製品で、コンシューマーに重きを置きつつ、学生や企業でのニーズを見込んでいるという。一方のVenue 11 Proはバッテリーが交換できる仕様やvPro対応による管理・保守のしやすさから、法人向けの拡販を狙っていく。
同社は企業向けPC「Latitude」シリーズや、スマートフォンを含む「Streak」シリーズでもタブレットを展開していたが、今後はコンシューマー、ビジネスを問わず、Venueに一本化するという。また、米国でVenue Proシリーズと同時に展開しているAndroidタブレットの「Venue 7」と「Venue 8」は日本に投入しない。
この理由を秋山氏は、「米国本社の見解ではなく、私個人が日本市場を見た場合」と前置きしたうえで、「Androidタブレットは数ある中の1つになってしまう懸念があるが、Windowsタブレットは確実に強みが示せるため、Windowsが動作するVenue Proシリーズのみを日本では販売する。デルの日本での基本方針は競合と差異化できること。タブレットの販売もこの方針に従ったもの」と語った。
法人向けのWindows 8.1タブレットとしては、日本マイクロソフト純正の「Surface 2 Pro」が競合するが、秋山氏は「Surface 2 ProはハイスペックなハードウェアとOfficeの標準搭載といったハイエンド寄りのモデルに限られているが、Venue 11 Proはミドルレンジを中心に幅広い仕様が選択でき、拡張性も高い点が違いになる」と説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.