「Tegra Note 7」で“Tegra 4タブ”のリファレンス性能を確認するTegraはSnapdragonを超えたのか?(2/3 ページ)

» 2013年12月02日 14時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

性能より注目してほしいというDirectStylusの使い勝手

 NVIDIAがTegra Note 7でTegra 4の性能以上に訴求するのが、「使い勝手」のために用意した機能だ。特に、静電容量タイプのタッチパネルと電波を出さないパッシブスタイラスでも、筆圧検知に相当する使い勝手を低コストで“擬似的に”実現した「DirectStylus」をTegra Note 7の主要な機能として紹介している。

 この機能は、静電容量方式のタッチパネルで検知する電荷の変化を「筆圧」にリアルタイムで変換するもので、実現のためには、タッチパネルを高速でスキャンできたり電荷の変化を瞬時に捉えて変換できたりする高い処理能力が必要になる。Tegra Note 7では、搭載するTegra 4にタッチパネルを制御する専用のソフトウェアを導入することで、追従性を確保しつつ筆圧検知に相当する処理を可能にしている。

 Tegra Note 7では、標準で付属するスタイラスの先をスポンジのような弾力のある素材にしており、筆圧に伴う接触面積の変化で電荷を変えることで筆圧検知に相当する使い勝手を再現している。評価用機材でスタイラスで線を引くときに力を変えてみると、描く線の先端がペン先に正しく追従しつつ、力の変化に合わせて線の太さも変化した。

Tegra Note 7に標準で付属するスライタスを本体から引き出すと、DirectStylusに対応したアプリのラウンチャーが起動する(写真=左)。ペン先の形状は、筆圧に応じて接触面積が変わる弾力ある素材を使っている(写真=右)

 DirectStylusでは、接触面積と接触時間の違いでスタイラスで使える機能を自動で切り替えることも可能で、Tegra Note 7では、ペン先の反対側でドローイングアプリの画面を“長タップ”すると、自動で“消しゴム”機能に切り替わる。

ユーザーの感覚としては“筆圧に応じてペンの太さが変わる”操作ができている(写真=左、中央)。ペンを逆に使うと自動で消しゴムとして機能する(写真=右)

 このほかにも、手書き入力した画面やNVIDIAが用意したドローイングアプリの画面で、「投げ縄」機能を有効にすると、スタイラスで丸く囲んだエリアの画像を切り取って共有機能をサポートするメールアプリやSNSアプリで共有できる。このように、Tegra Note 7では、スタイラスを利用する操作を考慮したユーザーインタフェースを一部に取り入れている。

投げ縄で囲った画像を対応するアプリで共有利用できる

 Direct Stylusの機能そのものはドライバレベルで実現していてアプリ側の対応はいらない。ただし、Samsung電子の「GALAXY Note 3」のように、手書き入力した文字をテキストデータに変換してほかのアプリで利用できるような機能は備えておらず、完全にスタイラスだけで操作が完結するまでにはいたっていない。

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