サードウェーブデジノスは12月17日、3Dプリンタの国内販売事業を開始すると発表した。3Dプリンタ市場で44%のシェアを持つ3D Systemsの製品を取り扱う。ラインアップは、企業向けの「ProJet x60」シリーズ6モデルと、家庭向けの「CubeX」シリーズ3モデル、および「Cube」の計10モデル。価格は企業向けモデルが要問い合わせ、CubeXが41万7900円〜52万2900円、Cubeが16万8000円となっている。
現在3Dプリンタ市場は、各国政府の後押しもあって、2014年の国内予測で200億円規模(矢野経済研究所調べ)、グローバルの調査では2021年までに1兆円(Wohlers Report調べ)に達すると見込まれる成長市場だ。同市場において3D Systemsは高いシェアと幅広い製品ラインナップを抱えるトッププレイヤーであり、かつ最古の3次元造形メーカーでもある。
発表会に登壇したサードウェーブデジノス 3Dプリンター事業部の甲斐元浩氏は、製造業や医療、教育などさまざまな分野で注目度が高まりつつある3Dプリンタに対して、「新たな産業構造を作り出す装置、というと大げさだが、製造業の形を大きく革新していくと考えている」と期待を寄せる。
同氏は「サードウェーブデジノスの顧客はPCを自作したり、パワーユーザーも多い。そうした“エッジのきいた人たち”、流行を敏感に察知する顧客層と現状の(家庭向け)3Dプリンタがあっているのではないか。日本で3Dプリンタはまだ一般に広まっておらず、さらにコンシューマー市場へ普及するために、PC関連製品の流通を担うサードウェーブデジノスがリセラーと協力することで、今後の土壌作りに貢献できる」と、3D販売事業を開始した経緯を説明。PCのソリューションを持つ同社と、世界最大かつ最古参の3Dプリンタメーカーである3D Systemsとの協業により、日本のモノづくりを支援していくと抱負を語った。
なお、3D Systemsの国内販売代理店は多いが、その多くは製造業を中心としたもので、全国に直販店(ドスパラ)を持ち、PC関連製品を取り扱うサードウェーブデジノスはやや異色ともいえる。甲斐氏はサードウェーブデジノスが、3D Systems社製品を取り扱う利点として、3Dプリンタだけでなくシステムも含むすべての環境をそろえられること、全国翌日オンラインサポート体制、グループ企業のドスパラで店頭展開(当初は6店舗)などを挙げている。
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