“東芝印”の新生OCZが普及価格帯のSSDに殴り込み――「Vertex 460」徹底検証840 EVOを追撃(2/4 ページ)

» 2014年02月12日 19時59分 公開
[本間文,ITmedia]

CrystalDiskMark 3.0.3

 まず、手はじめに定番ストレージベンチマークテストの「CrystalDiskMark 3.0.3」(ひよひよ氏)で、基本パフォーマンスをチェックした。なお、鈴木雅暢氏の840 EVOのレビューでは、同3.0.2を利用していたため、Samsung 840 EVOと840 PROは、旧バージョンによる検証値であることを、あらかじめお断わりしておく。

 テストデータサイズは、100Mバイトと4000Mバイトで、グラフはいずれもデータタイプをRandomにしたもの。また、参考までに0fill(データにすべて"0"を使用するため、パフォーマンスが向上しやすい)の画面も掲載した。

 シーケンシャルリード・ライトの値は、1000Mバイト、4000Mバイト、そして0fillでも、公称値より低めの値になっており、Samsungの両SSDには届いていない。しかし、ランダムライト性能は、データサイズ1000Mバイトでは、全域で840 EVOのみならず、840 PROをも上回る性能を見せた。また、データサイズ4000Mバイトでは、512Kライトと4K QD32ライトで840 PROに逆転されるものの、840 EVOに対しては、やはりすべてのテストでライト性能は上回った。

CryistalDiskMark 3.0.3のデータサイズ1000MB、データタイプRandomの値(画面=左)。CryistalDiskMark 3.0.3のデータサイズ1000MB、データタイプ0fillの値。ここでも、公称値には届かない(画面=右)

CryistalDiskMark 3.0.3のデータサイズ4000MB、データタイプRandomの値(画面=左)。CryistalDiskMark 3.0.3のデータサイズ1000MB、データタイプ0fillの値(画面=右)

CryistalDiskMark 3.0.3(Samsungの両ドライブは3.0.3)のデータサイズ1000Mバイトにおける、Samsung 840 EVO/同 PROとの比較

CryistalDiskMark 3.0.3(Samsungの両ドライブは3.0.3)のデータサイズ4000Mバイトにおける、Samsung 840 EVO/同 PROとの比較

HD Tune Pro 5.50

 続いて、もう少し細かく性能を分析するために、EFD SoftwareのHDD/SSDベンチマークテスト「HD Tune Pro 5.50」も試していこう。まず、同ベンチマークソフトで、転送速度を見る「Benchmark」では、データサイズ8Mバイトでは、公称値に近い516Mバイト/秒で非常に安定したライト性能を見せるが、データサイズ64Kバイトになると300Mバイト/秒を切り、Samsungの両SSDと大きなパフォーマンス差が生じる。

 また、ライト性能では、CrystalDiskMarkの結果同様、優れた平均データ転送速度を見せるが、一定周期で転送レートが大きく下がる症状が見られた。そこで、試しにATTO Technologyの定番ストレージベンチマークテスト「ATTO Disk Benchmark」で転送速度をチェックしたところ、同ベンチマークテストでは、32Kバイトでリード性能に落ち込みがあるものの、ライト性能は安定しており、ドライブ側の問題なのか、ベンチマークテストとの相性なのかを特定することはできなかった。

HD Tune Pro 5.50のデータサイズ8Mバイトによるリード性能ベンチマーク結果(画面=左)。HD Tune Pro 5.50のデータサイズ64Kバイトによるリード性能ベンチマーク結果(画面=右)

HD Tune Pro 5.50のデータサイズ8MBによるライト性能ベンチマーク結果。一定間隔でパフォーマンスが落ち込む谷ができているのが分かる(画面=左)。HD Tune Pro 5.50のデータサイズ64Kバイトによるライト性能ベンチマーク結果。こちらも、一定間隔でパフォーマンスが落ち込む症状が現われた(画面=右)

HD Tune Pro 5.50の「Benchmark」テストにおけるSamsung 840 EVO/同 PROとの比較

 続いて、同ベンチマークテストの「File Benchmark」で、転送速度(Transfer speed)と、ブロックサイズごとの転送速度を検証したのが、下のグラフだ。データサイズ(File Length)は500Mバイトとし、データパターンはRandomに設定。シーケンシャルリード性能は、CrystalDiskMarkの結果同様、Samsungの両ドライブにおよばないが、シーケンシャルライト性能は、ほぼ互角の結果となった。

 一方、ランダムライト性能は、やはりVertex 460のほうがSamsungの両SSDを上回る結果を示したほか、4K(QD32)ランダムリード性能が、CrystalDiskMarkの結果とは逆に、Vertex 460のほうがSamsung製品を上回る結果となった。

ATTO Disk Benchmarkでは、ライト性能に大きな落ち込みは見られない(画面=左)。HD Tune Pro 5.50のFile Benchmarkテスト結果(画面=右)

HD Tune Pro 5.50のFileBenchmarkにおけるSamsung 840 EVO/同 PROとの比較

HD Tune Pro 5.50のFile Benchmarkのブロックサイズごとのリード時転送速度検証と、Samsung 840 EVO/同 PROとの比較

HD Tune Pro 5.50のFile Benchmarkのブロックサイズごとのライト時転送速度検証と、Samsung 840 EVO/同 PROとの比較

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