“東芝印”の新生OCZが普及価格帯のSSDに殴り込み――「Vertex 460」徹底検証840 EVOを追撃(1/4 ページ)

» 2014年02月12日 19時59分 公開
[本間文,ITmedia]
OCZの新しい会社ロゴ

 2013年12月にアメリカ連邦破産法11章(Chapter 11)を申請したOCZ Technologiesは、1月22日に正式に東芝グループ傘下となり、新たにOCZ Storage Solutionsとして再出発を図った。

 その同社が、東芝グループ傘下になった当日に、新しいパフォーマンス市場向けSSD「Vertex 460」を発表した。同製品は、「Vectorシリーズ」の下位モデルにあたり、Intel NANDを採用していた「Vertex 450」の後継モデルとなる。

 Vertex 460では、NANDチップを東芝製Toggle NANDに変更しただけでなく、従来モデルより持続性能を向上させるとともに、リード/ライトが混在した環境でもパフォーマンスが落ちにくく、日常の使い勝手に優れていると同社はアピール。普及価格帯のSSDの高性能化を加速する。

東芝グループ傘下となったOCZ Storage Solutions初の製品「Vertex 460」(写真=左)。NANDフラッシュチップは、東芝製の19nmプロセス採用MLC Toggle NANDを採用する(写真=右)

 同製品は、コントローラに同社傘下のSSDコントローラベンダーであるIndilinx製のBarefoot 3 M10を採用し、NANDフラッシュには19ナノメートルプロセスの東芝製MLC Nandを採用。インターフェースはSATA 3.0(6Gbps)で、最上位モデルの480Gバイト版ではリード最大545Mバイト/秒、ライト最大525Mバイト/秒をうたう。

Vertex 460の主な特徴(写真=左)。Vertex 460では、従来のOCZロゴを採用するが、ロゴはいままでより控え目になっている(写真=右)

インタフェースはSATA 3.0 6Gbps(写真=左)。SSDコントローラにはIndilinx Barefoot 3 M10を採用(写真=右)

Vertex 460の仕様と旧モデルVertex 450との比較

 今回、そのVertex 460の240Gバイト版を入手したので、今後、東芝のSSDサブブランドとなるOCZ製最新SSDのパフォーマンスを検証してみたい。

840 EVO対抗で普及価格帯のSSD市場に殴り込み

キャッシュメモリとして、Micronの2Gビットx8チップを裏表に1つずつ搭載し、512Mバイトの容量を確保している

 OCZ Storage Solutions(以下、OCZ)がVertex 460の競合と位置づけるのは、TLC NAND(Tripple Level Cell:セルあたり3ビットのデータ保持を可能にした、microSDカードなどによく用いられているフラッシュメモリ)を採用することで低価格化を図ったSansungの840 EVOだ。OCZは、Vertex 460の120Gバイトモデルの米国市場想定価格を99.99ドル、240Gバイトモデルで189.99ドル、480Gバイトモデルで359.99ドルとしており、840 EVOが席巻する普及価格帯市場に殴り込みをかけるカタチになる。

 そこで今回は、PC USER編集部とも話し合い、昨年7月26日に掲載された鈴木雅暢氏の840 EVOのレビュー記事と同等のベンチマークテスト環境を構築し(システムメモリベンダー、ビデオカード以外は、同じ環境としている)、両社のパフォーマンスを比較した。なお、同じくMLC Toggle NANDを採用するSamsungの840 PROのベンチマーク結果も、同氏のレビューから比較対象として掲載している。

Vertex 460の基板表面(写真=左)。Vertex 460の基板裏(写真=右)

テスト環境
CPU Intel Core i5-3570K(3.4GHz/最大3.8GHz)
マザーボード ASUSTeck Computer MAXIMUS V GENE (Intel Z77 Express)
グラフィックスカード MSI R7790-1GD5-OC (Radeon R7790/1Gバイト)
メモリ Excelram DDR3-1600 4GB ×2
システムストレージ Crucial m4 128GB
ストレージドライバ IRST11.50.1207
OS 64ビット版Windows 8
ベンチマークテスト環境。なお、ストレージドライバのIRST11.50.1207は、現在は配布が中止されている

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