「XPS 11」――カーボンボディと超高精細ディスプレイが魅力の11.6型“2in1”Ultrabookを徹底検証注目PC速攻レビュー(3/4 ページ)

» 2014年02月19日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

実力テスト:Core i5-4210Y搭載機として良好なパフォーマンス

 評価機のスペックは、Core i5-4210Y(1.5GHz/最大1.9GHz)、Intel HD Graphics 4200、4Gバイトメモリ(DDR3L-RS 1600MHz/デュアルチャンネル)、256GバイトSSD(mSATA/Samsung「PM841」)、64ビット版Windows 8.1といった内容だ。この構成で各種ベンチマークテストを実施した。

 参考までにテスト結果には、同CPUを搭載したWindowsタブレット「VAIO Tap 11(SVT11218DJB)」と、Core i5-4200U(1.6/最大2.6GHz)を備えた13.3型2in1デバイス「VAIO Fit 13A(SVF13N19DJS)」のスコアも併記した。

 CPU性能を計測するCINEBENCHの結果は、CPU(シングルコア)スコアではVAIO Tap 11とほぼ同じ、CPUスコアではそれをはっきり上回った。CINEBENCH R15で約19%、R11.5では約18%勝るスコアを出している。評価機のストレージはSamsung製mSATA SSD「PM841」を搭載していたが、CrystalDiskMark 3.0.3のスコアはシーケンシャルリード/ライト、ランダムリード/ライトともに優秀だ。

 PCMark 7の総合スコアは、VAIO Tap 11より約9.6%高かった。Creativityでは約17%、Computationでは約38%上回るスコアで、ストレージの差だけではなく、CPUとグラフィックスの処理性能でも上回っていることが分かる。3DMarkのスコアも全般的にVAIO Tap 11よりよい。Cloud Gateでは総合で約24%、Graphicsで約26%、Physicsで約22%高いスコアを出し、CPU、グラフィックスともに差がある。

 FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編では、標準品質ではVAIO Tap 11とほぼ同じスコアだったが、高品質(ノートPC)ではVAIO Tap 11より約19%よいスコアをマークした。

 同じCore i5-4210Y搭載機なのにこれだけスコアの差があるのは、やはり厚さ9.9ミリという薄型タブレットであるVAIO Tap 11より熱設計に余裕があるため、高負荷時にCPUクロックが高くとどまっている時間が長いためと予想される。

 Core i5-4200Uを搭載したVAIO Fit 13Aとの力関係も見てみよう。VAIO Fit 13Aと比較した場合、XPS 11はCINEBENCH R15のCPUスコアで約24%減、PCMark 7総合スコアで約10%減、3DMark/Cloud Gateスコアで約20%減だった。Core i5-4200U搭載の2in1に比べて、高負荷処理で8割程度、日常的な操作では9割程度の処理性能と考えればイメージしやすいだろう。

左から、CINEBENCH R15、CINEBENCH R11.5、CrystalDiskMark 3.0.2のスコア
左から、PCMark 7 1.4.0、3DMark 1.1.0、FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア

 約253ppiと高精細表示の液晶ディスプレイも計測した。複数回計測した色温度の平均値は7185Kと、業界標準のsRGB(6500K)より少し高めで、白がやや寒色寄りですっきり表示される。

 ガンマ補正カーブは暗部と明部を持ち上げる調整が見られた。つまり、元のガンマカーブはS字に近く、階調性重視というよりコントラスト感重視の表示傾向になっていることを意味する。また、RGBの入力に対して、全体的にブルーが、明部でレッドが少し強めに出る結果となった。色域はsRGBをわずかに上回る広さを誇る。輝度の最大値も360カンデラ/平方メートル超と高く、明るく、メリハリがあり、高精細で色鮮やかな表示だ。

液晶ディスプレイの計測結果。ガンマ補正カーブを見ると、映像入力信号に対して暗部を持ち上げ、明部を下げる補正をしており、元のガンマカーブはS字に近いことが分かる(画像=左)。色域は広く、下にsRGBで表示できる範囲をグレーで表示しているが、完全に隠れている(画像=右)。つまり、sRGBカバー率は100%を少し超えているようで、特に青から紫の範囲が広い

 Webブラウズとテキスト入力を想定したバッテリー駆動時間のテスト(BBench 1.01)では、満充電から残り5%で休止状態に入るまで、7時間52分動作した。公称値の約8時間とほとんと同じ結果だ。省電力の第4世代Core Yシリーズを採用した効果もあり、厚さ15ミリ、重さ約1.13キロの薄型軽量ボディを考えれば、相当に優秀だろう。

 動作音も非常に静かだ。排気口はヒンジの目立たないところにあり、低負荷時はほぼ無音で、高負荷時でも3DMarkを数回実行する程度ではファンが動作していることが分かる程度の音しかしない。発熱は底面中央部の奥寄りが中心だが、手がよく触れるキーボードやパームレストまでは熱が伝わってこない。

左から、動作音テスト、発熱テストの結果

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • Windowsエクスペリエンスインデックス(PC総合評価)
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.250(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定

  • 液晶ディスプレイ表示品質テスト
    • i1Pro+i1Profilerでディスプレイの表示を実測し、ガンマ補正カーブを抜粋
    • i1Proが生成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示し、色域をsRGB(薄いグレーで重ねた領域)と比較

※液晶ディスプレイは1時間以上オンにし、表示を安定させた状態で中央付近を測定

  • バッテリー駆動時間テスト
    • BBench 1.01

※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測

  • 騒音テスト
    • 騒音計で実測(本体から手前5センチ、暗騒音32デシベル、室温20度)
  • 発熱テスト
    • 放射温度計でボディ表面温度を実測(室温20度)


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