ボディのサイズは、約300(幅)×201(奥行き)×11〜15(高さ)ミリだ。額縁がやや広めで11.6型サイズのUltrabookとしては大きめのフットプリントだが、本体の厚さは最厚部で15ミリとUltrabookでは最薄クラスといえる。
重量は約1.13キロと軽い。実測でも1.125キロとほぼ公称値通りだった。手前側に向かって少し傾斜はあるが、フラットに近いフォルムで、ビジネスバッグなどにも収まりやすい。付属のACアダプタも高さが22ミリと薄型のデザインで、携帯に適している。
アルミ削り出しのボディは、天面と底面にクロス織りのカーボンファイバー、ディスプレイ表面に強化ガラスの「Gorilla Glass NBT」を使用し、剛性感が非常に高い。遠目にはブラックのボディだが、近づくと天面と底面にあしらわれたカーボンの織目がはっきり分かる。ボディ表面はしっとりとしたラバー質の塗装がされており、シンプルで上品なデザインとあわせて、プレミアムな雰囲気を漂わせているのも大きな魅力だ。
内蔵バッテリーの容量は40ワットアワーで、公称の駆動時間は8時間としている。基本システムに第4世代CoreのYシリーズを採用しているだけに、長い駆動時間も期待できそうだ(バッテリー駆動時間のテスト結果は後述)。
液晶ディスプレイのヒンジは、設置面から180度までチルト角度を柔軟に調整できるうえ、そのままぐるりと360度まで回転して畳める機構を備えている。ノートPCとタブレットを兼ねる2in1デバイスではおなじみの機構だ。
XPS 11はこの回転ヒンジによって、クラムシェルノートPC型の「ノートパソコンモード」から、スレート型の「タブレットモード」に変形可能なほか、タブレットをスタンドに立てかけたような「タブレットスタンドモード」、イーゼル(画架)のような格好になる「テントモード」といったスタイルでも使うことができる。
タブレットスタンドモードとテントモードは似ているが、前者は画面を前面に出しつつ、チルト角度を柔軟に調整でき、コンテンツに集中しやすい点、後者はタッチ操作が安定し、設置面積が最も小さくなるので、狭い場所でも置いて使いやすい点が特徴だ。
もちろん、ノートパソコンモードから画面を回転させて、他の3つのスタイルへ変形すると、キーボードの入力が自動的にオフになるため、タブレットモードで握って使っても背面のキーボードが誤って押されるような不具合はない。
キーボードには、感圧式タッチセンサーで押下を検知する「平面タッチキーボード」を搭載している。ラバー質の厚みがあるシートを貼ることでキートップとしているが、物理的なスイッチはなく、キーストロークは「0」ミリだ。キーピッチは実測で横約19ミリ、縦約18ミリと広さは十分確保されており、配列もほぼクセがない。キーボードバックライトも内蔵している。
標準設定ではクリックと連動してキー入力音のようなサウンドが鳴るが、消すことも可能だ。押した感触はというと、やはりキーが沈まないので、良好とはいえない。ただし、キーピッチが広く確保されていることもあり、入力自体は意外に思った通りにできるという印象だ。
物理的なスイッチがあるキーボードの場合、キートップを押し込まなければスイッチが入らないため、キートップに気兼ねなく指を置ける。一方、タッチキーボードの場合は指を置くだけでスイッチが入りそうな気がして抵抗があるのだが、実際にはその辺りはかなりインテリジェントに検出し、そっと指を置いただけでは反応せず、少し力を入れるとクリックと認識される。タッチの感度はユーティリティで調整することも可能だ。
その辺りの感覚が分かってくると、タッチタイピングも可能なほど入力ミスを減らせるようになったが、右手の小指でタイプする右端付近のキーは少し打ちにくい。
ホームポジションから右端にあるDeleteやBackspace、Enterのキーまで距離があることに加えて、キーが小さく、キーボードベゼルと一体化して境界がないため、慣れないうちはミスタッチしがちだ。また、これらのキーは小指でタッチするため、押す力がほかの指に比べて弱く、タッチが認識されにくいこともある。
右端のキーも以上の点を意識して打てば問題ないのだが、これらのキーをもっと大きく確保すれば、操作感はかなり改善されただろう。また、可能ならば中央付近と端のほうでタッチの感度が変えられるとよかった。
なお、クリック感のないキーボードは、タブレットモードで本体を握った場合の違和感を減らす効果がある。手でしっかり握っても、背面のキーが押される感覚がないので、単体のタブレットに近い使用感が得られるのだ。回転ヒンジを採用した2in1でこの点はメリットになる。
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