MR03LNは、タッチパネル付きディスプレイの実装により「タッチ操作」に対応したのもよいところだ。
ディスプレイは静電容量方式のタッチパネル付きの2.4型液晶(240×320ドット)を採用し、これまでのようにPCやスマートフォンのブラウザからリモート操作しなくても──ひととおりの機能設定を手元で行えるようになった。モバイラーとしてはそんなの不要なのでもっと小型/長時間動作をという声はあるかもしれないが、設定変更の機会も多い筆者としてはやはり手元でサッと設定できるのは便利で手間がかからない。従来のように2〜3個の限られた物理ボタンに複数の機能を割り当てるような分かりにくい方法よりはずっと理解しやすい。というわけで、本機の物理ボタンは電源ボタンだけとなる(単押しで画面表示のオン/オフ、長押しで電源あるいは休止状態の制御系が機能する)。電源オフと休止状態への移行はタッチパネル操作でも実行できる。
まずUI操作画面は、タイル状のメニューボタンを中心とした基調カラーを6色から選択できることにちょっと遊び心が感じられる。本機のボディブラック1色のみだが、2.4型サイズのディスプレイはそれに占める面積もそれなりに大きいので、操作画面の色を変更するだけでも意外とイメージが変わる。赤に設定しても3倍速くなることはないが、日々使う機器としてこういった配慮があるのは悪くない。
改めてUI操作画面では、無線LANの使用周波数帯(2.4GHz帯/5GHz帯)、LAN側の無線LAN設定/Bluetooth機能、ルータ/ブリッジモードの切り替え、WAN側のLTE/3G系設定、公衆無線LANルーティング機能のオン/オフ、エコモード設定、WPS/らくらく無線スタートの操作、APNの管理と切り替えといった操作が行え、通信状態や無線LANのセキュリティ設定文字列などもサッと確認できる。無線LANの簡単接続設定機能がないiOS機器などを手動で接続設定する(セキュリティキーの文字列を入力する)場合も、手元の画面を見ながら作業できるのでいくぶん楽だ。月間通信量に上限があるLTEの低価格SIMサービスで使うことを想定する機器ということで、「いま、どのくらい使ったか/あと何バイト使えるか」を視認できる目安を表示しておくこともできる。
最後にセキュリティ面の強化。タッチ対応にて単体操作が可能になったことから、SIMカードのPIN認証ができるようになった。PIN認証にてSIMカードにロックをかけておけば、紛失時などに悪用されにくくなる。国際電話もできるスマホなどと違い、データ通信専用のSIMカードを勝手に使われたとしてもひとまず月額料金的な被害はそれほどないかもしれないが、これを悪用して犯罪に使われる可能性が大いにある。低価格SIMサービスとともに一般層にも普及してきたカテゴリだからこそ、セキュリティ面の強化は重要だ。
次回は実測データも含め、クアッドバンド対応や5GHz帯無線LAN対応のメリット、実利用してみて分かった使い勝手の面をじっくり検証する予定です。
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