チューリッヒはスイスの金融と観光の中心で、スイス最大の都市でもある。ブランド品ショップが並ぶ繁華街がある一方で落ち着いた雰囲気のレストランも多く、2000年の歴史を感じられるのんびりした街でもある。
市内はトラム(路面電車)がくまなく走っており、移動もしやすい。ドイツに面しているため街中ではドイツ語が頻繁に使われており、看板もドイツ語表記が目立つ。日本からはスイス航空や全日空の直行便があるほか、乗り継ぎ便も多数ある。アルプスへの登山のためにチューリッヒからスイスに入る登山客も多い。
このように観光都市として知られるチューリッヒだが、スイスは特に物価が高い国でもある。滞在中のホテル宿泊費や食費は観光客にとって頭を悩ます種である。2014年3月時点の為替レートは1スイスフランが約116円(2014年3月25日現在の日本円換算、以下同)。マクドナルドのメニューは10スイスフラン前後のセットが多かったので、ファストフードの1食で1000円を超えてしまう感じだ。とはいえ抜け道もあり、駅や街中にあるスーパーへ行けば安い食材を買うこともできる。CoopやMigrosといった大手チェーンスーパーを見つけたら、移動中に飲む飲料や軽食などもそこで買うとお得だ。
スイスには携帯電話事業者が3社あり、MVNOも数社が通信サービスを提供している。空港や駅には売店があり、プリペイドSIMカードの購入も簡単。購入にはホテルの住所(現地での滞在先)とパスポートなど身分証明書の提示がいるくらいだ。大手のSwisscom、Orange、Sunriseの3社のショップは街中でもよく見かける。Sunriseの店舗で、同社回線を使うMVNOであるYollaも買いやすい。
スイスには数年前に渡航しており、その時は最大手事業者のSwisscomが使いやすかったのでまずは今回もSwisscomを使ってみることにする。Swisscomの店はチューリッヒ空港やチューリッヒ中央駅など渡航者でも分かる目立つ場所にあるので、到着後すぐに購入できる。
店舗でデータ専用のプリペイドSIMカードを購入したいと伝えると、あれ、「プリペイドのデータ専用タイプはない」とのこと。事前にSwisscomのWebサイトで7.5スイスフラン(約870円)/1週間のデータプラン「NATEL data easy」プランがあるのを確認していたのだが、空港と中央駅の店ともに「ない」ようだ。購入できるのはスマートフォンなどでも使える音声通話とデータ料金をセットにした「Prepaid NATEL easy」のみだった。まぁSIMロックフリースマホで使うので、こちらでもよいが。
Swisscom/Prepaid NATEL easyのAPN設定 | |
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APN | gprs.swisscom.ch |
ユーザー名 | (なし) |
パスワード | (なし) |
「Prepaid NATEL easy」の料金は、通話が0.01スイスフラン(約1.16円)/秒、データ通信は2スイスフラン(約232円)/1日となる。1日定額で約230円ならまずまずだ。SIMカードの初期購入費が19.9スイスフラン(約2300円)で、こちらに20スイスフラン分の料金が含まれている。ということで、データ通信だけ使うなら10日ぶん使える計算だ。SIMカードの有効期限は1年。1年以内に再訪予定があるなら再度使えるのは便利だ。
SwisscomはLTEサービスも展開するが、訪れた2014年3月時点はまだプリペイドは対象でない。ただ、3G接続でも実測で9Mbpsほど出た。スマートフォンのテザリング機能も使えるので、PCで使うにしても速度に困ることはなかった。とはいえ、データ専用のプリペイドSIMがなぜか買えなかったことは少々疑問に思う。
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