「FMV LIFEBOOK TH90/P」――4スタイル変形+IGZO液晶+筆圧ペンが魅力の13.3型Ultrabookを徹底検証(使い勝手編)注目PC詳細レビュー(1/3 ページ)

» 2014年04月23日 16時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
ココが「○」
・4スタイルで使える薄型ボディ
・1024段階の筆圧対応ペンが付属
・13.3型“2560×1440”IGZO液晶
ココが「×」
・重量が約1.59キロとやや重め
・キーストロークが約1ミリと浅い
・CPUの選択肢がCore i5に固定

はじめに:4つのスタイルに変形可能な薄型Ultrabook

 一見すると普通のクラムシェルノートPCだが、4スタイルとペン入力で幅広いユーザーニーズに対応――「FMV LIFEBOOK TH90/P」は、富士通が2014年春モデルで投入した13.3型の可変型Ultrabookだ。クラムシェルノートPCとしてもタブレットとしても利用できる、いわゆる2in1デバイスであり、同社はこれを「コンバーチブルタイプのUltrabook」と呼ぶ。

富士通の13.3型コンバーチブルUltrabook「FMV LIFEBOOK TH90/P」。金属の質感を生かしたシンプルなデザインだ。カラーはダークシルバーのみとなっている

 最大の特徴は、最厚部でも約19.3ミリのスリムボディに「Shift Hinge(シフトヒンジ)」と名付けた回転ヒンジ機構を搭載し、画面を左右のどちらにも最大180度回転できることだ。これにより、クラムシェルノートPCと同様の「ノートPCスタイル」、タブレットと同じ操作感の「タブレットスタイル」、そして中間的な形態になる「バリアススタイル」と「シアタースタイル」も加えた、合計4つのスタイルを用途や場面に応じて使い分けられる。

 2560×1440ピクセルと解像度が非常に高い13.3型IGZOディスプレイ、1024段階の筆圧検知に対応したスタイラスペンを備えているのも見逃せない。基本スペックは、CPUがCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)、メモリが8Gバイト(PC3L-12800)、ストレージが500GバイトのハイブリッドHDDという内容で、公称のバッテリー駆動時間は約12.5時間(JEITA 1.0)と長めだ。

 通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0+HSのほか、薄型のUltrabookでは省かれがちな有線LAN(1000BASE-T)も標準で搭載。そのほか、USB 3.0が2基、HDMI出力、SDXC対応SDメモリーカードスロット、画面の上部には約92万画素のWebカメラ、画面の左下には指紋センサーを盛り込んでいる。

 なお、富士通 WEB MARTにはBTO対応モデル「FMV LIFEBOOK WT1/P」も用意されている。このWT1/Pでは、4Gバイトメモリや128Gバイト/256GバイトSSDを搭載できるほか、Microsoft Office Home and Business 2013の有無を選べるなど、予算や用途に合わせて柔軟なカスタマイズ可能だ。

ボディと製品概要(1):こだわりの回転機構「Shift Hinge」を搭載

 Shift Hingeがもたらす4つのスタイルは、以前にPC USERで詳細を紹介した通りだ。液晶ディスプレイの下部に設けられた小さなヒンジは、少々頼りなく見えるかもしれないが、実際は十分な剛性がある。画面のチルト(傾き)やスイベル(左右の回転)調整は任意の位置でしっかり固定でき、スイベルの角度が0度か180度の際にはカチャッと音がして画面が止まるので、スタイルチェンジは快適に行える。

「ノートPCスタイル」の見た目は、変形しないクラムシェルのUltrabookとほぼ同じだ。実際の使い勝手もクラムシェルノートPCと遜色ない。本体サイズは320.8(幅)×235(奥行き)×17.1〜19.3(高さ)ミリ、重量は約1.59キロだ
「Shift Hinge」と呼ばれる回転ヒンジ機構を搭載し、画面は左右どちら側にも最大180度回せる。これにより、キーボードやタッチパッドでの作業からシームレスに「見せる」スタイルへ移行し、すぐに戻れる利点がある。少人数でのグループ作業時などで直接画面を見せ合ったりするのに便利だ。ノートPCスタイルから画面を左右に回転させたこのスタイルを、同社は「バリアススタイル」と呼ぶ
液晶ディスプレイを反転させた「シアタースタイル」は、タブレットをスタンドに立てかけて使うスタイルに近い。タブレットを手に持って支える必要がなく、自由な姿勢でタッチやペンでの操作が行なえる。Webブラウズやゲームなどを手軽に楽しみたいとき、映画や音楽などを鑑賞したいときに便利だ
画面を180度回転させて折り畳めば、タブレットと同様の「タブレットスタイル」になる。画面内のコンテンツのみに集中できるため、「見せる」用途にも向く。また、重いながらも片手で安定して支えられるため、立ったまま画面をタッチ操作したいとき、あるいはペンでじっくり描画したい場合に最適だ
ノートPCスタイル(写真=左)ではトップカバーがベースボディとぴったり重なっているが、回転ヒンジにより画面を反転させて閉じたタブレットスタイル(写真=右)では、トップカバーが少しズレた状態になるのもポイントだ。これにより、トップカバー先端部の無線LANアンテナ内蔵部とキーボードが重ならなくなり、無線の感度が落ちずに済む
背後からノートPCスタイルを眺めても、インタフェースやボタン類は見当たらない(写真=左)。しかし画面を回転させると、トップカバーの位置がズレてボリューム調整ボタンが出現する(写真=右)。もちろん、画面下にあるWindowsのホームボタンや指紋センサーも問題なく扱える。Shift Hingeという名前は、こうしたトップカバーの位置がズレて、新たな価値を提供することに由来する
富士通
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