「MASTERPIECE i1440PA1-SP-DOC-CL」――圧倒的なスピード! すべてが豪華仕様のオーバークロックゲーミングPC価格は約50万円!!(2/2 ページ)

» 2014年05月08日 11時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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性能チェック:夢のゲーミングPCは重量級FPSも4Kで楽しめる!

 それでは、ベンチマークソフトを駆使して本機のパフォーマンスを見ていこう。

 まずOCボタンでの挙動だが、G-Tune OC Boostでの表示によると、標準時が3.7GHz、OC時が4.2GHzとなった。どちらもCINEBENCH R15実行中のもので、Turbo Boostが効いた状態での数値とみられる。

G-Tune OC Boostから見たCPUクロック。左が標準時、右がOC時のもの

 また、3DMark中に計測したGPU-Zのログで見ると、GPUクロックは標準時が最大1006MHz、OC時が最大1071MHzだった。ちなみに、同じログからは、メモリはどちらも1750MHz前後(7Gbps)、ファン回転数がどちらもほぼ同じといった点が確認できた。

 PCMark 8では、標準時でHomeが4783、Creativeが5798、Workが4911となった。もちろんかなり高いスコアだ。そしてOC時にはHomeが5304、Creativeが5897、Workが5119という結果。Homeスコアが大きく向上しているほか、CreativeやWorkスコアも200ポイント程度の向上が確認できた。

PCMark 8の結果

 CINEBENCH R15では、標準時のCPUが756cb、Single Coreが157cb、OC時のCPUが852cb、Single Coreが169cbとなった。どちらも向上しているのが分かる。そしてMP Ratioも4.83から5.04に上がっていた。

CINEBENCH R15の結果。左が標準時、右がOC時のもの

 MediaEspressoによるトランスコードテストでは、標準時に6分6秒かかっていたのに対し、OC時は5分38秒となり、およそ30秒短縮された。

MediaEspressoのトランスコード結果。左が標準時、右がOC時のもの

 3DMarkでは、標準時のIce Stormが158223、Cloud Gateが28088、Fire Strikeが15036、OC時はそれぞれ177544、31196、16265となった。標準時でもFire Strikeで15000を超えるあたり、強烈な3Dパフォーマンスだが、OC時はさらに1200ポイント上積みしている。もちろん、Physicsスコアだけでなく、Graphicsスコアも向上しており、GPUに対するOC効果が確認できる。

3DMarkの結果。左が標準時、右がOC時のスコア

 Battlefield 4では、1920×1080ピクセルの最高画質で、標準時が135.433fps、OC時が137.217fpsだった。このあたりの解像度では、大きな差はつかなかった。そこで4K(3840×2160ピクセル)で検証してみたところ、標準時は48.4fps、OC時は53.05fpsとなった。通常であればより高負荷になることで差が小さくなるものだが、むしろ大きく出たあたり、OCの効果が表れたと見ることができる。また、OC時でも60fpsには満たなかったが、しかしプレイするには十分なフレームレートと言える。OCボタンの効果で4K解像度でのプレイができるようになる、となればOCボタンの意義は大きい。

Battlefield 4のフレームレート。3840×2160ピクセルでもOC時は53.05fpsと十分なフレームレートをたたき出した

 ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編では、1920×1080ピクセル最高高品質での標準時が19804、OC時が21268を記録した。OC時のフレームレートは140fpsとなり、これならゲーミング向けの144Hz液晶でその性能をフルに発揮できるだろう。

 また、4Kでは、標準時が9078、OC時が9959となった。フレームレートは、標準時が88.056fps、OC時が106.031fps。このくらいの負荷のゲームであれば、4Kでも超が付く快適度でプレイできることが分かる。

ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編(1920×1080ピクセル/最高品質)の結果。左が標準時、右がOC時のスコア

ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編(3840×2160ピクセル/最高品質)の結果。左が標準時、右がOC時のスコア

ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編

 最後にCrystalDiskMarkでのストレージテスト結果も添えておこう。まずRAID 0のCドライブは、シーケンシャルリードが1Gバイト/秒を超える1015Mバイト/秒となった。シーケンシャルライトは1Gバイト/秒に満たなかったが、それでも958Mバイト/秒と圧倒的なスピードだ。4Kライトは96.49Mバイト/秒で、ここは単体の高性能SSDに負けたが、それは840 EVOとRAIDコントローラの相性だろうか。もっとも、4K QD32なら600Mバイト/秒に迫るパフォーマンスを見せた。GドライブのHDDは、シーケンシャルリードが192.5Mバイト/秒、同ライトが186Mバイト/秒となった。CPUが高性能なぶん、HDDの性能をストレートに発揮できたといったところだろうか。7200rpmのHDDとしては十分だろう。

CrystalDiskMarkのスコア。左がCドライブ(RAID 0の1TバイトSSD)、右がGドライブ(2TバイトHDD)

ゲーマーなら誰もが憧れる! 優越感に浸れる超ハイエンドPC

 MASTERPIECE i1440PA1-SP-DOC-CLは、標準の構成でも間違いなくトップクラスのゲーミングPCである。特にメモリにまでOCメモリを採用するあたり、抜かりがない。ここは、本製品を選択するにあたって、もう1つポイントになるところだと思う。

 さらに、OCボタンを搭載することで、誰でも気軽に、必要な時にパフォーマンスを向上できる。もちろん、限界を探るOCとは異なり、保証できる範囲でのライトなOCではあるが、「常用」であればこのあたりが現実的だろう。動作音も、そこまで変化したようには感じなかった。グラフィックスカード側が、若干、高回転域動作が長くなるといった印象で、元々がハイエンド構成、そしてエアフロー重視のケースを用いているため、静音性重視のほうにはそもそも向いていない。

 約50万円――なかなか手が出せる額ではないが、ゲーミングノートPCとはレベルの違う世界、デスクトップPCでもシングルGPUの定格動作とはレベルの違う世界が本製品にはある。4Kディスプレイで重量級FPSを楽しめる、一生に1度は体感してみたい圧倒的なパフォーマンスだ。評価機を検証しながら、ゴールデンウィーク中にいい夢を見せてもらった。

マウスコンピューター/G-Tune
マウスコンピューター/G-Tune
マウスコンピューター/G-Tune
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