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» 2014年06月13日 09時30分 公開

林信行がディープに解説:アップルストア表参道、注目すべき3つのポイント (2/3)

[林信行,ITmedia]

時間の変化を楽しめる石の壁と優美ならせん階段

 アップルストア表参道は、地上階と地下階の2フロア構成(実際には、地下2階に倉庫などに使うフロアもあるようだ)で、地上階にはらせん階段の左右それぞれに4列×2脚のオーク(ナラ)材のテーブルが合計16台設置され、その上にMacやiPhone、iPadなどの主力製品が並べられて自由に使えるようになっている。

 これまでの国内のアップルストアのテーブルはメープル(カエデ)材のテーブルとイタリアから輸送されてくるピエトラ・セレーナ(「晴れやかな石」の意味)という石が使われていた(ルネサンス期にフィレンツェの公共建築物などで好んで使われた石だ)。

 これに対して最近のアップルストアでは、バルセロナの店舗など一部では石を特徴にしているものもあるが、Terazzo(人造大理石)が使われることが増えている(一節にはピエトラ・セレーナの供給が不足してきたとも言われている)。

 だが、アップルストアから石の要素が消え去ったわけではない。

 アップルストア表参道では、地上階、入り口と反対側側面の上方に向かってピエトラ・セレーナとはまた別の種類の砂岩が使われている(現時点で種類は確認できず)。この砂岩は時間の経過とともに色の変化が楽しめるようになっているということで、今はまだできたてでピカピカのアップルストアが、ゆっくりと時間をかけてこのけやき並木に一体化していく変化を楽しめるだろう。

 ストアの中央には、同店のもう1つの特徴であるガラスのらせん階段がある。ガラスのらせん階段といえば、日本ではアップルストア心斎橋の特徴にもなっている。2000年代のアップルストアは強度、ガラス破砕後の保持力などの高さから金属サポートを最小化できるデュポンのセントリグラスを使い、できるだけガラスだけで階段を作ろうという努力が行なわれていた。その最たる例がアップルストア名古屋栄の階段で、ここはらせん階段ではないが、世界でも初めて階段のステップ1段1段が金属サポートなしのガラス板となっている、ただしその代償として、階段の下がまるまるデッドスペースになってしまう、という問題もあった。

 これに対して、Mac OS Xのユーザーインタフェースがメタル調になったのと前後して始まった最近のアップルストアのトレンドは、ガラスとの一体感が高い金属サポートを用意することで、iPhone本体にも相通じる“ガラスとメタルの一体感”が生み出す美しさを楽しめるようになっている。

 アップルストア表参道は、そうしたガラスとメタルの階段の中でも新世代の工法を用いたもので、これまで以上に優美な曲線の中、ところどころにキリリとエッジを立たせているのが特徴のようだ。この工法を用いたのは世界中のアップルストアの中でも同店が初ということだ。


 地下階に移ろう。地下階は原宿駅側に他社製のヘッドフォンやスピーカーなど、アクセサリ商品が並べられたテーブルが6脚、反対側にMacなどが置かれワークショップが行なえるようになっているテーブルが4脚、そして日本では初めてとなる360度のジーニアスバーと呼ばれる長いテーブルが置かれている。

 2フロアに並べられたMacやiPhone、iPadといった商品点数は230個にも及ぶ。これに加えて、地下階の両面には大きな棚が用意され、アップル純正のアクセサリや、他社製の周辺機器、バッグやケースといった商品が所狭しと並べられている。なお、顧客が利用するトイレも、この地下階のジーニアスバーの横のドアからアクセスする。


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