さて、それではこのiPhone 6よりも、さらに大きいiPhone 6 Plusはどうだろう。実物を見るまでの個人的印象は「Plusは大き過ぎ。私はiPhone 6」というものだった。
特に私の場合、イベント会場からのツイッター実況中継をしたり、ある程度短い記事ならiPhoneで書いてしまう。片手でも簡単にフリック入力できることが何よりも大事だと信じていた。
iPhone 6 Plusでメモを起動し、得意な右手フリック入力を試みると「い」「ち」「み」などの入力時、本体を残りの指で支えることができず極めて不安定になる。入力できないわけではないが、本体を落とさないか心配で、自然と左手を添えてしまう。ただし、この左手を添えた状態でのフリック入力は、案外、快適だ(個人差があると思う)。
そこで改めて本当に「片手でフリック入力をする必要があるのか」を考え直してみると、確かにそういう場面もないわけではないが、それほど多くないことに気がつき、だんだんとiPhone 6 Plusのいいところが目につき始める。
なんといっても、大きな液晶画面は何をするにも気持ちがいい。よくiTunesやHuluで映画や海外ドラマを見るが、これらもPlusの画面だとかなり見ていて心地がよい。iPad miniほどの迫力はないものの、これまでのiPhone、いや同時に出たiPhone 6と比べても心地よさに明らかな違いがある。
ベッドで寝転がって映像を見るのも5分程度のYouTube動画ならiPad miniでも辛くないが、それ以上、例えば30分くらいまでならiPhone 6 Plusのほうが楽だ(おそらく、それ以上の時間だとiPhone 6でも辛くなってくる。もちろん、これも個人差があるだろう)。
最近、少し視力が落ちぎみなこともあってか、文字の小さなWebページがストレスなく読めるという点でも、iPhone 6 Plusの大画面が手放せなくなり始めた。
ちなみにiPhone 6シリーズには(6にも6 Plusにも)大きな画面面積を生かしてアイコンや文字を大きめに表示する「拡大」表示モードと「標準」モードがある。日本語のフォントだと、それほど大きな差を感じないが、iOS 7からアクセシビリティー機能に「より大きな文字(Dynamic Type)」という項目が追加され、文字の表示サイズをかなり柔軟に変えられるようになった。iPhone 6は老眼などで小さな文字を読むのが苦手な人にもかなり優しいスマートフォンに進化している(個人的には、自分はまだ老眼ではないと信じている。いや、信じたい)。
それでは、携帯性の悪さは問題にならないだろうか。iPhone 6は、iPhone 5sを一回り大きくした程度の大きさだし、余裕でポケットに入れて持ち歩くことができるがiPhone 6 Plusは?
試してみると、実はこれが男性用ズボンのポケットにも、ジャケットの胸ポケットにも入ってしまう。もっとも、はみ出る部分が大きくあまりカッコいいものではないが、それを言い始めたら、そもそもジャケットもパンツも本来、ポケットは空にしておくのが理想。ティッシュや財布を入れただけでも膨らんでカッコ悪くなってしまう。
ITmediaは男性読者中心で、そうしたことに無頓着な人が多そうだが、多少なりともオシャレに気を配る女性なら、そんなことは基本中の基本で、iPhone 5はおろか4や3の時代からポケットなどには入れずに、バッグに入れて持ち歩くのがレディのたしなみとして定着している。宝飾品のような美しさを持つiPhone 6やiPhone 6 Plusならなおさらだ。
これはこじつけかもしれないが、そういう意味ではiPhone 6 Plusは、日本男子の着こなしを正常な方向へ戻すうえでも大事な一歩なのかもしれない。そんな感じで、使えば使うほどiPhone 6 Plusがよく思えてくる。
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