「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」に隠された本当の変化林信行が読み解く(2/5 ページ)

» 2014年09月17日 10時01分 公開
[文:林信行、撮影協力:高野晃輔、fashionsnap.com、チバヒデトシ,ITmedia]

「iPhone 6」購入に「待った!」をかける「iPhone 6 Plus」の魅力

 さて、それではこのiPhone 6よりも、さらに大きいiPhone 6 Plusはどうだろう。実物を見るまでの個人的印象は「Plusは大き過ぎ。私はiPhone 6」というものだった。

iPhone 6にするか、それともiPhone 6 Plusにするかは、実はかなり悩ましい問題だ。iPhone 6 Plusは確かにかなり大きいが、その大きさを正当化するのに充分な優位性を持っている(Photo by fashionsnap.com)

女性が使っているとiPhone 6 Plusはかなり大きく見えるかもしれない。しかし、それはこれが電話だと知って見ているからだ。最近では多くの女性がiPadを使っている。その代わりと思えば、むしろiPhone 6 Plusはかなり小さく、使っている姿も自然に見えてくる(Photo by fashionsnap.com)

iPhone 6 Plusで電話をしている様子はさすがに本体が大きく感じる。しかし、これも慣れの問題なのかもしれない。ちょっと前までは「iPhoneで電話をしている姿はおかしい」としつこく言い続けている人がいたが、さすがにそれが日常風景となった今ではそんなことを言う人はいない。そう考えると、相対的に顔がより小さく見えるiPhone 6 Plusは女性にもうれしいスマートフォンかもしれない(Photo by fashionsnap.com)

 特に私の場合、イベント会場からのツイッター実況中継をしたり、ある程度短い記事ならiPhoneで書いてしまう。片手でも簡単にフリック入力できることが何よりも大事だと信じていた。

 iPhone 6 Plusでメモを起動し、得意な右手フリック入力を試みると「い」「ち」「み」などの入力時、本体を残りの指で支えることができず極めて不安定になる。入力できないわけではないが、本体を落とさないか心配で、自然と左手を添えてしまう。ただし、この左手を添えた状態でのフリック入力は、案外、快適だ(個人差があると思う)。

iPhone 6とiPhone 6 Plusでフリック入力をしているところ。iPhone 6 Plusでの片手フリック入力は、かなり不安定で不安を感じるが、逆に左手をそえると入力が安定してiPhone 6での入力速度を抜いてしまうこともしばしばあった。なお、掲載した動画の中でも利用しているが、iPhone 6シリーズには画面大型化で画面の上のほうに指が届かず困った時のため、画面を下にずらす機能が用意されている。実行するにはホーム画面を押さずに、2度軽くタッチする

 そこで改めて本当に「片手でフリック入力をする必要があるのか」を考え直してみると、確かにそういう場面もないわけではないが、それほど多くないことに気がつき、だんだんとiPhone 6 Plusのいいところが目につき始める。

 なんといっても、大きな液晶画面は何をするにも気持ちがいい。よくiTunesやHuluで映画や海外ドラマを見るが、これらもPlusの画面だとかなり見ていて心地がよい。iPad miniほどの迫力はないものの、これまでのiPhone、いや同時に出たiPhone 6と比べても心地よさに明らかな違いがある。

 ベッドで寝転がって映像を見るのも5分程度のYouTube動画ならiPad miniでも辛くないが、それ以上、例えば30分くらいまでならiPhone 6 Plusのほうが楽だ(おそらく、それ以上の時間だとiPhone 6でも辛くなってくる。もちろん、これも個人差があるだろう)。

iPhone 6で映像を見ているところ。この大きさでも1人で楽しむ分には十分楽しめる(Photo by Kosuke TAKANO)

iPhone 6 Plusで映像を見ているところ。この大きさなら、映像にもかなり迫力がでて楽しめる。長距離移動中のカップルなどが2人で一緒に映画を見るのにもいいサイズだ(Photo by Kosuke TAKANO)

 最近、少し視力が落ちぎみなこともあってか、文字の小さなWebページがストレスなく読めるという点でも、iPhone 6 Plusの大画面が手放せなくなり始めた。

 ちなみにiPhone 6シリーズには(6にも6 Plusにも)大きな画面面積を生かしてアイコンや文字を大きめに表示する「拡大」表示モードと「標準」モードがある。日本語のフォントだと、それほど大きな差を感じないが、iOS 7からアクセシビリティー機能に「より大きな文字(Dynamic Type)」という項目が追加され、文字の表示サイズをかなり柔軟に変えられるようになった。iPhone 6は老眼などで小さな文字を読むのが苦手な人にもかなり優しいスマートフォンに進化している(個人的には、自分はまだ老眼ではないと信じている。いや、信じたい)。

iPhone 6及びiPhone 6 Plusには「標準」の表示モードに加え、「拡大」表示モードが用意されており、拡大表示ではホーム画面のアイコンサイズや文字のサイズなどが多少大きくなる(その代わり、iPhone 6 Plusの横長ホームスクリーンなどの機能は使えなくなる)

設定画面では切り替え後、操作画面がどんな感じになるかをスクリーンショットで見比べることができる

小さな文字が読みづらいという人に向けて、アクセシビリティー設定の中に文字だけを拡大表示する機能も用意されている。すべての文字が拡大されるわけではないが、これだけでもかなり操作の助けになるはずだ

 それでは、携帯性の悪さは問題にならないだろうか。iPhone 6は、iPhone 5sを一回り大きくした程度の大きさだし、余裕でポケットに入れて持ち歩くことができるがiPhone 6 Plusは?

 試してみると、実はこれが男性用ズボンのポケットにも、ジャケットの胸ポケットにも入ってしまう。もっとも、はみ出る部分が大きくあまりカッコいいものではないが、それを言い始めたら、そもそもジャケットもパンツも本来、ポケットは空にしておくのが理想。ティッシュや財布を入れただけでも膨らんでカッコ悪くなってしまう。

 ITmediaは男性読者中心で、そうしたことに無頓着な人が多そうだが、多少なりともオシャレに気を配る女性なら、そんなことは基本中の基本で、iPhone 5はおろか4や3の時代からポケットなどには入れずに、バッグに入れて持ち歩くのがレディのたしなみとして定着している。宝飾品のような美しさを持つiPhone 6やiPhone 6 Plusならなおさらだ。

 これはこじつけかもしれないが、そういう意味ではiPhone 6 Plusは、日本男子の着こなしを正常な方向へ戻すうえでも大事な一歩なのかもしれない。そんな感じで、使えば使うほどiPhone 6 Plusがよく思えてくる。

iPhone 6 Plusはバッグに入れて持ち歩こう。他媒体が取り上げているだろうから、ズボンやジャケットのポケットに入る写真は割愛させてもらった。ちなみにジャケットの胸ポケットに入れると、かなりはみ出ておかしいので絶対にやめよう。女性はもちろんだが、男性もエレガントに鞄に入れて持ち歩き歩きスマホを減らすよう心がけたい (C)Hidetoshi Chiba

※記事初出時、アクセシビリティー機能に関する記述で、一部誤りがありました。正しくはiOS 7からの機能となります。おわびして訂正いたします

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