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レビュー
» 2014年10月08日 08時30分 公開

タブレットに“超高性能”という新提案:「VAIO Prototype Tablet PC」を濃密にチェックする (3/5)

[前橋豪,ITmedia]

タブレットボディに充実のインタフェースを装備

 VAIO Prototype Tablet PCは、本体サイズや重量が公開されていないが、これだけハイパフォーマンスな仕様なので、さすがにタブレットとしては厚くて重い部類となる。

 放熱機構はタブレットらしからぬ大きなサイズで、ボディ上面は左右の端から端まで排気口のスリットが並んでいる状態だ。特に屋外で作業しているとき、ここに雨水や砂ぼこりが混入しないよう十分な注意が必要になる。

 ちなみに、これとよく似たボディの設計を採用した11.6型WindowsタブレットのVAIO Tap 11は、TDP 11.5ワット/SPD 6ワットの第4世代Core Yプロセッサ搭載で9.9ミリ厚/約780グラムだった。これも当時のWindowsタブレットとしては、薄型軽量を突き詰めたモデルだ。当然、今回の試作機がこれより薄型軽量ということはなく、Surface Pro 3並とはいかない。

 ヒントとしては、「13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」(厚さ18ミリ/約1.57キロ)に比べて、より高性能でペン入力に対応し、かつキーボード込みで薄型軽量な点が、クリエイター向けマシンとしての特徴の1つになる、という伊藤氏のコメントがある。この辺りが厚さと重さのターゲットだろう。

 実際に見て触れた印象としては、タブレット単体でSurface Pro 2程度の厚さ(13.5ミリ)、重さは1キロより若干重いといったところだ。それでも試作機のスペックを考えると、驚くべき薄型軽量ボディと言える。

左がSurface Pro 3、右がVAIOの試作機。ボディサイズはVAIOの試作機のほうが大きいが、あらかじめスペックを知らなければ、TDP 45ワットの4コアCPUをはじめとする高性能なパーツが、この薄さに収まっているとはとても思えない
左が今回の試作機、右が13.3型ワイド液晶搭載のVAIO Duo 13。画面サイズが一回り小さいぶん、フットプリントも小さい
試作機にキーボードを装着して、VAIO Duo 13(右)と並べてみた。最厚部19.5ミリのVAIO Duo 13より薄く仕上がっているのが分かる

 もう1つ気になるのが、バッテリー駆動時間だ。今回の試作機は他の多くのタブレット同様、バッテリーが内蔵され、ユーザーが交換できるような仕様にはなっていなかった。消費電力の高いCPUや高解像度のディスプレイを搭載するため、長時間駆動は難しいだろうが、Surface Pro 3と同じ9時間程度は持つように調整中という。TDP 45ワットのCPUを備えたハードウェア構成なので、ACアダプタは19.5ワットと電圧が高い。

 タブレットとしては大柄のボディを生かし、ノートPCに見劣りしないインタフェースをそろえているのも目を引く。通信機能はIEEE802.11acの無線LAN、Bluetooth、さらに1000BASE-Tの有線LAN(開閉式コネクタ)を搭載し、SDXC対応SDメモリーカードスロット(UHS-II)、フルサイズのUSB 3.0×2、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、ヘッドフォン出力、ステレオスピーカー、イン/アウトカメラなども装備する。

 WindowsタブレットはUSBが1基しかなく、しかもMicro USBだけという製品が多いので、フルサイズのUSB 3.0を2基備えているのは便利だ。HDMIだけでなく、リフレッシュレート60Hzでの4K表示が可能なMini DisplayPortの映像出力を用意しているのも見逃せない(HDMI接続は、現状で4Kの30Hz表示までとなる)。

上面には排気口のほか、ペン入力時に指でのタッチ操作を無効にするボタンがある(写真=左)。下面には2つの細いスリットがあり、ステレオスピーカーを内蔵している(写真=右)
左側面には、ACアダプタ接続用のDC入力、開閉式の有線LANコネクタ、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、SDXC対応SDメモリーカードスロット(UHS-II)、2基のUSB 3.0、ヘッドフォン出力を搭載(写真=左)。右側面には電源ボタン、音量調整ボタン、ペンホルダー装着用の穴がある(写真=右)
背面の向かって右上にメインカメラ(写真=左)、液晶ディスプレイの上部中央にインカメラ(写真=右)を内蔵する

VAIO Tap 11から改善したワイヤレスキーボード

 前述の通り、VAIO Prototype Tablet PCはVAIO Tap 11同様、専用の薄型軽量ワイヤレスキーボードを組み合わせた2in1として設計されている。

 ワイヤレスキーボードはタブレット本体のフットプリントと同じサイズで作られ、非使用時に磁力で重ね合わせることで、画面保護カバーの役割も担う。キーボードとタブレット本体の接続は2.4GHz帯を利用したRF接続で、キーボードの着脱に本体のスリープ/復帰が連動するため、本体から外してすぐ使える。

 タブレットとキーボードを重ね合わせると、タブレット本体の右下にある小さな端子がワイヤレスキーボード右上の端子と接続され、タブレットからキーボードへ自動的に充電が行われる。この仕様により、持ち運ぶときや使っていないときに、意識せずともキーボードの充電ができるのは便利だ。

 こうした着脱式キーボードの仕組みはVAIO Tap 11から継承したものだが、今回の試作機ではキーボードにMicro USB端子を追加し、キーボード単体でも充電できるよう改良している。VAIO Tap 11では、キーボードを分離したまま放置するなどしてバッテリーが切れると、本体に重ねて充電しなければならない欠点があったからだ(その間、タブレット本体は使えなくなる)。

 キーボード自体の作りもよい。VAIOおなじみのアイソレーションタイプの6列仕様で、レイアウトにクセがなく、フルピッチを確保している。キーボードの手前、ホームポジションの直下には、左右ボタンを一体化した大型のタッチパッドを備えており、広めのパームレストも相まって、入力環境は良好だ。試作機のキーボードは英語版だが、もちろん国内で発売される場合は日本語キーボードになる(英語版キーボードを選択できるかどうかは不明)。

薄型軽量のワイヤレスキーボードは、VAIOおなじみのアイソレーションデザインを採用。フルピッチのキーボードは配列にクセがなく、カーソルキーを他のキーから離すなど、使い勝手に配慮している。左右ボタン一体型のタッチパッドも大きめで余裕があるサイズだ
タブレット本体と同じフットプリントのワイヤレスキーボードは、磁力で重ね合わせることで、画面を保護したまま持ち運べる
キーボードの背面は1枚板で構成され、VAIOロゴとヘアライン加工が施されている(写真=右)。薄型のデザインなので、キーストロークは浅いが、キーのスイッチは適度な反発があり打ちやすい(写真=右)
キーボードの右上には、キーボードの電源スイッチ(タッチパネルの無効も可能)と、タブレット本体に接続する充電端子がある(写真=左)。タブレット本体の右下には、キーボードに給電するための端子を用意している(写真=右)。どちらの端子も小さく目立たないよう作られている
タブレット本体とキーボードは磁力で吸着する。キーボードを装着した状態の上面(写真=左)と下面(写真=右)。キーボードがフラットな形状で薄いことから、合体しても厚さはさほど気にならない
キーボードを装着した状態の左側面(写真=左)と右側面(写真=右)。ペンホルダーは着脱可能だ
キーボードはフラットで薄く仕上がっている(写真=左)。キーボードの背面には充電用のMicro USB端子を追加した(写真=右)
キーボードの左側面(写真=左)と右側面(写真=右)。シンプルなデザインにまとまっている

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