日本時間の10月17日、アップルは新しい9.7型タブレット「iPad Air 2」と7.9型タブレット「iPad mini 3」を発表した。Apple Storeでのオンライン受注開始は、2014年10月18日からだ。ここでは旧モデルとスペックを比較しながら、それぞれの強化点をまとめよう。
まずはiPad Air 2から見ていく。新旧モデルの主なスペックを下表にまとめた。太字が大きな変更点だ。
iPad Air 2とiPad Airのスペック比較 | ||
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製品名 | iPad Air 2 | iPad Air |
メーカー | アップル | アップル |
OS | iOS 8 | iOS 8 |
幅 | 169.5ミリ | 169.5ミリ |
高さ | 240ミリ | 240ミリ |
奥行き | 6.1ミリ | 7.5ミリ |
重量 (Wi-Fi) | 約437グラム | 約469グラム |
重量 (Wi-Fi + Cellular) | 約444グラム | 約478グラム |
画面サイズ(液晶方式) | 9.7型 (IPS) | 9.7型 (IPS) |
ディスプレイ解像度 (画素密度) | 2048×1536ピクセル (約264ppi) | 2048×1536ピクセル (約264ppi) |
アスペクト比 | 4:3 | 4:3 |
フルラミネーションディスプレイ | ○ | − |
反射防止コーティング | ○ | − |
プロセッサ | A8X | A7 |
モーションコプロセッサ | M8 | M7 |
ストレージ | 16Gバイト 64Gバイト 128Gバイト |
16Gバイト 32Gバイト |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac (MIMO) | IEEE802.11a/b/g/n (MIMO) |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.0 |
通信方式(Wi-Fi + Cellular) | UMTS/HSPA/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1700/2100、1900、2100MHz) GSM/EDGE(850、900、1,800、1900MHz) CDMA EV-DO Rev. A/Rev. B(800、1900MHz) LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、13、17、18、19、20、25、26、28、29、38、39、40、41) |
UMTS/HSPA/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1700/2100、1900、2100MHz) GSM/EDGE(850、900、1,800、1900MHz) CDMA EV-DO Rev. A/Rev. B(800、1900MHz) LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、13、17、18、19、20、25、26) |
センサー類 | デジタルコンパス 3軸ジャイロ 加速度 環境光 気圧計 Assisted GPS/GLONASS(Wi-Fi + Cellular) |
デジタルコンパス 3軸ジャイロ 加速度 環境光 Assisted GPS/GLONASS(Wi-Fi + Cellular) |
内蔵カメラ | 800万画素iSightカメラ 120万画素FaceTime HDカメラ |
500万画素iSightカメラ 120万画素FaceTime HDカメラ |
内蔵スピーカー | ステレオ | ステレオ |
内蔵マイク | デュアル | デュアル |
Touch ID | ○ | − |
インタフェース | Lightning ヘッドフォン(3.5ミリステレオミニ) |
Lightning ヘッドフォン(3.5ミリステレオミニ) |
SIM (Wi-Fi + Cellular) | nanoSIM | nanoSIM |
バッテリー駆動時間 | Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生:最大10時間 | Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生:最大10時間 |
バッテリー容量 | 27.3ワットアワー | 32.4ワットアワー |
カラーバリエーション | ゴールド、スペースグレイ、シルバー | スペースグレイ、シルバー |
税別価格 (Wi-Fi) | 16Gバイト:5万3800円 64Gバイト:6万4800円 128Gバイト:7万5800円 |
16Gバイト:4万2800円 32Gバイト:4万7800円 |
税別価格 (Wi-Fi + Cellular) | 16Gバイト:6万7800円 64Gバイト:7万8800円 128Gバイト:8万9800円 |
16Gバイト:5万6800円 32Gバイト:6万1800円 |
発売時期 | 2014年10月 | 2013年11月 |
最大の特徴は、7.5ミリ厚だった初代iPad Airから18%薄型化し、6.1ミリ厚の世界最軽量ボディを実現したことだ。これに伴い、重量もWi-Fiモデルで約437グラム(32グラム減)、Wi-Fi+Cellularモデルで約444グラム(34グラム減)に軽量化した。169.5ミリの横幅と240ミリの高さに変更はない。
ボディカラーはこれまでのスペースグレイとシルバーに加えて、新色のゴールドも選べるようになった。ホームボタンには、指紋認証センサーの「Touch ID」も盛り込んでいる。iPhoneで先行して採用したゴールドのカラーやTouch IDをiPadにも適用した格好だ。米国で10月20日(現地時間)に始まるモバイル決済サービス「Apple Pay」については、Touch IDを使ったアプリ内での購入に対応する(店舗での決済は非対応)。
Retinaディスプレイは、一部でうわさされた高解像度化は見送られた。9.7型で2048×1536ピクセル(画素密度264ppi)表示というスペックは従来通りだ。ただし内部構造的には、表面のカバーガラス、タッチセンサー、液晶パネルモジュールの3層に分かれていたディスプレイ部を1つに貼り合わせて統合し、空気層を省いた「フルラミネーションディスプレイ」に進化した。表面には「反射防止コーティング」も採用し、従来比で56%反射を抑えている。
アップルがフルラミネーションディスプレイと呼ぶ技術は、一般にオプティカルボンディングやダイレクトボンディングと呼ばれるものだ。本体を薄型化しつつ、内部で光の反射や拡散を抑え、表示の発色やコントラストを高める効果がある。また、表面ガラスと液晶パネルが近くなることで、表示が浮き上がって見え、タッチした指先のすぐ下で反応する操作感のよさ(視差の少なさ)というメリットももたらす。
プロセッサは第2世代64ビットアーキテクチャの「A8X」に強化。初代iPad AirのA7プロセッサと比較して、CPUを40%、GPUを2.5倍高速化したという。モーションコプロセッサについても、加速度センサー、デジタルコンパス、3軸ジャイロスコープ、そして新採用の「気圧計」から収集されるデータを継続的に測定する「M8」に進化した。
通信機能では、無線LANが高速なIEEE802.11ac(MIMO対応/下り最大866Mbps)をサポート。下り最大150MbpsのLTEに対応するWi-Fi+Cellularモデルは、20の周波数帯をカバーした。28、29、38、39、40、41のバンドが追加されており、仕様としてはUQコミュニケーションズのWiMAX 2+(auがMVMOで利用)や、Wireless City PlanningのAXGP(SoftBank 4Gで利用)が用いるTD-LTEのバンド41も含む。
カメラについては、背面のiSightカメラが500万画素から800万画素にアップグレード。前面のFaceTime HDカメラは、120万画素に据え置きだが、F値が2.2で81%明るくなったという。顔検出が強化され、バーストモード、120fpsのスローモーション、タイマーモード、自分撮りでの写真/動画HDRといった撮影機能にも対応した。
バッテリー駆動時間に変更はなく、Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生で最大10時間だ。ボディの薄型軽量化を受けて、バッテリー容量を初代iPad Airの32.4ワットアワーから27.3ワットアワーに減らしているが、公称値のバッテリーライフはキープしている点に注目したい。
以上、現時点で判明している情報をもとに、iPad Air 2をiPad Airと比較した。iPad Air 2は正面からの見た目がほとんど変わらないため、外観上の目新しさはあまりないかもしれないが、多岐に渡る進化を果たしている。後述するiPad mini 3が小幅なアップデートにとどまったこともあり、これからiPadの購入を検討しているならば、最有力候補になることは間違いない。
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