LGエレクトロニクス・ジャパンは10月30日、34型サイズの曲面ディスプレイ「34UC97-S」を発表、同日より販売を開始する。予想実売価格は13万2000円前後(税別)。アスペクト比21:9の曲面ディスプレイの発売は国内初。
シネマスコープサイズ(2.35:1)に近いワイド画面に、曲面パネルを採用することで、自然な視聴環境と高い臨場感を実現したのが最大の特徴。左右両サイドが内側に向かってカーブしており、視線の移動が最小化されるほか、視点を画面中央から端に移動した際でも、目のピント調節の負担が軽減されるという。このほか、画面下部の左右に内蔵される7ワット+7ワットの大容量スピーカーとMaxxAudio技術により、高音質サウンドを実現しているのもポイントだ。
表示解像度は3440×1440ピクセル、コントラスト比1000:1(最大500万:1)、応答速度は5ms(GtoG)、輝度は300カンデラ/平方メートル、視野角は上下/左右178度。10ビットカラー(10.7億色)表示に対応し、sRGBカバー率は99%以上という。なお、チルド角度は上15度/下15度で、スイベルや昇降機構はない。
製品発表会では、LGエレクトロニクス・ジャパンでマーケティングを統括する李起旭(リ・キウク)氏が登壇し、34UC97-Sを日本市場に投入した背景を説明。「2012年にアスペクト比21:9のウルトラワイドモニターを発売してから約2年、ディスプレイの用途が多様化する中で、顧客のニーズに寄り添って進化させたのが34UC97-Sだ」と語り、曲面ディスプレイによる映像への没入感の高さをアピールした。
もう1つ、デジタルシネマ4K対応ディスプレイ「31MU97-B」も同時発表している。発売は11月中旬予定で、価格はオープン。実売価格は13万2000円前後になる見込みだ。
同製品は、ハードウェアキャリブレーションや、Adobe RGBカバー率99.5%の広い色域を備えたカラーマネジメントディスプレイ。通常のPC用4KディスプレイはITU(国際電気通信連合)が定めた3840×2160ピクセルの解像度を採用しているが、これをさらに上回る映画業界のDCI(Digital Cinema Initiatives)4K規格に対応した4096×2160ピクセル(アスペクト比17:9)の超高解像度を実現した。また、Adobe RGBカバー率99.5%に加え、DCI規格の「DCI-P3」の色域も97%カバーしている。
このほか、1画面上で2つの色域を左右に分けて表示する「デュアルカラースペース」を搭載し、Web上での表示と印刷時の色合いを同時に比較できるなど、DTPや画像編集に特化したユニークな機能も見どころの1つだ。なお、別売のキャリブレーションセンサーを利用してキャリブレーションが可能。付属ソフトウェア「True Color Pro」でDCIやDCMの色調整も行える。
輝度は320カンデラ/平方メートル、コントラスト比1000:1(最大500万:1)、応答速度が5ms(GtoG)、視野角は上下/左右ともに178度。インタフェースとして、DisplayPort(v1.2)、Mini DisplayPort(v1.2)、HDMI(v1.4)×2、USB 3.0×4(up×1、down×3)を搭載するほか5ワット+5ワットのスピーカーも内蔵する。なお、昇降機構は140ミリ、チルト角が上15度/下15度、画面を回転させての縦位置表示にも対応する。
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