「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」の高速移動時ハンドオーバーを試す注目WiMAX 2+ルータ詳細レビュー(1/2 ページ)

» 2014年11月05日 19時50分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

手軽だが、弱点もある無線LANアクセスポイント機能

 「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD14」と異なる、WiMAXハイパワーに加えてもう1つの「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」の新機能が専用クレードルと組み合わせての有線LAN対応だ。

HWD14にはなかった機能の1つがクレードルによる有線LAN対応だ。同様にNAD11も有線LANが利用できるが、両者では対応する機能が異なるため注意が必要だ

 有線LAN対応は2つの機能があり、モバイルルータとして利用時の有線LAN機器との接続と、今回検証する無線LANアクセスポイント機能になる。自宅などで固定インターネットを利用して無線LANアクセスポイントを使っていないケースは少数と思うが、自宅はデスクトップPCのみなので無線LANを導入していない人がスマートフォンやタブレットのために使ったり、単体製品のジャンルとしても成立しつつあるホテルルータとして使うなど、便利な機能だ。

 HWD15は一言で言えば手軽だ。ACアダプタと有線LANを接続したクレードルに乗せると5秒程度で無線LANアクセスポイントに切り替わる。このとき無線LANの切断もない。スマートフォンなどを屋外で接続したまま屋内に入り、HWD15をクレードルに載せると、そのままHWD15を介して有線LAN経由でのインターネット接続に切り替わる。WAN側がWiMAXやLTEから有線LANに切り替わるだけの動作だ。クレードルは構造が至って単純なので載せるときにコネクタ位置を目視で合わせる必要はある。HWD15のMicro USBコネクタ周辺が傷つくのを防ぐなら注意は必要だ。

 WiMAX 2+対応ルータで有線LANにも対応する従来モデルの「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11」は、無線LANアクセスポイントとして使う場合(逆の場合も)、必ず一度再起動する。この間分単位で時間がかかるし、当然接続していた端末の無線LANも一度切断する。計測した範囲では、クレードルに差して数秒して切替え動作に入ってから1分15秒程度だった。

 ただし、HWD15はクレードルと組み合わせて無線LANアクセスポイントとして使う場合も、ルータ動作のままだ。有線LANインターネット環境はルータ(ブロードバンドルータ)を使っていると思うが、その環境にさらに2台目のルータを多段接続する形になる。インターネット接続を利用するだけならさほど不便はないと思うが、2台のルータで別々のセグメントのLANが2系統できてしまうので、ファイル共有などで難が出る。

 固定インターネットに繋がったブロードバンドルータをホームルータとし、このホームルータ側のLANにファイル共有をしているPC、NASなどがあると仮定しよう。このLANにHWD15を無線LANアクセスポイントモードで有線接続すると、HWD15に接続したクライアントからは、ホームルータに接続したPCやNASにも一応アクセスできる。一応なのは、いわゆるネットワーク名でのアクセスはできず、IPアドレスでのアクセスになるからだ。

 一方で、ホームルータ側からはHWD15に接続したクライアントに接続できない。HWD15から見るとホームルータ側のLANはインターネットと同じ扱いになり、ホームルータ側からの接続要求は不正な侵入と見なして原則遮断してしまうからだ。HWD15の設定次第では特定のパケットをHWD15に接続した特定のクライアントに転送できるが、これもまた面倒な作業になる。

 ほとんどの個人ユーザーはネットワーク機器のIPアドレスは、ホームルータからDHCPで自動付与しているだろうから、HWD15に接続したクライアントからホームルータに接続しているネットワーク機器にはアクセスしないことを前提にしたほうがいい。逆方向の接続は考えないほうがいいだろう。

 NAD11なら単純に無線LANアクセスポイントとして機能するので、NAD11に接続したクライアントはホームルータと同じセグメントのLANに接続する形になり、特に制限は発生しない。その代わりに1分強の再起動時間と引き替えということになる。

 HWD15も、ホテルルータ的な利用方法なら問題ないし、シチュエーションによっては独立したLANになるので安全だ。家庭内LANもインターネットに接続することがほとんどだろうから、HWD15でも問題はないユーザーも多いはずだ。

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