「Xperia Z3 Tablet Compact」徹底検証(後編)――世界最軽量の8型タブレットは機能も性能も隙なしか?歴代モデルとの比較も(1/4 ページ)

» 2014年11月11日 09時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

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ココが「○」
・独自アプリやアクセサリが充実
・パフォーマンスとスタミナも良好
ココが「×」
・Androidタブレットとしては割高
・SIMロックフリーモデルも欲しい

8型クラス最軽量タブレットの独自機能と性能をチェック

 この冬、最も注目すべき小型タブレットの1つ、それがソニーモバイルコミュニケーション初の8型モデル「Xperia Z3 Tablet Compact」だ。7.1型以上〜9.0型未満のタブレットとして世界最軽量(2014年10月6日時点、ソニー調べ)で、最薄に近いスリムボディ、しかも防水防塵を誇る。画質、音質、カメラなどにも注力しており、小型Androidタブレットではハイエンド志向の製品だ。

 前回はそんなXperia Z3 Tablet Compactの薄型軽量・防水防塵ボディと液晶ディスプレイの品質、カメラ機能、そして基本スペックを一通りチェックした。今回は独自アプリや純正アクセサリの紹介に加えて、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、ボディの発熱などをテストし、タブレット端末としての実力を明らかにしていこう(試作機のため、実際の製品とは一部異なる可能性がある)。

ソニーモバイル初の8型Androidタブレット「Xperia Z3 Tablet Compact」。実売価格(税別)は16Gバイトモデルで4万4000円前後から

タブレット初の「PS4リモートプレイ」など独自機能も魅力

 OSはAndroid 4.4.4(KitKat)を搭載する。16Gバイトモデルは初期状態でストレージの空き容量が約10.5Gバイトだった。ソフトウェア面では標準的なGoogleアプリに加えて、Xperiaシリーズ独自のアプリやコンテンツを豊富に用意している点が、他のAndroidタブレットとの差異化ポイントとなる。

ホーム画面はWALKWAN、アルバム、ムービー、PlayStationといった独自アプリが目立つように配置され、その下に利用頻度が高いアプリ群が並んでいる(画面=左)。Googleアプリは左下のフォルダに集められている(画面=右)
ホーム画面を左右に移動すると、ウィジェットやサポート関連のアイコンなども見られる。ホーム画面を長押しすることで、画面構成のカスタマイズも可能だ
アプリ一覧にはXperiaシリーズ独自のものも目立つ
アプリ一覧の3画面目(画面=左)。設定画面は従来通り、白ベースのカラーを採用している(画面=右)
横位置ではホーム画面がこのような配置になる

 目新しいところでは、タブレットとしては初めて「プレイステーション 4」(PS4)との連携機能「PS4リモートプレイ」を搭載した。「PS4 Remote Play」アプリを利用し、タブレット本体とPS4のワイヤレスコントローラー「DUALSHOCK 4」をつなぎ、Wi-Fiで家中どこでもPS4にアクセスしてリモートプレイが可能だ。

 例えば、リビングのテレビにPS4をつないであっても、自室でベッドに寝転びながらPS4のゲームが楽しめる。通信環境がよければ、入力タイミングがシビアなゲームでない限り、表示遅延もほとんど気にならないだろう。

 PS4リモートプレイは携帯ゲーム機の「PS Vita」や、スマートフォンの「Xperia Z3」「Xperia Z3 Compact」もサポートしているが、画面サイズが8型と大きいXperia Z3 Tablet Compactでは画面上の細かい文字やキャラクターも比較的判別しやすく、当然ながら映像の迫力も違ってくる。PS4のユーザーならば、Xperia Z3 Tablet Compactを選択する1つの理由になるだろう(ただし、リモートプレイ非対応のゲームもある)。

PS4リモートプレイ機能は、ゲーム機の純正ワイヤレスコントローラー「DUALSHOCK 4」で操作するため、8型の小さなディスプレイにPS4を直接つなげて、ゲームを遊んでいるような感覚だ(写真=左)。DUALSHOCK 4にタブレットをマウントできる純正アクセサリ「GCM10 Game Control Mount」も東京ゲームショウ2014などで公開されたが、発売についての情報は現時点で明らかにされていない(写真=右)

 徐々に盛り上がりつつあるライフログ(日常の記録)活用の機能として「Lifelog」アプリも用意している。これはタブレット内蔵センサーで検知した行動(歩数など)や、タブレットでの操作を自動的に記録し、カロリー計算などをしてくれるものだ。同社はAndroid Wear搭載スマートウォッチ「SmartWatch 3 SWR50」と組み合わせたウェアラブル体験も提案している。

タブレット内蔵のセンサーで検知した行動や、タブレットでの操作を自動的に記録し、カロリー計算などをしてくれる「Lifelog」アプリ

 PS4やスマートウォッチ以外にも、DLNA、DTCP-IP、NFC、MHL 3.0などを利用した機器連携の機能は豊富だ。テレビ機能関連では、対応するBlu-rayレコーダーと連携して放送中や録画した番組を外出先ですぐ視聴できる「TV SideView」、Blu-rayレコーダーやnasneで録画したテレビ番組を転送して外出先で視聴するための「ワイヤレスおでかけ転送」、タブレットで再生中の映像をワイヤレスでテレビの大画面に表示する「スクリーンミラーリング」、MHL 3.0(HDMI)接続での4K映像出力などが行える。

 また、Xperiaスマートフォンのテザリング機能をタブレットからオン/オフできる「Xperia Link」、ムービー、アルバム、WALKMANの3つのアプリで管理しているコンテンツを対応機器にワイヤレス送信して楽しめる「Throw」、NFCを利用した対応機機との“かざすだけ”接続・設定共有なども可能だ。

 そのほか、他のアプリを立ち上げた状態でちょっとした作業や調べものができる「スモールアプリ」、ソニー独自のセンスがよいテーマや壁紙を備えている。

Xperiaスマートフォンの画面をタブレットに表示したり、タブレットの画面を液晶テレビのBRAVIA(対応モデル)に表示できる「スクリーンミラーリング」(画面=左)。「Xperia Link」を使えば、Xperia Z3 Tablet Compactから、Bluetooth経由でXperiaスマートフォンのテザリング機能を有効/無効にできる(画面=右)
Android 4.4以降のXperiaシリーズであれば、Bluetooth、Xperia Link、スクリーンミラーリングなどの設定をNFCでワンタッチに設定可能だ(画面=左)。ほかのアプリの利用中に小窓で同時に使えるスモールアプリも搭載(画面=右)。新たに導入された「Touch Block」は、タッチ操作を無効にするアプリで、水滴がかかりやすい場所で動画を見る場合などに便利だ
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