初代プチコンからプチコン3号にいたるまで、プチコンシリーズではソフトウェアキーボードをタッチしてプログラムを入力するところは変わらない。外付けキーボードに対する期待も高まっているものの、純正周辺機器として出ていない以上、そのハードルは高い。
だが、プチコン3号はキーボードがなくても、プチコンmkIIに比べて格段にプログラミングがしやすくなっている。その理由を見ていこう。
・広い編集画面
プチコンmkIIの39文字×24行に対し、プチコン3号では46文字×29行に増加した。さらに折り返し表示が選択できるようになっている。
・色分けされたリスト
通常テキスト、数値、文字列、ステートメント、コメント、ラベルが色付きで表示されるようになり、構造が分かりやすくなった。それぞれの色はカスタマイズが可能だ。
・複数行の選択
SELボタンで複数行の選択ができるようになった。この状態でCOPYボタンを押せば複数行コピー、PASTEでペーストができる。シフトを押すとCOPYボタンがCUTボタンに切り替わる。
・検索/置換/Undo/Redo
キーボードパネル右上の虫めがねアイコンをタップすると検索モードになる。その状態で左上に表示されている「REPLACE MODE」を選択すると置換モードに切り替わる。すべて一括置換する場合は「REPLACE ALL」、1つずつ置換する場合には「REPLACE&NEXT」を使用すればよい。
また、キーボードパネル右下にはUndoボタンが設置された。シフトを押すとRedoボタンになる。
・スライドパッド
プチコンmkIIではスライドパッドによる移動は十字キーと同等だった。プチコン3号ではスライドパッドは1画面分の高速スクロールになったため、長いリストでも移動がしやすくなった。なお、ヘルプが表示されているときはスライドパッド上下でヘルプのスクロール、左右でトピックの移動となる。
・ヘルプ
プチコン初心者から上級者まで、すべてのプチコンユーザにとって最も強力なサポート機能がこのヘルプではないだろうか。知りたい単語がある行でキーボードパネル右上の「?」アイコンをタップすると、瞬時に上画面下部に表示される。それと同時にカレント編集行がヘルプで隠れないように、スクロールアップする。例をコピー&ペーストすることも可能だ。
・デバッグ補助機能
F4に割当てられている「LIST ERR」はダイレクトモードで使用し、直前で発生したエラーの所にジャンプする。プログラム作成中はダイレクトモードでRUN→エラーが出たらLIST ERR、を繰り返して修正していく。
また、BACKTRACEはトレース情報(GOSUBなどの呼出履歴)を表示する。STOP命令などで停止させたときにダイレクトモードで実行させるほか、通常の命令としても利用できる。
・書きやすい命令の追加
インクリメント/デクリメントを行うINC/DEC、複数行に渡るIF文、WHILE〜WEND文など、プログラムリストが横に長くならず、コンパクトに収めるための命令が追加された。
説明
直前の呼び出し元の履歴表示
・STOP命令等で止めた際に直前までの呼び出し履歴を表示する
・スロット番号 行番号のリストが表示される
説明
EDITモードへの切り替えと編集開始
・引数のないLISTは、EDITボタンを押すことと同じ働き
引数
行番号
省略するとデフォルト行から表示する
行番号の前に0:〜3:を付け、プログラムSLOTの指定も可能
ERR
直前にエラーの発生した行を指定
説明
条件が成立している間、WENDまでの処理を繰り返す
成立しなくなるとループを抜ける
条件式
条件式の比較演算子は次のとおり
等しい ==
等しくない !=
より大きい >
より小さい <
以上 >=
以下 <=
説明
WHILEループの終わりを示す命令
IF 条件式 THEN 処理1 [ELSE 処理2] [ENDIF]
説明(1/2)
条件の成立時に処理1を、不成立時に処理2を実行
・THENやELSE直後のGOTOは、GOTOを省略しラベル名のみで可
・処理が複数行にわたるときはENDIFを使用
条件式
条件式の比較演算子は次のとおり
等しい ==
等しくない !=
より大きい >
より小さい <
以上 >=
以下 <=
説明(2/2)
条件が成立した際、@ラベルに分岐
条件式
条件式の比較演算子は次のとおり
等しい ==
等しくない !=
より大きい >
より小さい <
以上 >=
以下 <=
ラベルに文字列を使う場合
ラベルにはラベル文字列も使用可能
ただしELSE直後でGOTOを省略するときは、文字列は使えない
×IF A=0 GOTO "@LABEL1" ELSE "@LABEL2"
○IF A==0 GOTO "@LABEL1" ELSE @LABEL2
○IF A==0 GOTO "@LABEL1" ELSE GOTO "@LABEL2"
説明
変数の値を+1する
引数
変数:加算する変数名
式:加算する値(省略時:1)
説明
変数の値を-1する
引数
変数:減算する変数名
式:減算する値(省略時:1)
次回はモーションセンサーを紹介する。
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