PC USER Pro

東芝、10.1型/8型Windowsタブレットに“2048段階の筆圧ペン”付属モデルを追加――「dynabook Tab S90/S80/S68」業界初「アクティブ静電結合方式」を採用(1/2 ページ)

» 2014年11月19日 12時00分 公開
[ITmedia]

ワコムの新方式ペンをいち早く採用

 東芝は11月19日、10.1型Windowsタブレット「dynabook Tab S90」「dynabook Tab S80」および8型Windowsタブレット「dynabook Tab S68」を発表した。S90はS80にBluetoothキーボードを付属したモデルだ。12月下旬から順次発売する。価格はオープン、税別の実売価格はそれぞれ7万円台前半、6万円台半ば、5万円台前半の見込み。

10.1型Windowsタブレット「dynabook Tab S90」「dynabook Tab S80」 ※S90はこれにBluetoothキーボードが付属
8型Windowsタブレット「dynabook Tab S68」

 これらは10月開催の「CEATEC JAPAN 2014」で参考出展されたペン付きタブレットの製品版。既存の10.1型Windowsタブレット「dynabook Tab S50」と8型Windowsタブレット「dynabook Tab S38」をベースとして、ワコムが開発した新技術「アクティブ静電結合方式」による筆圧ペン機能を追加しているのが最大の特徴だ。同方式の採用は業界初(2014年11月19日現在、東芝調べ)となる。

 アクティブ静電結合方式とは、「電磁誘導方式に匹敵するペン機能を、静電容量方式のタッチパネルで低コストに実現すること」を目指した技術だ。タブレット側のタッチパネルは標準的な静電容量方式とほぼ同じ構造だが、バッテリー(単6形乾電池×1本)を内蔵した専用ペンによって、電磁誘導方式のようなホバリング(ペン先を画面に近づけるとポインタが出現して追従する機能)と高精度なペン入力を実現している。

 ワコムはこの方式による新しいタッチコントローラとペンを提供。東芝は、ペン先の認識に影響を与える電気的ノイズを除去し、限られたスペースに実装を行い、直線性、位置検出、筆圧応答の精度を高めたという。

 ペン機能は太さ約0.2ミリの細い線を引くことができ、2048段階の筆圧に対応した感圧センサーも内蔵する。走り書きができる「筆圧追跡高速化技術」、紙とペンに近い書き心地の「摩擦抵抗最適化技術」、ペンが検出されると指のタッチが反応しなくなるリジェクション機能なども盛り込んだ。

 タブレット本体のタッチパネル側には書き心地を高めるため、専用のフィルムが貼ってあり、既存のdynabook Tab S50とdynabook Tab S38に比べて、厚さが0.1ミリ増している。また、専用ペンのクリップを差し込んで固定しまま持ち運べるようボディの端に小さな穴が追加された。

専用ペンのクリップを差し込んで固定しまま持ち運べるようボディの端に小さな穴が追加されている
金属製ボディの専用ペンは、キャップやクリップが付いている(写真=左)。ペンは単6形乾電池1本で駆動する(写真=右)。ペン側にバッテリーとコントローラを内蔵し、位置や筆圧の情報を送信することで、電磁誘導方式のペンと同じようなホバリングや高精度の筆圧対応ペン入力を実現している。ワコムによると、電磁誘導方式に比べて電池は必要だが、画面端の精度はアクティブ静電結合方式が有利という。筆圧のアルゴリズムは電磁誘導式と同様とのこと。1ドット分の細さ(S80/S90が約0.17ミリ、S68が約0.134ミリ)での線が描画できる

ビジネスシーンに役立つアプリも搭載

 ビジネスでの活用を想定した独自アプリ群「Truシリーズ」も搭載する。手書きノートアプリの「TruNote」は、手書きした文字を後から太字にしたり、色を変更できる機能を用意。手書きした文字や図形の検索、手書き文字からのネット検索も行える。

 手書きした文字はテキストデータに変換してメールなどに貼り付けられるほか、手書きの図形や表などもOffice形式に変換でき、WordやPowerPointといったOfficeアプリに貼り付けられる。

 ペンのサイドボタンを押しながらタッチすると、タブレットがスリープから復帰してすぐメモ画面になるため、素早く書き始めることが可能だ。また「東芝サインログオン」により、ペン入力による手書きでのログオンもできる。

手書きノートアプリ「TruNote」
10.1型モデルのdynabook Tab S90/S80でTruNoteを利用(写真=左)。8型モデルのdynabook Tab S68ならば、片手でタブレットを持ってメモするような使い方も可能だ(写真=右)
10.1型と8型で同じデジタルノートの内容を表示した例。大きさにこれくらい差がある

 キャプチャアプリの「TruCapture」は、ホワイトボードや黒板、書類を撮影したデータに対して、白地化・台形補正処理を行った後、TruNoteのノート画面に貼り付けられる。OCR機能も備えており、撮影した書類に印刷された文字をテキストデータに変換し、メールやOfficeアプリに貼り付けることも可能だ。

キャプチャアプリの「TruCapture」は、OCR機能も備えている

 ボイスレコーダーアプリの「TruRecoder」は、音声分析による発言者の自動識別が行える。複数人(最大10人)が話した内容の録音データは、発言者ごとに分かれて画面に表示され、特定の発言をタッチして再生可能だ。

 フリップによる発言スキップ、高速再生/低速再生、気になる発言にマーカーを付けての頭出し、無音区間のスキップ再生、バックグラウンド録音といった機能も有する。ノートアプリと併用した場合、ペン入力のノイズを低減する機能も持つ。

ボイスレコーダーアプリの「TruRecoder」は、本体内蔵の2つのマイクにより録音した音声から、最大10人まで話し手を識別できる

 そのほか、イラスト作成の「Sketchable」、お絵描き用の「FreshPaint」、写真をデコレーションできる「Photo Mix & Mash」、はがき作成の「筆ぐるめ」といったアプリも備えている。


東芝ダイレクト

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー