AMDは、11月20日(現地時間)に中国を除くアジア太平洋地域における今後のマーケティング戦略やこれから市場投入を計画している製品、そしてテクノロジに関する記者発表会「Future of Compute」をシンガポールで開催した。
この中で、同社でAPU製品などの技術開発を指揮するジョー・マクリ副社長は、次期APUとなる開発コード名“Carrizo”(カリッゾ)の概要を明らかにした。
これによれば、同APUは、AMDにとって第4世代のBulldozer CPUアーキテクチャとなる“Excavator”(エクスカヴェータ)コアを採用するとともに、グラフィックスアーキテクチャも刷新した。さらに、South Bridge機能も1つの半導体に統合するシングルチップ構成となっている。
また、同製品は、CPUとGPUがより緊密な連携を実現する「HSA(Heterogeneous System Archtecture)1.0」に正式対応したAPUとなるとともに、大幅な省電力化を果たすとアピールした。
マクリ氏は、Carrizoに関するより詳細な情報は、今後1〜2カ月をかけて少しずつ開示していくとしており、2015年前半には、その全容が明らかになると語っている。
このイベントでは、カプコン テクニカルディレクターの伊集院勝氏が登壇し、同社が次期ゲームエンジンでMantle対応を進めていることを表明した。
伊集院氏は、その具体的なゲームタイトルやスケジュールについては語らなかったものの、Mantleへの対応により、PCやゲーム専用機などで共通のゲームプラットフォームを実現するとした。
あわせて、これまでCPUへの負荷が高く、ゲーム内にあまり利用できず、ゲームの進行に関連するアイテムにもできなかった布などのオブジェクトを積極的に採用するとともに、より高品質なグラフィックス表現ができるようになるだろうと、Mantle対応のメリットをアピールしている。

カプコンの伊集院氏(右側)は、同社のゲームエンジンにおけるMantle対応計画を明らかにした(写真=左)。これまでは、布などのオブジェクトを写実的に描画しようとするとCPU負荷が高くなるため、ゲームの進行にかかわるアイテムとして使うのが難しかっただけでなく、ゲーム画面内で描画することすら避けていたという。しかし、ゲームエンジンがMantleに対応することで、こうした複雑なオブジェクトを多様できるだけでなく、ゲームのストーリーに影響する重要なアイテムとしても使うことができるようになると期待する(写真=右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.