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» 2014年11月27日 19時17分 公開

“Denver”Tegra K1を搭載した「Nexus 9」の“持ち心地”と“性能”を試す注目タブレット性能レビュー(2/2 ページ)

[長浜和也,ITmedia]
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“Denver”なTegra K1はグラフィックス性能に秀でるか?

 Nexus 9のシステム構成では、プロセッサに64ビット長命令に対応した最新の“Denver”(開発コード名)Tegra K1を採用したことに注目したい。

 OSとして導入したAndroid 5.0 Lも64ビット命令に対応していて、すでにOSのアップデートで更新したタブレットも多数存在するが、真の意味で64ビット版 Androidに対応したタブレットとしては、“Denver”Tegra K1を搭載したNexus 9が現時点では数少ないデバイスといえる。

 Tegra K1には、「クアッド+ワン」コア構成の32ビット版もあって、こちらは、すでに搭載したタブレットが登場している。Nexus 9で搭載した“Denver”Tegra K1は、ARM v8ベースのコアを2基実装したデュアルコアタイプになる。NVIDIAがDenverについて説明していた資料では動作クロックを2.5GHz以上としていたが、Nexus 9のスペック表では2.3GHzとなっている。

 なお、“Denver”Tegra K1でも、グラフィックスコアは、2013年に発表した“Kepler”世代のアーキテクチャを採用することで、Android対応デバイスとしては強力なグラフィックス処理性能を発揮する。

 今回の検証では、Nexus 9で搭載した“Denver”Tegra K1の処理能力を確認すべく、Android対応ベンチマークテストの「Quadrant Professional Edition ver.2.1.1」「AnTuTu Benchmark ver.5.2.0」「Basemark X ver.1.1」「3DMark for Android 1.3.1439」を実施した。

 比較対象としては、プロセッサにAtom Z3745を採用してOSにAndroid 4.4を導入する13.3型ディスプレイ(解像度2560×1440ピクセル)搭載タブレットと、プロセッサにSnapdragon 801を採用してOSにAndroid 4.4を導入する8型ディスプレイ(解像度1920×1200ピクセル)搭載タブレット、そして、32ビット版 クアッドコア+ワンコア構成のTegra K1搭載8型ディスプレイ(解像度1920×1200ピクセル)搭載タブレットを用意している。

3DMark for Android 1.3.1439

Basemark X ver.1.1

Quadrant Professional Edition ver.2.1.1

AnTuTu Benchmark ver.5.2.0(その1)

AnTuTu Benchmark ver.5.2.0(その2)

 ベンチマークテストからみた“Denver”Tegra K1は、、動作クロックが2.3GHzのデュアルコアCPUという扱いになるので、マルチコアの演算能力を評価するテスト、そして、3DMarkで物理演算能力を評価するPhysis scoreで、クアッドコアのTegra K1やAtom Z3745、さらには、Snapdragon 801に対してもNexus 9のスコアは低い値となってしまう。ただし、シングルコアに対する演算処理を評価するAnTuTu BenchmarkのCPU(single-thread)では、Nexus 9は今回テストした中では最も高い値を出した。

 一方、グラフィックス処理性能を評価するテストでは、3DMarkのGraphicsにしてもBasemark X1にしても、Antutu BenchimarkのGPU 3Dにしても32ビット版Tegra K1と並んで高いスコアとなった。ただ、ここでもNexus 9は32ビット版Tegra K1搭載タブレットにはわずかに届かなかった。

 なお、連続バッテリー駆動時間の測定では、ディスプレイ輝度を最高にした状態でストーミング動画(720p)を無線LANに接続して連続再生を行うことで行った。Battery Mixのログによると、4時間44分でバッテリー残量が0%になっていた。

 また、Tegra K1搭載タブレットで気になるボディ表面の発熱については、3DMark Ice Island Unlimitedを連続した実行している状態で5分ごとに背面パネルにほぼ等間隔で設定した9カ所の温度を測定し、温度上昇が落ち着いた時点(ベンチマークテスト開始15分後)の温度を記録した。このとき、温度が最も高かったのは背面から見て上部左の40.2度と上部中央の41.2度で、そのほかは上部右と中部すべてで33〜35度、下部はすべて31度で収まっていた。

 40度を超えた2カ所は、風呂なら適温かもしれないが、本体を手に持って使う携帯デジタルデバイスとしては、「これは熱い」と不快に感じるレベルだ。

背面パネルの表面温度を測定すると、カメラレンズの周辺から上部中央にかけて40度を越す高温エリアとなる


 プロセッサに“Denver”Tegra K1を搭載して、OSもAndroid 5.0 Lを導入するなど、ハードウェアソフトウェアともに64ビット環境に対応したタブレットというのが、Nexus 9で最も注目したいポイントだ。

 しかし、性能を評価するベンチマークテストなどで64ビット環境の対応がまだ進んでいないため、現時点では数値としてそのメリットを確認しにくい。Androidアプリの64ビット対応もこれからなので、その違いを享受できる機会はまだ限られている。

 とはいえ、Android 5.0 Lが64ビット対応となっているので、“Denver”Tegra K1との組み合わせで、その挙動が軽快であることが期待できる。客観的な数値として示すことはできないものの、主観的な感想としても、ホーム画面の遷移やタスク選択の描画など、その挙動は軽快だ。AnTuTu BenchmarkでUX関連テストのスコアが比較対象と比べて大幅に高い値を示しているのは、その表れといえるだろう。

 なお、今回の検証では評価期間が限られていたため、Android 5.0 Lそのものを十分にチェックする時間が確保できなかった。そのため、その軽快な挙動を含めたAndroid 5.0 LとNexus 9における使い勝手については、また別途機会を設けて検証する予定だ。そのときには、オプションで用意するという「カバー付きのマグネット式キーボード」についても、“打ち心地”を報告したい。

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Nexus 9 | タブレット | Tegra K1 | 64ビット | Android 5.0


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