2014年最後の「Windows 10 Technical Preview」アップデート(Build 9879)はどこが進化したか?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/3 ページ)

» 2014年12月02日 15時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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OneDriveはよりローカルデータに似た挙動へ

 Windows 8.1以降、OneDriveはエクスプローラへと統合され、デスクトップUIから通常のファイルと同様にOneDrive上のファイルやフォルダを操作できるようになった(Modern UIアプリからも操作可能)。これはWindows 10でも同様だが、ファイルのオフラインでの扱いがBuild 9879以降では若干異なっている。

 Windows 8.1ではPCのローカルドライブにOneDrive用のフォルダが強制的に作成され、ここにOneDrive上と同じファイルやフォルダが見えるようになっているが、これらは「Placeholder(プレースホルダー)」と呼ばれ、実体のないリンク集のような扱いとなっている。実際にPlaceholder群のプロパティを見るとほとんどディスク容量を取っておらず、「ディスク使用容量の削減効果がある」(Microsoft)のだという。

 だがMicrosoftによれば、ユーザーからのフィードバックとして「エクスプローラで先ほどまで見えていたファイルが、(飛行機搭乗などで)オフラインになった瞬間に見えなくなるのはおかしい」という意見があり、Build 9879ではPlaceholderの挙動に変更を加えたようだ。

 具体的には「Selective Sync」という方式になり、OneDriveのファイルすべて、あるいは指定したファイルが自動同期されるようになった。これにより、「実際にエクスプローラで“見えているファイル”はすべて“実際にアクセスできるファイル”」となる。まだ試験的に導入された仕組みであり、どのような挙動となるのかは追い追い検証していく予定だ。

エクスプローラ上でOneDriveアイコンを右クリックすると表示されるダイアログ。Selective Syncにより、OneDrive上のデータをよりローカルのデータと同じように扱えるようになりそうだ

互換性問題を改善するIEの最新レンダリングモード

 以前の連載でも紹介したように、現在Windows 8.1 Updateなどで利用されているInternet Explorer 11(IE11)には、「Enterprise Mode」という機能が盛り込まれている。

 これにより、従来までの「Document Mode(旧IEとの互換性維持モード)」と「Edge Mode(IE11のネイティブ動作モード)」という区分をなくし、企業内などで利用されるレガシーなWebサイトは「Enterprise Mode」、それ以外の一般的なWebサイトは「Edge Mode」という形で区分されるようになった。

 Microsoftは、IEの将来バージョンにおいて「Document Mode」を搭載せず、「Enterprise Mode」で閉じ込めた旧環境についても徐々に排除していく方向性を打ち出している。Build 9879ではさらに新しいEdge Modeが導入され、「X-UA-Compatible」のタグを無視して完全にIE本来のネイティブモードによるレンダリングを行うようになるという。

 この詳細はIEBlogに記述されているが、基本的な狙いは「最新技術を採用したモダンなWebサイトがIE向けに表示を変更していた場合でも、それを無視して“IEではないブラウザ”としてレンダリングを行う」ことにある。互換性が毎回問題となるIEだが、こうした課題をクリアして、どこまで既存のサイトがIE上で意図通りに表示できるかをテストするのが、Build 9879の最新機能というわけだ。

 デフォルトではBuild 9879を導入したユーザーの「10%程度のIE」が、この新レンダリングモードになっている。もし、このテストモードを外したい、あるいは意図的にテストモードへと移行したいユーザーは、設定画面の「Enable Experimental Web Platform Features」の項目でいつでも変更可能だ。

 このモードをオンにした状態でWebブラウズを行い、表示に問題のあるページを発見した場合には、IEの右上にある「スマイルマーク」アイコンをクリックすれば、Microsoftに互換性リポートを送ることができる(「Send a frown」を選択する)。多数のユーザーによるこうしたフィードバックによって、将来バージョンで何らかの修正が期待できるだろう。

IEに導入された最新の「Edge Mode」を利用するユーザーは、Webサイトの互換性リポートをIE右上のスマイルマークで報告するとよいだろう

動画/音楽ファイルのサポートを強化(MKV、HEVC、そしてFLACも)

 Build 9879における大きなトピックが、「MKV」形式の動画ファイル再生をWindows 10でネイティブサポートしたことだ。Windows Media Playerでの再生だけでなく、メタデータの解析により、エクスプローラからサムネイルやプロパティ情報が参照できる。

 MKVは「Matroska(マトリョーシカ)」と呼ばれるコンテナで、音声やサブタイトルなど複数の情報を1つのファイルに含められることが特徴だ。最近ではXbox OneでもMKVをサポートしたほか、Googleのオープンな動画コンテナフォーマットである「WebM」はこのMatroskaの仕組みをベースとしている。

 動画のコーデックでは、HEVC(H.265)のサポートもBuild 9879で行われた。H.264の後継として、主に4K関連の映像再生や編集で対応が増えつつあるHEVCだが、Windows 10でも製品発売時の標準コーデックとして採用されることになる。

 HEVCはモバイル機器でも対応ハードウェアが増えており、例えばQualcommのSnapdragon 800シリーズでは、4K動画での利用を想定してHEVCのネイティブサポートを表明している。AppleはiPhone 6/6 Plusに搭載されたA8プロセッサでHEVCをサポートし、携帯回線経由でFaceTime機能を利用した場合にHEVCの選択を可能にしている(対向がHEVC対応時)。

 HEVCはH.264と比較して同画質の映像で最大半分程度のファイル容量まで圧縮することが可能だとされており、通信容量の節約に大きな効果が期待される。

 また、Build 9879時点では未サポートなものの、2015年の比較的早い時期にWindows 10で「FLAC」をサポートするという。FLACは「ロスレス」での圧縮が可能なオープンな音楽ファイルフォーマットとして、主にフリーの編集ソフトでの採用例が多い。ファイルサイズを優先したMP3に比べて、より高音質での再生を目指すハイレゾオーディオとFLACとの相性はよい。

 ハイレゾオーディオが盛り上がりつつある中、FLACのサポートは音楽ファンにとって大きなトピックと言える。

米Microsoftのガブリエル・アウール(Gabriel Aul)氏は、Windows 10で「FLAC」をサポートする予定であることをTweetで明らかにした。投稿された画像は、Windows 10のWindows Media Playerと見られ、リスト右端のファイル形式が「flac」と表示されている

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