2014年最初のトピックとなったのは、1月14日に売り出されたAMDの新APU「A10-7850K/7700K」だ。コードネーム「Kaveri」で知られるAPU群で、前世代「Richland」と同じSocket FM2+に対応しながら、ハードとソフトをつなぐフレームワーク「HSA」や、ゲームプレイ時にGPUの性能を最大限に引き出す新開発のAPI「Mantle」など多数の新技術を盛り込んでいる。
その新規性が評判となり、発売直後から上位モデルのA10-7850Kが街中で品薄になるほどよく売れた。売り手の評価も高く、「それまでは“内蔵GPUが強力なCPU”でしかなかったAPUが、HSAをサポートすることで新のAPUになったといえます。今後、Mantle対応のゲームタイトルが多数登場するようになったら、今以上に売れると思います」(発売当時のTSUKUMO eX.)といった絶賛コメントを複数のショップで聞いた。それは、売れ筋から外れつつあったAMD製APUの評価としては異例といってよかった。
ようやくある程度の数量が出回るようになったのは3月に入ってからだ。それでもしばらくは再入荷してもすぐ売り切れる状況だったため、7850Kに限りマザーボードとのセット販売とするショップが現れるなど、需要の大きさを示すエピソードを残した。
その後、勢いはある程度落ち着いてしまったが、7月にはKaveri初の省電力モデル「A10-7800」(通常TDP 65ワット)、8月には同じく省電力で下位シリーズの「A8-7600」と「A6-7400K」がラインアップに加わり、まずまずの売れ行きとなっている。
当時、BUY MORE秋葉原本店は「3モデルともTDPをカスタムする『Configurable TDP』機能で45ワット動作が可能なので、小型マシンに組み込みやすいです。実際、Socket FM2+対応のmini-ITXマザーがよく売れていますよ」と話していた。
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