タブレット本体のサイズは約317.8(幅)×191.6(奥行き)×7.6(高さ)ミリ、重量は約720グラムだ。試しに実測してみたところ、7.44ミリ厚、714グラムという計測値で、公称値より薄く、わずかに軽かった。CPUの違いはあるが、2in1の代表的なモデルである「Surface Pro 3」(9.1ミリ厚、約800グラム)と比べて、ファンレス設計を実現し、薄型軽量におさまっている点は特筆できる。
これはTDP(熱設計電力)が4.5ワットと省電力・低発熱のCore Mプロセッサがあってこそ実現可能なスリムボディだ。実際に持ってみても、12.5型と大画面のタブレットながら薄く洗練された印象を受ける。約720グラムの重量は、持ってみて軽いというほどではないが、12.5型ワイド液晶ディスプレイやAtomより高性能なCPUの搭載を考慮すれば納得もいく。
一方、着脱可能なキーボードは、単体で約700グラム(実測で716グラム)だ。このキーボードを装着したクラムシェルノートPCスタイルでは、本体サイズが約317.8(幅)×191.6(奥行き)×16.5(高さ)ミリ、重量は約1.42キロ(実測で1.43キロ)となる。12型クラスのモバイルノートPCとして見た場合、薄さは満足できるが、重さはもうひとつだ。片手で持つと、ずっしりとした重さを感じるだろう。
また、ノートPCは液晶ディスプレイを開いた状態で、パームレストの端を握って持ち上げるようなシーンも多いが、T300 Chiは手から離れた液晶ディスプレイ側(つまりタブレット本体)に重心があるため、スペック上の数値より重さを感じやすい。特にT300 Chiは見た目が薄く、軽さをイメージさせるため、そのギャップもあるのだろう。
T300 Chiに限らず、キーボード着脱式の2in1は重量バランスを保つため、キーボード側もタブレット本体並に重くする必要があり、総重量がかさむことが携帯利用において最大の弱点となる。例えばSurface Pro 3では総重量が増すのを嫌い、タブレット本体の背面にスタンドを仕込んで自立可能にして、薄型軽量のタイプカバー(約295グラム)を組み合わせるアイデアで総重量を約1.095キロまで減らしているので、T300 Chiにももう一工夫がほしかった。
ただし、T300 Chiはキーボード装着時にクラムシェルノートPCそのものといったスタイルになるため、Surface Pro 3のようなスタンド付きタブレット+キーボード兼カバーのスタイルに比べて、通常のノートPCにより近い操作感が得られるという利点はある。一長一短といったところだ。
キーボード単体でタブレット本体とほぼ同じ重さというのは、装着時の重量バランスを保つうえでギリギリの設計なのだろう。着脱機構のヒンジはしっかり作られており、膝の上など安定性を欠く場所に置いても使い勝手は良好だが、膝が前に傾いた状態だとタブレット側の重さでキーボードの手前が浮いてきてしまうため、パームレストに手を置いて後ろに倒れないよう注意して使うことになる。
液晶ディスプレイのチルト角度は約125度と比較的浅い角度までしか開かないが、これはタブレット側の重さで後ろに倒れないよう、あえて制限しているのだろう。
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