ココが「○」 |
---|
・Core M採用の薄型ファンレスボディ |
・高精細“2560×1440”の12.5型液晶 |
・マグネット式のスマートな着脱機構 |
ココが「×」 |
---|
・キーボード接続時は約1.42キロに増量 |
・スタミナと充電時の配線に課題あり |
・タブレット本体にアウトカメラがない |
Ultrabookの次に来るトレンドとして、昨今のASUSTeK Computerは「2in1」、つまりタブレットとノートPCを1台で兼ねる製品群に注力している。
今でこそ2in1デバイスは各社から販売されているが、ASUSが4年前の2011年にその先駆けとも言える「Eee Pad Transformer TF101」を発売したことを覚えている方も少なくないだろう。以後もASUSは継続的に新モデルを投入し続け、ついには「着脱式2in1ノートPCで世界シェア1位」(2014年米IDC調べ)をうたうまでに成長し、製品も熟成されてきた感がある。
その最新シリーズとなる「ASUS TransBook Chi」(2015年2月発売)は、特にボディの薄さを徹底追求したキーボード着脱式のWindowsモバイルノートPCだ。「極限まで薄く、そして美しく、脱着式モバイルノートPCの進化系」と、そのキャッチフレーズにも自信がうかがえる。
「Chi(チー)」とは、中国語で「氣」を意味する。ASUSのジョニー・シー会長によると、「目には見えないが、確かに自分たちに秘められていて、不可能なことをなし得るために、空気(Air)よりもずっと強く自分たちを前進させてくれるエネルギー」を意味するという。MacBookやiPadの「Air」を強く意識したネーミングだ。筆者としては、人気マンガ「ドラゴンボール」でいうところの「気」と勝手に解釈して納得した。
そんなTransBook Chiシリーズの製品ラインアップは、CPUにCore Mを搭載した12.5型の「T300 Chi」、Atomを搭載した10.1型の「T100 Chi」、同じくAtomを搭載した8.9型の「T90 Chi」と、全3機種を擁する。プリインストールOSはT300 Chiが64ビット版のWindows 8.1、T100 ChiとT90 Chiが32ビット版Windows 8.1 with Bingだ。実売価格は最も安いT90 Chiが4万5800円前後(税別)からとコストパフォーマンスが高い。
今回は12.5型のハイエンドモデル「T300CHI-5Y71」を入手した。実売価格は13万9800円前後(税別)と、シリーズで最も高価だ。主な仕様は、Core M-5Y71(1.2GHz/最大2.9GHz)、8Gバイトメモリ、128GバイトSSD、2560×1440ピクセル(WQHD)表示の12.5型ワイド液晶ディスプレイ、バッテリー駆動時間は約6.6時間(JEITA 2.0)と、ハイスペック寄りにまとまっている。それでは早速、性能や使い勝手をチェックしていこう。
ボディは、落ち着いたダークブルーのカラーで統一されている。合体したクラムシェルノートPCスタイルでの天面(タブレット本体の背面)とキーボード/パームレスト面、そしてクリックパッドの周囲は、エッジをそれぞれ45度にダイヤモンドカットした切削面が光の反射でシルバーに輝き、高級感を醸し出す。
この天面とパームレスト面にはアルミニウム合金を採用しているため、金属特有のしっかりとした剛性と質感が伝わってくる。表面はマットで、指で触ってみると、まるでラバーのように滑らかな手触りだ(ただし、指紋はそれなりに目立つ)。曲線的なフォルムと相まって、グリップ感もほどよくある。ファンレス設計なので、側面に武骨な排気口などがないのもいい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.