これがキーボード着脱式モバイルPCの最前線だ――「ASUS TransBook T300 Chi」徹底検証(使い勝手編)MacBookとは違うCore Mマシンの可能性に挑む(3/5 ページ)

» 2015年04月23日 17時00分 公開
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シンプルで使い勝手のよい着脱機構

 T300 Chiを含むASUS TransBook Chiシリーズは、キーボードとタブレット本体との接続をすべてBluetoothで行う。つまり、キーボードを装着した状態でもタブレット本体とは端子で物理的に接続されて通信が行われるわけではなく、Bluetoothキーボードがワイヤレスでつながっている状態となる。

 ASUSが発売した既存の2in1デバイスには、キーボード側にストレージや本体駆動用の予備バッテリーを内蔵し、合体時に専用端子で接続されるモデルもあるが、今回はBluetoothキーボードを組み合わせた構成に落ち着いた。そのため、キーボード側には充電用のMicro USB端子しかなく、内蔵バッテリーもキーボードだけを駆動させる簡素な仕様だ。

 一方、Bluetooth接続を採用したことで、着脱機構にタブレット本体とキーボードを接続する物理的な端子を省くことができたため、マグネットを使った実にシンプルな構造となっている。着脱機構には、キーボード側のヒンジにタブレット本体を固定するツメが2つあるだけだ。複雑なギミックがないぶん、耐久性や信頼性の向上も期待できる。

 キーボードの着脱は実に簡単だ。レバーやボタンの操作は一切いらず、ヒンジ部のツメにタブレット本体の穴を合わせれば、磁力で自然にガチャンと合体する。磁力で止まっているだけなので、タブレット本体を取り外すときも、力まかせにグイッと上に引き抜くだけだ。

 文章だけだと安定性に不安を感じるかもしれないが、マグネットはかなり強力なので、画面のタッチ操作やチルト角度の調整でふらつくことがないのはもちろん、合体した状態で画面上部を握って持ち上げて、左右に振ってみても、キーボードが脱落するようなことはない。

タブレット本体とキーボードの着脱機構はシンプルだ。キーボード側のヒンジにある2カ所のツメに、タブレットの穴を合わせれば、磁力で自然にガチャンと合体する。分離する際は、タブレット本体を持ってグイッと引き抜けばよい。着脱にレバーやボタンの操作が不要なので、2in1デバイスに不慣れなユーザーでも手軽に扱えるだろう

 なお、タブレット本体の画面を外側に向けて、逆向きにキーボードを装着することもできる。この状態ではスタンド付きタブレットのように利用可能で、手軽にタッチ操作が行えるほか、映像コンテンツの視聴に最適だ。

このように、タブレット本体を逆向きにセットすれば、チルトスタンド付きの大画面タブレットとして利用可能だ。重みのあるT300 Chiもこのスタイルならば、手軽にタッチ操作できる

キーボードの充電は接続がやや煩雑

 付属のACアダプタは、実測でのサイズが54(幅)×29(奥行き)×53(高さ)ミリ、重量が130グラムだ。モバイルPC用としては小柄で軽い。電源ケーブルは分離しておらず、ACアダプタはコンセント直結型のデザインなので、差し込み口は29(横)×54(縦)ミリほどスペースを専有してしまう。コンセントの周囲が狭い場所やマルチタップの使用時は配慮する必要がある。タブレット本体の充電端子は丸型で、Micro USBではない。

付属のACアダプタは小型軽量だが、プラグが一体型のデザインなので、コンセント周囲のスペースに注意が必要だ

 タブレット本体のバッテリー駆動時間は公称で約6時間36分と短めだ(実測によるテスト結果は次回)。バッテリーは本体に内蔵され、ユーザーによる着脱を想定していない。前述のようにキーボードとはBluetoothでワイヤレス接続されるため、装着したキーボードからタブレット本体に給電してバッテリー駆動時間を延ばすといった機能はない。

 キーボードのバッテリー駆動時間は公称で約45時間だ。キーボードは左側面にMicro USB型の充電端子を備えており、付属のMicro USBケーブルを用いることで、タブレット本体からキーボードへ充電できる。

 机上でタブレット本体とキーボードを同時に充電する場合、タブレット本体にACアダプタを接続したうえ、タブレット本体の右側面にあるMicro USB端子とキーボード左側面にあるMicro USB端子を付属のケーブルでつなぎ、タブレットからキーボードに充電するという配線になる。洗練されたボディデザインに対して、充電時の配線はやや込み入っている印象だ。

 そもそも、タブレット本体にMicro USB端子が1基しかないため、キーボードに充電中はその貴重な1基がふさがれてしまうのは惜しい。タブレットのMicro USB端子が右側面にあるのに、キーボードのMicro USB端子が左側面にあり、本体をまたいでケーブルをはわせなければならない点も含め、充電まわりは今後改善すべきだろう。

キーボードの充電はMicro USBで行う。充電する際は、タブレット本体にACアダプタを接続したうえ、タブレット本体の右側面にあるMicro USB端子とキーボード左側面にあるMicro USB端子を付属のケーブルでつなぎ、タブレットからキーボードに充電するという配線になる。キーボードのバッテリーは公称約45時間と長持ちするが、充電のスタイルはこのように不格好だ

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