さらに、Windowsの電源プランを「高パフォーマンス」に設定し、主要なベンチマークテストを実施してみた。というのも、最近の高速なSSD、特にPCI Express SSDは電源プランの違いがパフォーマンスに影響する傾向にあるためだ。とりあえずVAIO Pro 13 | mk2が出せる最高パフォーマンスはどの程度なのかを確認する目的でテストしている。
もちろん、電源プランを「高パフォーマンス」に設定すればバッテリー駆動時間は減ってしまうが、モバイルノートPCとてバッテリー駆動のみで利用するわけではない。机上でACアダプタをつないで使用している間だけでも、より高いパフォーマンスが欲しいというユーザーも多いだろう。
CrystalDiskMarkの結果は、QD32T1では差がないが、QD1T1環境ではシーケンシャルライトとランダムリード/ライトで、はっきりと高パフォーマンスのほうが優位だ。現状で一般ユーザーのSSD利用モデルでは、ランダムアクセスでQD1〜QD2がほとんどと言われるだけに、この違いは意味があるだろう。
PCMark 8のCreativeスコアでは、違いが大きく現れた。やはりSerial ATA SSDモデルより目立って優位だった写真編集(Photo Editing v2)、グループビデオチャットのエンコード(Video Group Chat encoding v2)で大きな差が確認できる。
PCMark 8 2.4.304のスコア詳細 | ||
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製品名 | VAIO Pro 13 | mk2 (VJP1321/PCIe SSD) バランス+パフォーマンス優先 | VAIO Pro 13 | mk2 (VJP1321/PCIe SSD) 高パフォーマンス+パフォーマンス優先 |
Creative Accelerated 3.0 | ||
Creative Accelerated 3.0 Score | 3553 | 3817 |
Web Browsing - JunglePin(s) | 0.353 | 0.328 |
Web Browsing - Amazonia(s) | 0.146 | 0.139 |
Video Group Chat v2 / Video Group Chat Playback 1 v2(fps) | 30 | 30 |
Video Group Chat v2 / Video Group Chat Playback 2 v2(fps) | 30 | 30 |
Video Group Chat v2 / Video Group Chat Playback 3 v2(fps) | 30 | 30 |
Video Group Chat v2 / Video Group Chat encoding v2(ms) | 89.7 | 81 |
Photo Editing v2(s) | 0.324 | 0.255 |
Batch Photo Editing v2(s) | 20 | 18.4 |
Video Editing part 1 v2(s) | 13.3 | 13.1 |
Video Editing part 2 v2(s) | 19 | 18.8 |
Mainstream Gaming part 1(fps) | 7 | 7 |
Mainstream Gaming part 2(fps) | 3.4 | 3.3 |
Video To Go part 1(s) | 8.1 | 6.7 |
Video To Go part 2(s) | 9.3 | 9.3 |
Music To Go(s) | 18.06 | 18.06 |
Benchmark duration | 54分58秒 | 54分1秒 |
一方、CINEBENCH R15のレンダリングテストはまったく差がなかった。電源プラン「バランス」設定でCPUパフォーマンスがフルに発揮できているとすれば、この結果も妥当だ。CPU性能に大きく依存するテストなので、ストレージ高速化の影響がスコアに現れないのは当然だ。
3DMark/SkyDiverも同様に総合スコアでは差がつかないが、なぜかPhysicsスコアのみ、電源プラン「バランス」設定よりも明らかに低いスコアが出た。両方の条件で何回か再計測しても同様の結果だ。
これもほぼCPU性能に左右される項目だが、CPUコア/GPUコアともにTurbo Boostでクロックが可変することが影響しているのか、CPUとGPUの優先バランスが崩れて、たまにこういう逆転現象が見られることがある。
公称のバッテリー駆動時間は、JEITA 2.0測定法で約9.4〜10.4時間となっている。バッテリーリポートコマンドで見たバッテリー容量は約32.63ワットアワーと、前回のレビュー時とまったく同じだった。
バッテリー駆動時間の計測はBBench 1.01で行なった。無線LAN(IEEE802.11ac)で常時接続し、60秒ごとにWebサイトを巡回(10サイト)、10秒間隔でテキスト入力を行なう設定で実施した。電源プランは「バランス」、CPUとファンの動作モードは「パフォーマンス優先」で、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は40%固定だ。
この条件でバッテリー満充電の状態から残り5分まで減少して自動で休止状態に入るまでの駆動時間は、8時間19分と公称値の範囲内だった。同条件で計測したSerial ATA SSDモデルより9分長い結果だ。もちろん、回線の状態などまで同じとは限らないのであくまで参考にすぎないが、少なくとも、高速なPCI Express SSDがSerial ATA SSDに対してバッテリー的にマイナスになっていないと判断してよいだろう。
動作時の騒音と発熱のテストは、「VAIOの設定」ユーティリティの「CPUとファンの動作モード」を切り替え、2つのモードでそれぞれ実施した。
前回レビューしたSerial ATA SSD搭載モデルとは測定時期の関係で室温が異なるため、値は多少異なっているものの、PCI Express SSDだからといって特に動作音や発熱が大きくなっているといった印象はない。
「パフォーマンス優先」設定での高負荷時でも比較的マイルドな動作音で、「静かさ優先」設定ではファンが回っているかどうか分からないくらい非常に静かだ。発熱テストの結果も良好で、ボディ底面にそれなりの熱を持つが、手が直接触れるパームレストに不快な熱は伝わってこない。
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定(一部テストでは「高パフォーマンス」設定でも実施)、「VAIOの設定」ユーティリティの「CPUとファンの動作モード」は「パフォーマンス優先」に設定
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測(室温27度)
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定、「VAIOの設定」ユーティリティの「CPUとファンの動作モード」を変更して2パターンで計測
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定、「VAIOの設定」ユーティリティの「CPUとファンの動作モード」を変更して2パターンで計測
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