ココが「○」 |
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・GTX 960でFF14がサクサク |
・拡張性と冷却性に優れたケース |
・きめ細やかなカスタマイズメニュー |
ココが「×」 |
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・大柄なケースは置き場所を選ぶ |
・BTOが細かすぎて逆に悩むかも…… |
サイコムのゲーミングPCシリーズに加わった「G-Master Spear Z97-FFXIV2」は、型番から分かるように、人気オンラインRPG「ファイナルファンタジーXIV」の推奨モデルだ。
6月にタイトル初の拡張パックである「蒼天のイシュガルド」が登場し、さらなる盛り上がりを見せているFF14だが、今回紹介するG-Master Spear Z97-FFXIV2は、GPUにGeForce GTX 960を標準で採用することで、DirectX 11に対応した美しいグラフィックスを余すところなく楽しめる製品に仕上がっている。早速レビューしていこう。
まずは外観から見ていこう。PCケースにはCoolor Masterの定番モデル「CM 690 III」を採用している。本体サイズは約230(幅)×502(奥行き)×507(高さ)ミリと、やや大柄なミドルタワーケースで、冷却性能に優れた余裕のある設計と拡張性の高さから自作ユーザーにも支持されているベストセラーシリーズだ。
もともとこのケースは、強力なグラフィックスカードをSLIで搭載したハイエンドモデル「G-Master SLI Z97」シリーズで採用されており、ミドルレンジのGeForce GTX 960を中心とした構成ならば冷却性能には余裕がありすぎるほど。本体前面の大型200ミリファンおよび側面と底部のスリットから取り込んだ空気を背面と上面に排気する効率的なエアフローを実現している。
サイコムらしいこだわりの1つとして、豊富なBTOオプションが挙げられる。CPUやグラフィックスカード、ストレージなどの基本パーツだけでなく、CPUクーラーやマザー、さらにはCPUグリスに至るまで、メーカー指定でカスタマイズ可能だ。
例えばCPUクーラーは水冷ユニット含めて17もの選択肢が用意されており、特にPCマニアの間で絶大な人気を誇る冷却パーツメーカー、Noctuaのクーラーを選べるのが目を引く。標準はCooler Master のHyper 212 EVOが搭載されるが、せっかくサイコムでマシンを購入するならNoctuaのものを選びたいところ。ちなみにNoctua製クーラー(1440円〜3290円/3種類)を選択すると、単体なら+2000円の高伝導率グリスが標準で付属する。
また、BTOでサイドパネルや天面にもファンを追加できるので、より強力なCPUやGPUにカスタマイズするときは検討してみるといいだろう。このほか、左サイドパネルを半透明なアクリル仕様に変更したり、ケース内部にLEDを設置してイルミネーションを楽しむといったマニア向けのオプションもある。ちなみにG-Master Spear Z97-FFXIV2は、サイドパネルの内側に標準で振動吸収シートが貼り付けられている。単にイシュガルド推奨認定のゲーミングPCというだけではない細かい配慮はいかにもサイコムらしい。
ゲーミングPCの要であるグラフィックスは、NVIDIAの最新ミドルレンジGPUであるGeForce GTX 960を採用。標準構成ではGALAXブランドの「GF-GTX960-E2GB/OC2/SHORT」が搭載されている。ベースクロックを1190MHz/Boostクロックを1253MHzに引き上げたショート基盤のオーバークロックモデルだ。負荷(温度)が下がるとファンが止まる昨今流行のセミファンレス仕様となっており、前述のNoctua製クーラーと合わせれば普段使いのときは静音面でも満足できる。「メインで遊ぶタイトルがイシュガルド」という人にはコスパに優れたモデルだろう。
なお、BTOメニューにはGeForce GTX 960搭載グラフィックスカードだけでも、GALAXに加えてギガバイト、MSI、ASUSの製品が並んでいる。メーカーやオーバークロック幅の高いものなど、好みに応じて選べるのがうれしい。もちろん、最高のグラフィックスパフォーマンスを求める向きにはGeForce GTX TITANやGeForce GTX 980 Tiも用意されている(もっとも、FF14にはオーバースペックだが)。ちなみに、GTX 960の標準クロックを1126MHzから1228MHzまで引き上げたASUSの「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」は、原稿執筆時点で+4680円となっていた。
マザーボードはZ97チップセットベースで、標準モデルはASRockの「Z97 Pro4」。評価機にはASUSの「ASUS Z97-PRO GAMER」(+3610円)が搭載されていた。オンラインゲームで重要なLAN回りやオーディオ機能などに特徴を持つゲーマー向けマザーだ。拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16を2基、PCI Express 2.0 x4を1基、PCI Express 2.0 x1を2基、PCIを2基という構成。PCI Express x2接続のM.2スロットもあり、将来的にシステムドライブを高速なSSDに強化したいという人にもぴったりだ。
CPUはHaswell Refresh世代のCore i5-4460(3.2GHz/最大3.4GHz)から、定番のDevil's CanyonことCore i7-4790K(4GHz/最大4.4GHz)、最新Broadwell世代のCore i7-5775C(3.3GHz/最大3.7GHz)まで全9モデルが用意されている。標準はCore i5-4460だが、評価機には4コア/4スレッド動作のCore i5-5675C(3.1GHz/最大3.6GHz)が搭載されていた(ただし、執筆時点でこのCPUはBTOで選べなかった)。
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