3D性能を計測する3DMarkの結果は、ミドルクラスの外部GPUだが、満足のできる結果となった。詳細データは、以下の通りだ。なお()内は、CPUオーバークロック設定におけるスコアだ。Direct X9相当テストのIce Stormで14万4101(15万8491)、Direct X10相当テストのCloud Gateが2万3731(2万5273)、Direct X11相当テストのFire Strikeで6648(6717)。
実際のゲームタイトルを用いたグラフィックス性能を評価するため、ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマークを試したところ、すべての設定で「非常に快適」となっている。DirectX 9での最高品質設定、1920×1080ピクセルフルスクリーンのスコアは9293、CPUオーバークロック設定では9400に達した。さらにDiretX 11に変更しても7092と非常に滑らかな3D描写が可能であった。
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク()内のスコアは、CPUオーバークロック設定スコア) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
解像度 | 画質設定 | 画面表示 | FF14スコア | 評価 | DirectX | ||
1920×1080 | 最高品質 | フルスクリーン | 7092(7082) | 非常に快適 | DirectX 11 | ||
1920×1080 | 最高品質 | フルスクリーン | 9293(9400) | 非常に快適 | DirectX 9 | ||
1920×1080 | 高品質(デスクトップPC) | フルスクリーン | 9591(9724) | 非常に快適 | DirectX 9 | ||
1920×1080 | 標準品質(デスクトップPC) | フルスクリーン | 17098(17943) | 非常に快適 | DirectX 9 | ||
1280×720 | 最高品質 | ウィンドウ | 146372(14834) | 非常に快適 | DirectX 9 | ||
1280×720 | 高品質(デスクトップPC) | ウィンドウ | 14639(15205) | 非常に快適 | DirectX 9 | ||
1280×720 | 標準品質(デスクトップPC) | ウィンドウ | 20030(20522) | 非常に快適 | DirectX 9 | ||
動画編集用途を考慮して、「TMPGEnc Video Mastering Works 6」による動画エンコード速度も確認した。MOVファイル(79.4Mバイト/1920×1080/59.94fps)をMPEG-4 AVC/H.264形式(1920×1080/59.94fps)に変換したところ、良好な結果が得られた。
TMPGEnc Video Mastering Works 5の動画エンコードテスト結果 | |
---|---|
MOV→MPEG-4 AVC/H.264変換 | 所要時間 |
x264でエンコード | 2分14秒 |
次は写真編集用途を想定したRAW現像テストだ。今回はRAWデータの写真100枚(計1.59Gバイト)を用意し、「Capture NX-D」を使ってJPEG形式に標準圧縮をかけ、バッチ処理した時間を計測した。ここでも満足できる高速な結果が得られた。
Capture NX-DのRAW現像テスト結果 | |
---|---|
RAW現像→JPEG出力 | 所要時間 |
RAW現像・RAWデータ100枚分計1.59Gバイト | 4分37秒 |
静音性能と温度管理も優秀だ。FF14ベンチを2回以上走らせて騒音計(SMARTSENSOR、誤差±1.5dB)と放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付)で簡易計測した。測定方法は、背面にあるCPUクーラーの通風口後ろ約5センチで計測している。PCを起動しない部屋の騒音は32.3デシベル、室温は23.4度だ。騒音はアイドリン時で約45.1デシベル、高負荷時は57.0デシベル。表面温度は最高点が本体横中央部が32.0度前後、一方本体内部では、CPU付近が約40度と安定していた。
ハードウェア情報ツールHWiNFO64でCPU Packageの最高温度は58.0度。Core i7-5820KのTcase温度66.8度まで余裕があった。参考までに気になるCPUオーバークロック時は、同条件で、CPU Packageの最高温度が59.0度。3.8GHzまでと上限設定があるものの、温度上昇は軽微だった。
今回検証したPhonix 850の評価機は、非常に高次元でバランスのとれたPCだった。FF14ベンチのあらゆる設定で非常に快適、動画エンコードやRAW現像などのクリエイティブ作業も軽々とこなす。また、メーカー保証の対象外とはなるものの、CPUオーバークロック(3.8GHz)も手軽にでき、定格設定より高くなっているはずの負荷もあっさりとクリアしてしまう。この高性能が省スペースな幅16.5センチのミニタワーにおさまっていることに注目したい。
ゲームプレイにおける確実な動作を求めるPCゲームユーザーには、東京の昭島工場で組み上げる“Made In Tokyo”モデルであることも重要の要素になるだろう。PCゲームユーザーはもちろん、“自作もできるが組み立てる手間を省きたい”“デザイン重視で、最高性能を長く安定して利用したい”というユーザーに選んでもらいたい1台だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.