HPの最上位級ゲーミングPC「ENVY Phoenix 850」のゲームだけじゃない性能をチェックする(後編)動画編集も大量のRAW現像も(1/2 ページ)

» 2015年08月05日 11時11分 公開
ココが「○」
・突き抜けたCPUパワー
・OC3.8GHz設定で安定動作
ココが「×」
・GPUはミドルレンジ

ハイスペック構成でベンチマークテスト結果も良好

 「HP ENVY Phonix 850-090jp/CT」(以下、Phoenix 850)は、日本HPの個人向けデスクトップPC最上位モデルになるミニタワー型ゲーミングPCだ。CPUは現時点でインテルのコンシューマー向けCPUで最上位となる“Haswell-E”世代のLGA2013対応モデルで、マザーボードもIntel X99 Expressチップセットを実装する。システムメモリでは、DDR4をクアッドチャネルで運用できる。

 今回評価するPhoenix 850では、CPUにCore i7-5820K(3.3GHz/最大3.6GHz、6コア12スレッド、3次キャッシュメモリ15Mバイト)を採用し、システムメモリはDDR4 2133MHzを16Gバイト載せていた。一方、グラフィックスカードではGPUにGeForce GTX 960を実装してコストを抑えている。Phoenix 850のスペックと評価機の構成、そして、2015年春モデルで登場した「HP ENVY Phonix 810-480jp/CT」の構成を以下に示しておこう。Phoenix 850はGTOで異なる構成を用意しているが、赤文字で示しているのが評価機で搭載するパーツだ。

“Haswell-E”世代のCPUを採用したタワー型ゲーミングPC「HP ENVY Phoenix 850」の評価機材では6コア12スレッド対応でオーバークロック設定もできるCore i7-5820Kを採用した

項目 HP ENVY Phonix 850-090jp/CT (参考)2015年春モデル HP ENVY Phonix 810-480jp/CT
チップセット Intel X99 Express Intel Z97 Express
CPU Core i7-5820K/Core i7-5960X-EE Core i7-4790/Core i7-4790K
CPU水冷 標準装備
OS 64ビット版 Windows 8.1 Update/64ビット版 Windows 8.1 Pro Update
システムメモリ PC4-17000(2133MHz) PC3-12800(1600MHz)
メモリ 8Gバイト/16Gバイト/32Gバイト(仕様上最大は64Gバイト) 8Gバイト/16Gバイト/32Gバイト(仕様上最大は32Gバイト)
グラフィック NVIDIA GeForce GTX 960/GTX 980 NVIDIA GeForce GTX 760/GTX 770/GTX 980
ストレージ HDD(1/2/3Tバイト)/SSD(128/256/512Gバイト)※128Gバイト時のみ、M.2規格でPCI Express接続 HDD(1/2/3Tバイト)/SSD(128/256/512Gバイト)
光学ドライブ DVDスーパーマルチ/Blu-rayドライブ DVDスーパーマルチ/Blu-ray ROM/Blu-rayドライブ
拡張ドライブベイ ウルトラスリムベイ×1、3.5インチ×4 5.25インチ×2、3.5インチ×3
地デジチューナー 設定なし なし/3波ダブル地デジチューナー
サウンド Bang & Olufsen BeatsAudio
サイズ・重量 165(幅)×420(奥行き)×401(高さ)ミリ、約10.5キロ 175(幅)×412(奥行き)×415(高さ)ミリ、約10.3キロ
発売時最小構成価格(税別) 16万9800円〜検証機の標準価格は19万6800円 14万9800円〜

 ここからは各種ベンチマークテストで、Phoenix 850の実力を確認していく。なお、メーカー保証の対象外とはなるものの、BIOSからの設定で3.8GHzまでのCPUオーバークロックに対応していたので、この状態におけるベンチマークテストスコアも参考として付記する。

 CPUのパフォーマンスを計測するCINEBENCH R11.5では、OpenGLが64.19fps、マルチコアCPUで11.00pts、シングルコアCPUで1.56pts。CINEBENCH R15では、OpenGLが148.99fps、マルチコアCPUで1012cb、シングルコアCPUが140cb。いずれも高い値となった。ちなみに、CPUオーバークロックで3.8GHzまで上昇させた結果は、CINEBENCH R11.5では、OpenGLが69.27fps、マルチコアCPUで12.27pts、シングルコアCPUで1.63pts。CINEBENCH R15では、OpenGLが153.84fps、マルチコアCPUで1112cb、シングルコアCPUが144cbとすべての項目でポイントが上昇した。

ノーマル設定におけるCINEBENCH R11.5(写真=左)とCINEBENCH R15(写真=右)のスコア

オーバークロック設定におけるCINEBENCH R11.5(写真=左)とCINEBENCH R15(写真=右)のスコア

 ストレージについては、プライマリの128GバイトM.2のSSDにサムスン「MZHPU128HCGM-000H1」、セカンダリの1TバイトHDDにSEAGATE「ST1000DM003-1ER162」を用いていた。やはり、PCI Express接続のSSDは速く、CrystalDiskMark 3.0.3の結果も申し分ない。プライマリードライブでは、ランダムアクセス(512K)で読み込みが629.1Mバイト/秒、書き込みが465.1Mバイト/秒という結果だった。このようにシステム用にSSD、データ用にHDDという構成にすれば、フォトレタッチや動画編集といった速度と容量の両立が求められるケースにも充分対応できる。

CrystalDiskMark 3.0.3の結果。128GバイトSSDのスコア(写真=左)、1TバイトHDDのスコア(写真=右)

 実際のアプリケーションのシミュレーションで全体的な性能を評価するPCMark 7は、総合スコアが5782、CPUオーバークロック時は5851。全体的に高いスコアを示している。

PCMark 7 1.4.0のスコア

オーバークロック3.8GHz設定におけるPCMark 7 1.4.0のスコア
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