センチュリーマイクロのプロトタイプで試す新基板「B1ガーバー」メモリの実力:DDR4-3000超の高速圏を目指せ!(1/4 ページ)

» 2015年08月26日 10時03分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

オーバーDDR4-2400を目指す新設計基板「B1ガーバー」

 メモリモジュールの基板設計は、(非準拠の製品もあるが)規格策定団体であるJEDECが規定しており、288ピンのNon-ECC、DDR4-2133、アンバッファド、メモリモジュールでは、2015年8月時点で「A0」(1ランク)と「B0」(2ランク)といったように公開している。これを「ガーバー」(Gerber)と呼ぶ。

 そのガーバーで、DDR4-2400以上の動作を目指したものとして、新たに「B1」ガーバーが登場した。JEDECのWebページでまだ公開していないほどに新しい「B1」に準拠したメモリモジュールとして今回検証したのが、センチュリーマイクロの「B1ガーバープロトタイプ」(非売品)と「CK8GX2-D4U2400/MIC」(発売済み)だ。

 センチュリーマイクロは日本のメーカーで、今では珍しくなった国産基板を採用したメモリモジュールを出荷している。センチュリーマイクロのメモリモジュールの価格は“激安メモリ”の1.5倍から2倍にもなってしまうが、それだけに、生産工程における精度の高さや安定性の高さから、動作検証などで使うケースが多い。

 以前、メモリモジュールはPCの価格を圧縮する第1の手段だったことがある。その結果がバルクメモリの横行だった。しかし、DDR2、DDR3と時代が進むにつれ、低電圧化や高クロック化、ピン数の増加などによって、メモリに信頼性を求めるユーザーが増えてきた。そのため、DDR3が主流になったあたりから、バルクメモリをあまり見かけなくなり、リテールパッケージのメモリモジュールを購入するユーザーが多くなった。そういう状況において、センチュリーマイクロのメモリモジュールは、「ひとつ上のグレードを持つメモリ」という評価を得ている。

 B1ガーバーが従来のガーバーと比べてどのように変わったのについて、“中の人”はB1ガーバーはDDR4メモリをより高クロックで動かすために開発したと説明している。現在、DDR4メモリの定格クロックはDDR4-2133までとなっているが、より高クロックで安定して動作するためには、回路の信号精度を高める必要がある。DDR4-2400以上を目指してJEDECでもDDR4-2400のB0を検討しており、これを改良したのがB1という。

 センチュリーマイクロの旧ガーバー製品と比較すると、B1ガーバーでは4つの変更がある。DRAMチップの横方向における間隔がB1ガーバーで狭くなり、同時にDRAMチップを低い位置に実装して接点端子とDRAMチップの距を短くした。このことで信号線を短縮して回路部分における減衰を抑えている。また、モジュールの中央部、左右のDRAMチップ群の間に信号線の長さを調整するための複雑なパターンも確認できる。

センチュリーマイクロのB1ガーバープロトタイプ(写真=左)と、Crucial「CT2K8G4TFD8213」(写真=右)との比較。B1ガーバー側のDRAMチップがより密に、より低い位置にあることが分かる

センチュリーマイクロのB1ガーバープロトタイプ(写真=左)と、Crucial「CT2K8G4TFD8213」(写真=右)の表面

センチュリーマイクロの「CK8GX2-D4U2400/MIC」。B1ガーバー品なので、こちらはプロトタイプと同じ位置にDRAMチップがある

 モジュール上のチップ抵抗やコンデンサのレイアウトも変更している。DRAMチップの下にあるチップ抵抗では、「1005」(サイズ規格:1×0.5ミリの意味)の4連から、セパレート型の「0603」に変更した。DRAMチップの上にあるデカップリングコンデンサは、国産(CK8GX2-D4U2400/MIC)の大容量タイプを追加している。どちらも、信号の品質や効率を高めることを重視したデザインだ。

 このように信号の品質を向上させることで、B1ガーバーは、より高クロックでの動作と安定性を高めることを目指している。販売が始まった「CK8GX2-D4U2400/MIC」は、B1ガーバーを採用するモジュールであるとともに、DDR4-2400ネイティブで動作するDDRAMチップを採用した。

 モジュールメーカーによると、DDR4-2400をネイティブにサポートしたDRAMチップはまだ少ない。ほとんどがSampling段階であり、いくつかのProductionレベルに達した製品でも流通量はかなり少数だ。現時点で「CK8GX2-D4U2400/MIC」が採用するMicronの「D9RGG」が、モジュールとして流通しているものとしては唯一のDRAMチップのではないだろうか。いま販売している多くのDDR4-2400メモリモジュールは、DDR4-2133チップのいわゆる選別品でDDR4-2400動作を実現している「オーバークロックメモリ」だ。オーバークロックではあっても製造メーカーのテストをパスしたチップ、テストをパスしたモジュールなので信頼性はある。ただし、ネイティブサポートしたDRAMチップとなれば、より信頼性が高いといえるだろう。

Micron TechnologyのDDR4 DRAMチップ「D9RGG」。1.2ボルト駆動でDDR4-2400(1200MHz)動作を実現する

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