11.6型ディスプレイ2in1 PC「HP Pavilion 11-k000 x360」の“7万円前後の使い勝手”を試す(後編)“Braswell”Celeonの性能は?(1/2 ページ)

» 2015年08月28日 12時28分 公開
[長浜和也ITmedia]

“Braswell”世代のCeleron N3050の費用対効果はいかほどか

 日本HPの「HP Pavilion 11-k000 x360」(以下 Pavilion x360)は、クラムシェルのノートPCのディスプレイを360度開くことで、ユーザーの利用場面に合わせたスタイルで使うことができる11.6型ディスプレイを搭載する2in1 PCだ。

360度開く11.6型ディスプレイを搭載して本体の重さが約1.48キロの2in1 PC「HP Pavilion 11-k000 x360」

 Pavilion x360の外観と本体搭載のインタフェース、そして、360度ディスプレイを開いて利用スタイルを使い分ける「ノートブックモード」から「スタンドモード」、「テントモード」、「タブレットモード」の使い勝手については前編で紹介した。後編では、“Braswell”世代のCeleron N3050をはじめとするPavilion x360のシステムが発揮する処理能力と高負荷状態において使用感に影響するキーボード面の表面温度を測定したうえで、ディスプレイ360度開くタイプの2in1 PCとしてのバランスを考察する。(なお、記事を掲載した当初、価格を5万円台と紹介していたが、これは誤りで、実際には“7万円前後”でした。あらためておわびします)

 Pavilion x360の処理能力をベンチマークテストで検証する前に、評価用機材のハードウェア構成をもう一度確認しておこう。CPUはCeleron N3050(1.6GHz/最大2.16GHz、2コア2スレッド、TDP6ワット)を採用し、システムメモリはDDR3L 1600MHzを4Gバイト載せる。ストレージは8Gバイトのキャッシュを組み込んだ500GバイトHDDを搭載した。ディスプレイの解像度は1366×768ピクセルだ。

 本体搭載のインタフェースには、2基のUSB 3.0にUSB 2.0、有線LAN、SDメモリーカードスロット、HDMI出力を備えるほか、無線接続ではIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0を利用できる。OSは64ビット版 Windows 8.1 Updateを導入する。

 CPUは、最新の“Braswell”世代だ。アーキテクチャとしては、Atomラインアップの“Cherry Trail”と共通で、その前の世代となる“Bay Trail”世代のCeleonと比べて、統合したグラフィックスコアを改善して、描画処理能力が向上したとインテルは訴求している。

 ストレージは2in1 PCでは採用例が少なくなったHDDを搭載する。アクセス速度など体感で分かるところで意外と影響が大きいが、大容量ストレージを低価格で用意できるのは、オンラインストレージサービスが普及した状況でも何かと使いやすい。体感速度とローカルに大容量ストレージがある気軽さのどちらを優先するかで評価が分かれるだろう。

Pavilion x360の評価機材が搭載するCeleron N3050とそこに統合するグラフィックスコアの仕様をCPU-ZとGPU-Zで確認する

 複数のアプリケーションを実行して「Work」「Home」「Creative」といった利用目的が異なるユーザーごとに実際の利用状況を想定したするシナリオにおける処理能力を測定するPCMark 8のスコアは、Homeで「1136」、Workで「1466」、Creativeで「940」となった。同様に、利用場面を想定して総合ベンチマークテストの「PCMark 7」のスコアもPCMark scoreで「2210」を出している。

PCMark 8:Home

PCMark 8:Work

PCMark 8:Creative

PCMark 7

 CPUによるCGレンダリング演算でCPUの処理能力をシングルスレットとマルチスレッドのそれぞれで測定するCINEBENCH R11.5では、OpenGLテストで8.38fps、シングルCPUテストで0.38ポイント、マルチCPUで0.75ポイントをマークした。

CINEBENCH R11.5

CINEBENCH R15
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