アップルが9月10日(日本時間)、12.9型のタブレット「iPad Pro」を発表した。国内外ともに発売は11月を予定する。価格は799ドル(Wi-Fiモデル、32Gバイト)から。
スペシャルイベントでは、iPad Pro本体だけでなく、筆圧や傾きを検知するスタイラスペン「Apple Pencil」と、キーボード一体形のカバー「Smart Keyboard」というiPad Pro専用の純正アクセサリも同時に発表され、コンテンツを閲覧するだけでなく、クリエイティブユースにも使えることをアピールしていたのが印象的だった。
スタイラスペンとキーボード付きカバーと言えば、真っ先に思い浮かべるのが日本マイクロソフトの「Surface」シリーズだ。
12型という近い画面サイズを持つ「Surface Pro 3」は、筆圧を感知する「Surface ペン」や、キーボード一体形カバーの「タイプカバー」を備えており、生産性の高いタブレットとして人気を博している。iPad Proを発表したアップルがSurfaceシリーズを意識しているのは間違いないだろう。
今回はSurface Pro 3と比較しながら、iPad Proの特徴を見ていこう。
スペック比較(太字は優れている部分) | ||
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製品名 | iPad Pro | Surface Pro 3 |
画面サイズ | 12.9型 | 12型 |
ディスプレイ解像度(画素密度) | 2732×2048ピクセル(264ppi) | 2160×1440ピクセル (約216ppi) |
アスペクト比 | 4:3 | 3:2 |
OS | iOS 9 | Windows 10 |
プロセッサ | A9X | Intel Core i3/i5/i7 |
モーションコプロセッサ | M9 | − |
RAM | 4Gバイト(Adobeのプレスリリースより) | 4/8Gバイト |
ストレージ | 32/128Gバイト | 64/128/256/512Gバイト |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac(MIMO) | IEEE802.11a/b/g/n (MIMO) |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 | Bluetooth 4.0 |
インカメラ | 120万画素 | 500万画素 |
アウトカメラ | 800万画素 | 500万画素 |
内蔵スピーカー | ステレオ | ステレオ |
内蔵マイク | デュアル | デュアル |
インタフェース | Lightning、ヘッドフォン端子、Smart Connector | フルサイズUSB 3.0、microSDカードリーダー、ヘッドフォン端子、Mini DisplayPort、カバー用ポート |
センサー | デジタルコンパス、3軸ジャイロ、加速度、環境光、GPS、気圧計 | デジタルコンパス、3軸ジャイロ、加速度、環境光 |
指紋認証 | Touch ID | − |
バッテリー駆動時間 | 最大10時間 | 最大9時間 |
幅×奥行き | 220.6(幅)×305.7(高さ)ミリ | 201.3(幅)×292(高さ)ミリ |
厚さ | 6.1ミリ | 9.1ミリ |
重量 | 713/723グラム(Wi-Fi/Wi-Fi+Cellular) | 800グラム(Wi-Fi) |
カラーバリエーション | ゴールド、スペースグレイ、シルバー | シルバー |
価格 | 約9万6679円〜(799ドル、1ドル121円換算) | 11万1024円〜 |
iPad Proの最大の特徴である12.9型のディスプレイは、解像度が2732×2048ピクセル、画素密度が264ppiとなり、iPad史上最大の画面サイズを誇る。
iPad Proが搭載する「iOS 9」には、今開いているアプリとは別に2つ目のアプリを細長いバー状で画面横に表示する「Slide Over」機能や、2つのアプリを均等に画面上で分割表示する「Split View」機能、動画を子画面で表示する「Picture in Picture」機能など、大きなディスプレイを生かす新機能が追加されているが、動作するのはあくまでモバイル向けのiOS用アプリだ。
その点、フルのWindows 10が動作するSurface Pro 3は、タブレットでありながらタッチ操作に最適化されたWindowsアプリに加えて、従来のデスクトップアプリケーションをそのまま利用できる。文章を入力する際に、使い慣れた日本語入力ソフトが使える――というように、地味な部分ながらも使い勝手に直結するメリットは多々存在する。
マルチデバイスを1つのOSで担うWindows 10と、モバイル端末専用のiOS 9では、そもそも設計思想が異なるということが如実に現れている。よって搭載するCPUやメモリといった性能の単純比較はあまり意味がない。自分自身が求める機能をそれぞれのデバイスで実現できるのか、選択の際は十分に吟味する必要がありそうだ。
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