冷静に考えて「iPad Pro」と「Surface Pro 3」で生産性が高いタブレットはどっち?ライバル機種と比較(1/2 ページ)

» 2015年09月11日 00時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 アップルが9月10日(日本時間)、12.9型のタブレット「iPad Pro」を発表した。国内外ともに発売は11月を予定する。価格は799ドル(Wi-Fiモデル、32Gバイト)から。

iPad Pro 「iPad Pro」

 スペシャルイベントでは、iPad Pro本体だけでなく、筆圧や傾きを検知するスタイラスペン「Apple Pencil」と、キーボード一体形のカバー「Smart Keyboard」というiPad Pro専用の純正アクセサリも同時に発表され、コンテンツを閲覧するだけでなく、クリエイティブユースにも使えることをアピールしていたのが印象的だった。

iPad Pro 「Apple Pencil」
iPad Pro 「Smart Keyboard」

 スタイラスペンとキーボード付きカバーと言えば、真っ先に思い浮かべるのが日本マイクロソフトの「Surface」シリーズだ。

iPad Pro スタイラスペンやキーボード付きカバーといえば「Surface Pro 3」を思い浮かべる

 12型という近い画面サイズを持つ「Surface Pro 3」は、筆圧を感知する「Surface ペン」や、キーボード一体形カバーの「タイプカバー」を備えており、生産性の高いタブレットとして人気を博している。iPad Proを発表したアップルがSurfaceシリーズを意識しているのは間違いないだろう。

 今回はSurface Pro 3と比較しながら、iPad Proの特徴を見ていこう。

スペック比較(太字は優れている部分)
製品名 iPad Pro Surface Pro 3
画面サイズ 12.9型 12型
ディスプレイ解像度(画素密度) 2732×2048ピクセル(264ppi) 2160×1440ピクセル (約216ppi)
アスペクト比 4:3 3:2
OS iOS 9 Windows 10
プロセッサ A9X Intel Core i3/i5/i7
モーションコプロセッサ M9
RAM 4Gバイト(Adobeのプレスリリースより) 4/8Gバイト
ストレージ 32/128Gバイト 64/128/256/512Gバイト
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n/ac(MIMO) IEEE802.11a/b/g/n (MIMO)
Bluetooth Bluetooth 4.2 Bluetooth 4.0
インカメラ 120万画素 500万画素
アウトカメラ 800万画素 500万画素
内蔵スピーカー ステレオ ステレオ
内蔵マイク デュアル デュアル
インタフェース Lightning、ヘッドフォン端子、Smart Connector フルサイズUSB 3.0、microSDカードリーダー、ヘッドフォン端子、Mini DisplayPort、カバー用ポート
センサー デジタルコンパス、3軸ジャイロ、加速度、環境光、GPS、気圧計 デジタルコンパス、3軸ジャイロ、加速度、環境光
指紋認証 Touch ID
バッテリー駆動時間 最大10時間 最大9時間
幅×奥行き 220.6(幅)×305.7(高さ)ミリ 201.3(幅)×292(高さ)ミリ
厚さ 6.1ミリ 9.1ミリ
重量 713/723グラム(Wi-Fi/Wi-Fi+Cellular) 800グラム(Wi-Fi)
カラーバリエーション ゴールド、スペースグレイ、シルバー シルバー
価格 約9万6679円〜(799ドル、1ドル121円換算) 11万1024円〜

12.9型の大きなディスプレイで動くiOSは、あくまでモバイルOSである

 iPad Proの最大の特徴である12.9型のディスプレイは、解像度が2732×2048ピクセル、画素密度が264ppiとなり、iPad史上最大の画面サイズを誇る。

 iPad Proが搭載する「iOS 9」には、今開いているアプリとは別に2つ目のアプリを細長いバー状で画面横に表示する「Slide Over」機能や、2つのアプリを均等に画面上で分割表示する「Split View」機能、動画を子画面で表示する「Picture in Picture」機能など、大きなディスプレイを生かす新機能が追加されているが、動作するのはあくまでモバイル向けのiOS用アプリだ。

iPad Pro 「Split View」機能でOffice for iOSを並べて表示したところ。ちなみにスペシャルイベントでは、Office for iOSのデモでMicrosoftがゲストで登壇していた

 その点、フルのWindows 10が動作するSurface Pro 3は、タブレットでありながらタッチ操作に最適化されたWindowsアプリに加えて、従来のデスクトップアプリケーションをそのまま利用できる。文章を入力する際に、使い慣れた日本語入力ソフトが使える――というように、地味な部分ながらも使い勝手に直結するメリットは多々存在する。

 マルチデバイスを1つのOSで担うWindows 10と、モバイル端末専用のiOS 9では、そもそも設計思想が異なるということが如実に現れている。よって搭載するCPUやメモリといった性能の単純比較はあまり意味がない。自分自身が求める機能をそれぞれのデバイスで実現できるのか、選択の際は十分に吟味する必要がありそうだ。

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