Radeon R9 Nanoの性能検証において、比較対象は、「「同じ程度のカード長」の製品からASUSTeK「GTX970-DCMOC-4GD5」とした。カード長17センチ級では最上位のGPUとなるGeForce GTX 970を搭載するオーバークロックモデルだ。加えて過去に計測したRadeon R9 Furyなどのスコアも参考にする。評価用システムの構成は、CPUをCore i7-4790K(4GHz/最大4.4GHz、4コア8スレッド、3次キャッシュメモリ8Mバイト)に、OSをWindows 8.1とした。
比較対象 | AMD Radeon R9 Fury X |
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CPU | Core i7-4790K |
メモリ | DDR3-1600 |
メモリ | CFD Elixer W3U1600HQ-8G(PC3-12800 DDR3 SDRAM、8GB×2枚) |
マザーボード | MSI Z97M GAMING |
チップセット | Intel Z97 Express |
ストレージ | OCZ Vector 180(Serial ATA 3.0、MLC、960GB) |
OS | 64ビット版 Windows 8.1 Pro Update |
電源 | Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000ワット) |
3DMarkでは、DirectX 11を用い本格的に負荷が高くなってくるFire Strike以降のパフォーマンスがポイントといえるだろう。R9 Nanoは、R9 Furyを超えるには至らないが、それでも、GeForce GTX 980を超えるスコアを出している。メインで比較するGeForce GTX 970に対してはすべてのテストで優位に立っている。特に負荷の高いFire Strike UltraでR9 Nanoのスコアは、GTX 970の1.3倍にも達し、GTX 980のスコアも超えている。
Unigine Heaven Benchmarkは、Fijiコアの2つとも、低解像度では振るわないものの、1920×1080ピクセルあたりで持ち直し、高解像度では本領発揮といったところ。とはいえ、R9 Nanoに関しては、すべての解像度でGTX 970を上回るスコアだった。2560×1440ピクセルではGTX 980をも上回った。
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークでは、もちろんハイスコアではあるが、先のUnigine同様、Fijiコアの2製品は低解像度で振るわない。こちらも本領を発揮するのは1920×1080ピクセル以降ダ。そこからのR9 Nanoは、GTX 970を上回り、3840×2160ピクセルではGTX 980を逆転した。なお、R9 Nanoの3840×2160ピクセルテストは31.013fpsで、快適といえるフレームレートが得られている。
BATMAN ARKHAM ORIGINSでは、R9 Furyで発生した(おそらくドライバの最適化不足が原因)スコアの低下が改善していた。一方、GTX 970に関してはGTX 980との差が妙に大きい。比較としてはあまり参考にならないかもしれないので、フレームレートだけを確認しておくと、R9 Nanoは3840×2160ピクセルでも63fpsという十分に快適なフレームレートを記録している。
Battlefield 4も、低解像度ではややGeForce勢に劣るが、実用的なフレームレートであり、GTX 970に対しては1600×900ピクセル以降、GTX 980に対しても2560×1440ピクセル以降で逆転している。特に、2560×1440ピクセルでほぼ60fpsをマークしているので、フルHD超のプレイ環境を用意しているユーザーなら、その解像度を生かすことができるだろう。
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