次のWindows 10大型アップデート「Redstone」はいつ登場する?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/3 ページ)

» 2015年11月18日 06時00分 公開

大きなマイルストーンと小さなマイルストーン

 問題は、このRedstoneの位置付けだ。Windows 10では定期的に新機能を含んだ形でユーザーのOSを最新状態に保つための大型アップデートを年2〜3回のペースで配信する「最適化モデル(Current Branch:CB)」を採用している。

 このCBに対して配信される大型アップデートというのが、TH2(Build 10586)のような1サイクル内で最終版にあたる「RTM(Release To Manufacturing)」のビルドだ。特定のビルドがRTMに到達するまでには、Windows Insider Program参加者に対して数週間に1回程度のペースで開発中のWindows 10 Insider Preview最新ビルドが提供され、少しずつソフトウェアのブラッシュアップが行われる。

 実際にはWindows Insider ProgramのFast/Slow Ringユーザーの元に最新ビルドが配信される前に、Microsoft社内で幾つかのビルドの内部テストが実施されている。最終的に一般ユーザー(CB)へアップデートが届くまでに、「Microsoft開発チーム→Microsoft社内→Windows Insider Program参加者→CB」という3段階の“ふるい”にかけられて厳選されているというわけだ。

Windows 10のWindows Updateタイミング 一般ユーザー向けの最新モデル(Current Branch:CB)では、Windows Insider Programでの早期テストの後、常に最新の機能がいち早く提供される。また、Windows Updateを通じて、1年に2〜3回程度の大規模アップデートが行われる

 恐らく、2015年内にCBへ提供されるWindows 10の大型アップデートはTH2が最後で、次は2016年の前半になると考えられる。その場合、次にCBとして一般ユーザーの手元に届くのが、Redstoneとなるだろう。

 WinBetaの記事では「rs1_release」「th2_release」という2つの選択肢がWindows Updateの設定パネル中に出現していたというが、以上を考慮すれば、TH2の次はRS1(Redstone 1)というリリースであり、その登場時期が2016年前半になるのではないだろうか。

 なお、WinBetaではこの選択肢が出現した状況について「Microsoftの手違い」だと説明しており、恐らくはMicrosoft社内向けの設定項目が誤って外部に出てしまった可能性を指摘している。いずれにせよ、RS1が次のアップデートとして視野に入ってきた状況と言える。

 では、なぜ「rs1_release」「th2_release」という2つの選択肢が出現し、ユーザーが設定可能な状態になっていたのだろうか。もし、ここで「TH(Threshold)」と「RS(Redstone)」の2つの系統にWindows 10が分かれ、それぞれに別々の最新ビルドが提供されるようなことはあるのだろうか?

 筆者の推測だが、THとRSで別々の最新ビルドが提供される可能性はゼロではないが、基本的には「一般ユーザーのほとんどをそのままTH2からRS1まで誘導する」のがMicrosoftの狙いだと考えている。

 既にTH2に触れたユーザーなら分かると思うが、一部ユーザーインタフェースの変更や日本語版Cortanaのサポートなど、見た目に大きな変更はあったものの、アップデート内容は全体的に小粒だ。むしろ安定性や、TH1の時点でフォローできなかった部分を補完した位置付けになっている。

日本語版Cortana(天気予報)日本語版Cortana(アラーム) TH2ではCortanaが日本語に対応した。しかし、先行するAppleのSiriに比べると音声認識の精度や機能の充実度はまだまだこれからといった印象だ

 逆にRS1では、TH2と比較して「大きな機能アップデート」を目指す可能性が高いと考える。例えばMicrosoft Edgeの「Extensions」などはこの範囲に入るだろう。安定と補完がTH2の目標だったとすれば、RS1では「Redstoneの世代で盛り込むべき機能」の拡充を目指したものとなり、もしここで実装できなかった課題は、さらに次のRS2へと持ち越される形になると予想する。

 1〜2年の範囲でThresholdやRedstoneのような大きな目標(マイルストーン)を設定して、それをクリアしたら次のマイルストーン……というのがWindows 10の開発スタイルなのではないだろうか。ただ、これでは企業ユーザーを中心に「同じWindows 10でも内容が異なる」といった現象で悩むケースもあるとみられ、こうした場合に備えて保険的にTH2系統のブランチを(検証用に)残しているのかもしれない。

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