これがおみくじの全貌。なかなか情報量が多い。
中吉だった。冷静に考えると、西洋の占星術で用いられている黄道十二星座から急に日本のおみくじのフォーマットにつながるというチャンポンなところはそれで良いのかという感も若干あるが、まあそれもまた味わいなのだと思う。「ありのままの実力を出しきる事が肝心」とあるが、それは常にそうなんじゃないかというツッコミも野暮というものだろう。
ところでおみくじと星占いのチャンポンな上にルーレットまで付いているこのガジェット、ルーレットはどのような意味を持つかというと、その結果もまた占いに連動するという仕掛けなのである。
このようにおみくじの下半分は「ルーレット占い」という別体系の内容になっており、数字によって一言コメントが異なっているようである。今回は5だったので「考えが甘すぎるので注意を」とのことで、甘い考えには注意していきたいと思う。
そうこうしているうちにちょうど味噌カツ定食が到着。注文待ちの間のちょうど良い暇つぶしだ。料理が出てくるまでの間の暇つぶしもまた、今はスマホでちょっとゲームやTwitter、といったものが主流かもしれないが、こういう昔ながらの暇つぶしも悪くない。
ところでこのおみくじルーレットマシンのことを「ロストガジェット」と呼んでしまったものの、実は現在も製造が続いている立派に「現行品」なガジェットだ。
正式には“ルーレット式おみくじ器”と呼ぶそうで、現在は岩手県に工場がある北多摩製作所だけが製造している。個人でも1台から購入が可能で、価格は1台8000円(税別)。
製造元に話を聞いてみたところ、製造・販売を始めたのは今から約35年前。当時の喫茶店ブームに乗り全国に広まった。コーヒーが1杯150円〜200円の頃から今と同じく“1回100円”だったため、店舗側の利益率も高く、売上のピークだった1980年代は飛ぶように売れたという。「お店の中にテーブルが10個あれば、10台置いてくれるしね」(北多摩製作所)
喫茶店ブームが下火になってからも、ラーメン屋や大手飲食チェーン店、居酒屋など、時代の移り変わりに合わせて販売網を広げていき、個人向けに販売を始めたのは5年ほど前。今では売上の過半数が個人向け販売で、なんと地元・滝沢市のふるさと納税の品にまで選ばれている。
「製品自体の造りは、30年前からほとんど変えていないんですよ」(同社)。球体のプラスチックボディーは今日も、どこかのテーブルの上で小さな紙切れをはき出し続けている。
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