今回の評価機であるハイエンドモデル(SW6-00006)については、スペックを詳しく見ていこう。CPUはSkylakeの開発コード名で知られる第6世代CoreプロセッサのCore i7-6600U(2.6GHz/最大3.4GHz、3次キャッシュ4MB、Intel HD Graphics 520)を採用する。この世代では前世代(Broadwell)から内部構造が改良され、クロックあたりの性能向上、電力効率の向上が図られている。
Surface Pro 4のCore i7モデルに搭載されているCore i7-6650U(2.2GHz/最大3.4GHz、3次キャッシュ4MB、Intel Iris Graphics 540)と比較すると、内蔵GPUコアに大きな違いがあり、Core i7-6650UのほうがGPUコア重視の設計となっている。従って、クリップボードモード時やCPU内蔵GPUの使用が指定されているアプリケーションなど、GeForce GPUが働かない状況では、Surface Pro 4のほうがパフォーマンスで有利になる。

CPU-Zの情報表示。CPUはCore i7-6600Uを採用する(画像=左)。2コアCPUで、Hyper-Threadingにより4スレッド同時実行が可能だ。標準クロックは2.6GHzだが、Turbo Boost 2.0により高負荷時にはクロックを最大3.4GHzまで上げて処理する。メモリは大容量の16GBを搭載し、デュアルチャンネルで動作する(画像=右)| Surface Book/Proに使われる第6世代Core i5/i7の比較 | |||
|---|---|---|---|
| CPU | Core i7-6600U | Core i7-6650U | Core i5-6300U |
| CPUコア/同時処理スレッド | 2コア/4スレッド | 2コア/4スレッド | 2コア/4スレッド |
| 標準クロック | 2.6GHz | 2.2GHz | 2.4GHz |
| 最大クロック | 3.4GHz | 3.4GHz | 3.0GHz |
| GPUコア | Intel HD Graphics 520 | Intel Iris Graphics 540 | Intel HD Graphics 520 |
| GPUコア実行エンジン | 24基 | 48基 | 24基 |
| GPUクロック | 300〜1050MHz | 300〜1050MHz | 300〜1000MHz |
| 3次キャッシュ | 4MB | 4MB | 3MB |
| eDRAM | − | 64MB | − |
| プロセスルール | 14ナノメートル | 14ナノメートル | 14ナノメートル |
| TDP | 15ワット | 15ワット | 15ワット |
評価機が搭載しているGeForce GPUの情報をGPU-Zで見ると、開発コード名「GM108」と表示された。つまり、現行のMaxwell世代に属するNVIDIA GPUであることが確認できる。CUDAコアは384基で、ピクセルフィルレートは15.3Gpixel/秒、テクスチャフィルレートは22.9GTexels/秒というスペックから、性能的にはエントリークラスのGeForce 930Mと940Mの中間くらいだろうか。いずれにせよ、ゲーミングPCのような3D描画性能は備えていない。

GPU-Zの情報表示。GeForce GPUはNVIDIAとMicrosoftの共同開発によるカスタム品とのこと(画像=左)。開発コード名「GM108」と、Maxwell世代であることが確認できる。CUDAコアは384基で、954MHz、ブーストクロック993MHzといった情報が表示された。Core i7-6600Uは、GPUコアとしてIntel HD Graphics 520を内蔵(画像=右)。クリップボード時はこちらで動作する。パワフルラップトップモードでも標準ではCPU内蔵GPUが基本で、一部アプリケーションのみNVIDIA GPUが使われるように設定されている
GPUの使い分けはNVIDIA Optimus Technologyを採用し、Windows上のNVIDIAコントロールパネルに用意されている「3D設定」で確認できる(画像=左)。アプリケーションを個別に手動で変更することも可能だが、ごく一部ながら変更できないアプリケーションも存在する(画像=右)
このようにアプリケーション実行時に、使用するGPUを個別に選ぶことも可能だ(画像=左)。NVIDIAコントロールパネルで設定を変更できないアプリケーションは、アイコンの右クリックメニューから起動する方法でもGPUを変更しての実行ができなかった(画像=右)ストレージはPCIe(PCI Express)接続でNVMe(Non-Volatile Memory Express)対応のSSDを採用している。デバイスマネージャでは型番が「NVMe SAMSUNG MZFLV512」と表示され、Surface Pro 4などが搭載しているものと同じSamsung製のM.2型SSD「PM951」と分かる。
SSDの公称スペックはシーケンシャルリードが1050MB/秒、シーケンシャルライトが560MB/秒、4Kランダムリードが250000 IOPS、4Kランダムライトが144000 IOPSだ。Surface Pro 4など同SSD搭載機のベンチマークテスト結果では、シーケンシャルリード性能が公称スペックを超え、1500MB/秒以上出ていることが多い。
一方、NANDフラッシュメモリはSamsung最新のV-NANDではなく、プレーナ型のTLC NANDを採用していることもあり、最新SSDとしてはシーケンシャルライト性能はさほど速くない。
次のページからは、各種ベンチマークテストでSurface Bookハイエンドモデルの実力をチェックしていこう。
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