NASの機能をモジュール化しているのも、台湾メーカー製NASキットの特徴だ。国内メーカーのようにあらゆる機能が最初から組み込まれていると、それだけコストに転嫁されるほか、それらがセキュリティ上の問題になる危険もある。これに対して台湾メーカーのNASは、アプリを追加することで機能を拡張できる仕組みを採用しており、必要な機能だけを追加できる。
最近では国内メーカーのNASでも近い方式を採用する製品が登場しているが、台湾メーカー製のNASはサードパーティー各社がアプリ開発に積極的に参画しており、各メーカーとも100個以上のアプリを用意するなど、質量ともに圧倒的だ。著名なサービスも数多くサポートしており、例えばオンラインストレージであればDropbox、Googleドライブなどの定番どころであれば、どの台湾メーカーのNASであってもサポートしている。
これらの中には日本国内での利用には適さないアプリもあるほか、全てのアプリが日本語化されているわけではない。しかしそれらを差し引いたとしてもカバーしている機能は国内メーカーのNASに比べてはるかに多く、法人向けの機能ではないが、最近ではDTCP-IP機能に対応したテレビ録画のムーブを行うためのアプリがリリースされるなど、国内ベンダーとの協力により、日本固有のニーズに対応するアプリも登場し始めている。
これらに関連して、スマートデバイス向けアプリが充実していることも特徴だ。国内メーカーのNASは、スマートデバイスからのアクセスでは機能制限が多く、操作性もLAN内からブラウザでアクセスした場合とまったく異なり、さらには設定もかなり難解だったりする。これに対して台湾メーカー製のNASは、LAN内からアクセスする場合と同じインタフェースで利用できるほか、スマートフォンなどで撮った写真を外出先からNASにアップロードする機能など、スマホならではの機能を備えていることも多い。
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