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今どきのNASが備える便利機能やアプリをチェックSOHO/中小企業に効く「NASキット」の選び方(第3回)(1/2 ページ)

» 2016年05月11日 14時45分 公開
[山口真弘ITmedia]

 前回は、近年のSOHO/中小企業クラス向けNASに備わった機能のうち、台湾メーカー製NASの多くが搭載しているトレンド機能について紹介した。今回は特定メーカーの製品にのみが搭載している便利機能や、他社との差別化になりうる特徴的なアプリについて紹介していこう。

ASUSTORのみ:NASのカートリッジをリムーバブルメディアのように使える機能

 台湾メーカー製のNASキットには、HDDをカートリッジに収めた上で取り付けるタイプの製品が多い。カートリッジを採用している理由は、ドライブに障害が発生した場合にスムーズに交換するためだ。さらに、このカートリッジをリムーバブルメディアのように活用できる製品もある。ASUSTORのNASに搭載されている「MyArchive」という機能がそれにあたる。

 このMyArchive機能では、「カートリッジをリムーバブルメディアとみなして、容量がいっぱいになったら新しいカートリッジと交換し、古いものはそのまま保存する」というライブラリ用途を前提としているのが特徴だ。低価格モデルにみられる、ドライブを組み込むために本体を分解しなくてはいけないモデルは対象外だが、それ以外のモデルの多くはこの機能に対応している。

 主な用途としては、月次のデータを別々のドライブに保存してライブラリとして保管したり、バックアップを収めたデータをローテーションさせたりといった使い方が考えられる。機能的にはクラウドへのバックアップなどと競合するが、物理的に交換できるという分かりやすさをメリットと感じる人もいるだろう。法人ユースではあまりないだろうが、テレビ録画のデータがいっぱいになった時点で入れ替えるなどの用途も考えられる。

 なお、カートリッジをまるごと交換することから、当然ながらそのベイはRAIDの対象外となる。MyArchive機能で利用できるカートリッジの数は、2ベイのNASであれば1つ、4ベイのNASであれば2つと決まっており、4ベイのNASであれば残りのベイを使ってRAIDを組めるが、2ベイのNASでは冗長性のない構成にせざるを得ない。

 またドライブに取り付ける交換用のベイのパーツは別売のオプションとなり、そのぶんのコストは余計にかかる。他社製品には見られないユニークな機能だが、こうした点は利用にあたって知っておきたい。

MyArchive機能では、カートリッジをリムーバブルメディアとみなして交換して利用できる。ASUSTORのNASのみ対応するユニークな機能だ(画像は同社ホームページより)

SynologyとQNAPのみ:専用の拡張ドライブを用いた容量の追加に対応

 多くのNASでは、背面のUSBポートやeSATAポートに外付けドライブを接続し、容量を増やすことができる。もっともこの場合、追加した外付けドライブの冗長性は考慮されておらず、バックアップなどの用途に使われることがほとんどだ。

 これに対し、SynologyやQNAPのNASでは、NAS本体の内蔵ドライブと組み合わせてRAIDを構成できる専用のストレージをラインアップしており、冗長性を保ったまま容量の追加が手軽に行える。例えばSynologyの5ベイ拡張ドライブ「DX513」であれば、2ベイのNASと組み合わせて、最大7つのドライブでRAIDを構成できる。同社独自のRAIDタイプであるSynology Hybrid RAIDであれば、データを移動させる必要もなく、空いたベイにドライブを追加すれば、すぐに容量がプラスされる。

 接続元のNASとは電源のオンオフはもちろんスリープモードの設定なども連動する。同時期にリリースされたNASと共通のデザインを採用しているため、並べて置いても違和感がない。一部のベイを将来の追加のために空けておいたり、ドライブが故障した際に自動的にスペアと切り替わるHot Spare用のディスクとして待機させておいたりもできる。

 もともと台湾メーカー製のNASキットはドライブの差し替えによる機種移行が容易である。例えば2ベイモデルのドライブを4ベイモデルに移動させ、残り2ベイに新規のドライブを取り付けることで容量を増やすことが可能だ。しかし、ここで紹介したような拡張用のドライブに対応していれば、NAS本体を買い替えずに容量だけを増やすというもう一つの選択肢が生まれる。NASの初回購入時に将来どれくらいの容量が必要になるか見通しが立たず、かといって初期費用はかけたくない場合は、こうした拡張ドライブに対応する製品をチョイスしておくのは、賢い方法といえるだろう。

Synologyの5ベイ拡張ドライブ「DX513」を同社のNAS「DS715」に接続した状態。実質7ベイのNASとして利用できる。接続は専用コネクタを持ったケーブルで行う
ストレージマネージャでディスクの構成を見たところ。この例では本体2ベイと拡張ディスク2ベイでRAIDを構成し、残り3ベイのうち1ベイはHot Spare用、2ベイは空きとなっている。もちろん7ベイ全てを使ってRAIDを構成することも可能
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