撮りためた写真を一手に保存し、リモコンを使ってテレビで楽しめることで人気のバッファロー「おもいでばこ」に、店舗などのデジタルサイネージとして利用するのに最適なセット品が発売された。写真の代わりにお店のメニューや案内を記した画像などを保存しておくことで、本来は写真を楽しむSTB(セットトップボックス)であった“おもいでばこ”が、テレビと組み合わせて気軽にデジタルサイネージを構築できる製品に変身する。
見た目は通常の“おもいでばこ”とそっくりだが、どこが違うのか。そして一般的なデジタルサイネージと比べた場合、どのような特徴があるかを紹介しよう。今回は、本製品をデジタルサイネージとして使えるようにするところまでを見ていく。
“おもいでばこ”はもともと、撮りためた写真や動画を保存し、テレビで鑑賞するためのデバイスだ。USBメモリやメモリカードを経由して写真や動画を本体に取り込み、HDMIを経由してテレビに出力できる。デジカメやスマートデバイスと極めて相性のよい、写真と動画専用のSTBと言っていいだろう。ほとんどの操作は添付のリモコンで行えるため、利用のハードルが低いのが特徴だ。
保存した写真や動画をテレビに表示する際は、撮影年月日などで並び替えて1枚ずつ手動で呼び出して表示することも可能だが、連続再生を行う場合は指定した「アルバム」に含まれる写真を連続表示する「ホームスライドショー」機能を利用するのが一般的だ。本製品をデジタルサイネージとして使う場合も、この機能を活用する。
例えば飲食店の場合、お店の営業情報やキャンペーンの情報、おすすめメニューの画像を用意し、それらを紙芝居のように再生すれば訪問客に対して店頭で強力にアピールできる。展示会やイベントの場合は、見どころをまとめた画像や、トイレや休憩所、物販などの情報を流しておくことで、アナウンスの手間も減り、販促効果も見込めるはずだ。外国人の来客が多い店舗や施設であれば、外国語での案内を作成しておくことで語学に堪能な店員が不在でも、接客用ツールとして重宝する。呼び込みにも効果を発揮するだろう。
通常、本格的なデジタルサイネージの機器をそろえるとなると、専用ソフトウェアとPC、ディスプレイなどの組み合わせで数十万円もの費用がかかることも珍しくなく、かつこれらをどのようなルートで入手すればよいのか、全く見当がつかないこともあるだろう。
しかし本製品であれば、必要なのはHDMI端子を備えたテレビやPC用ディスプレイだけで、その気になれば“おもいでばこ”本体と合わせて5万円程度の予算でも、見栄えがするデジタルサイネージが構築できてしまう。小中規模の店舗にとっては、注目のソリューションといえるだろう。
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