本製品をデジタルサイネージとして使う場合の具体的な手順を紹介しよう。まず機材の設置だが、HDMIケーブルを使って本製品とテレビを接続し、表示できる状態にしておく。セットアップはこれで完了だ。煩わしい設定は一切必要ない。言うまでもないが、HDMIでの入力に対応した機器であれば、テレビ以外にプロジェクタなども利用可能だ。
続いて表示させる画像についてだ。ひとまず先に機器の特性を把握してから画像を作成したほうが効率はいいので、最初はスマホやデジカメで撮った写真を用意し「なるほど、こんなふうに表示されるのか」と試すことをおすすめする。最終的には目的に合わせて、写真の上から製品名や価格を書き込んだり、あるいは説明文やキャッチコピーだけで構成された画像が必要だったりするので、市販のPOP作成ソフトやPowerPoint、あるいは本格的なものではPhotoshopやIllustratorで書き出したJPGファイルを使うことになる。
画像が用意できたら、USBメモリ、またはメモリカードにファイルをコピーし、「おもいでばこ」前面のUSBポートもしくはカードスロットに挿入して取り込みボタンを押す。画像のコピーが終わったら、USBメモリもしくはメモリカードは抜い構わない。
続いて、再生のための設定を行う。本製品をデジタルサイネージとして使う場合、ホームスライドショー機能を利用するのがベターだ。これはあらかじめ指定しておいたアルバム内の画像を連続再生してくれる機能で、再生対象の画像を毎回選ばなくて済むことから、デジタルサイネージとしての利用にぴったりだ。
ここでいうアルバムとは、要するにフォルダのようなものと考えればよいが、さきほどの手順で画像を取り込んだ段階では、まだどのアルバムにも保存されていないので、新規にアルバムを作って保存する必要がある。その後、設定画面のホームスライドショーで、スライドの対象としてこのアルバムを指定すれば、ひとまず画像の連続再生は行えるようになるというわけだ。
画像によっては、他の画像よりも高い頻度で表示したいケースもあるだろう。例えばメニューの中でもおすすめのランチメニューだけは繰り返し表示したい、またイベントで製品概要をスライドショー表示する中で問い合わせ先だけは高い頻度で表示したいといった場合だ。こうした際は「差込みスライドショー機能」を使うことで、特定の画像だけを高い頻度で表示できる。
手順は、先ほど作ったアルバムとは別に、高い頻度で再生する画像だけを集めた別のアルバムを作り、設定画面にある差込みスライドショーで、そのアルバムを指定する。これにより、例えば通常アルバムの画像が3枚表示されたあとに、この差込みスライドショーで指定したアルバムの画像が必ず1枚挟み込まれて再生が可能になる。何かと応用範囲が広い機能なので、すぐには利用しない場合でも、機能の存在だけは頭に留めておくとよいだろう。
以上、おもいでばこを使ってデジタルサイネージを実現するまでの手順をざっと紹介した。次回の後編では、おもいでばこをデジタルサイネージとして活用するためのTipsや、ほかのソリューションと比べた場合の違いについてさらに詳しく見ていこう。
→・使いこなすコツを伝授:店舗やイベント会場でデジタルサイネージを手軽に実現できる「おもいでばこ」で、抑えておきたい3つのポイント(後編)
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