続いて、キーボードとしての基本的なスペックをチェックしておこう。
KBB-710はBluetooth 3.0に対応しており、WindowsやMacといったパソコンだけでなく、iOS、Androidのスマートデバイスでも利用できる。キーピッチは16mmと、この手のモバイルキーボードとしてはかなりの余裕があり、窮屈さは感じられない。
キーストロークは浅いが、パンタグラフキーを採用しているため、タブレットによくあるカバー一体型キーボードのようなゴムの感触ではなく、はっきりとした押しごたえがあるのも秀逸だ。最近のノートPCに広く採用されているアイソレーションキーボードに近いキータッチと言える。
最大3台のデバイスをペアリングできるマルチペアリング機能を備えており、キーボード右端の「1」「2」「3」キーを押すだけで、接続先を切り替えられる。これらのキーは、Enterキーのさらに右側に用意されており、キーを押すと数秒後に指定のデバイスへ再接続される仕様だ。さすがに瞬時の切り替えはできないが、実用レベルの速度でストレスは少ない。
同種のデバイスでは1つのボタンを繰り返し押すことで1→2→3と接続先をローテーションする製品もあるが、KBB-710では例えば「1」にiPad、「2」にAndroidスマートフォン、「3」にWindows PCをそれぞれペアリングしておくことで、目的のデバイスに素早く切り替えられるのが利点だ。
ちなみに、デバイスを切り替えるためのキー押下時間は0.2秒以上とされている。2秒以上押すとBluetoothのペアリングモードになるので、あまり長押ししないよう注意が必要だ。
実際に使ってみた限り、机上では問題ないのだが、膝の上や布団の上など、安定しない場所に置いて使うのは難しい。
横1列のキーは同一のプレートで支えられているため安定感はあるのだが、上下の列は固定されておらず、常に曲がる構造なので、膝の上はもちろん、布団やクッションの上など、土台が不安定な場所ではキー入力がおぼつかないのだ。そうした環境での利用が必須であれば、別の製品を選んだほうがよいだろう。
背面には展開式のビルトインスタンドを備えており、実測で厚さ9mmまでのスマホやタブレットを立て掛けられる。同種のBluetoothキーボードでは、スタンドを別途用意しなくてはいけない製品が多いのに比べると、持ち歩きの荷物を少しでも減らしたい場合に向く。
ただし、立て掛けたデバイスのチルト角度を調整する機能はないほか、厚さ9mmという制限はスマホやタブレットに保護ケースを付けた状態だと意外にオーバーしがちだ。ケースを付けたままでは立て掛けられない場合、別のケースに交換するなどの工夫が必要になるだろう。
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