PC USER Pro

くるくる巻き取れるBluetoothキーボード「KBB-710」は面白いが実用に耐えるのか?Windows/Android/iOSで試してみた(3/3 ページ)

» 2016年09月05日 07時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Windows/Android/iOS、各OSでの使い勝手は?

 KBB-710はWindows、Macに加えて、iOS、Androidに対応している。今回はWindowsとAndroid、それにiOSについて、ざっと使ってみた結果をお届けしよう。

 まずはWindowsだ。こちらはキートップの印字通りに入力できるため、全く違和感なく使える。Enterキーの形状が通常の日本語キーボードの2列にまたがる仕様ではなく、キーボードの右端にデバイス選択用のキーが並ぶことによる違和感は最初はあるが、しばらく使っているうちにあっさり慣れてしまった。

 今回は手持ちのノートPCと組み合わせて試用したが、Windowsタブレットで利用するならば、軽さと押しごたえを重視して標準付属のカバー一体型のキーボードではなく、KBB-710を使うという選択肢もありそうだ。

Windows 10 settings Windows 10におけるBluetoothデバイスの管理画面

 続いてAndroidだが、こちらも違和感のないタッチタイピングが可能だ。記号の配列もWindowsとほぼ同じなので、日本語入力と英字入力を半角/全角キーで切り替えることだけ覚えておけば、通常入力ではさして支障はない。Ctrlキーと組み合わせてのショートカットも問題なく機能するほか、キートップにオレンジ色で印字されたキーもきちんと動作する。

Android 6.0 settings Android 6.0の設定画面。Bluetoothでの接続先が表示されている。日本語は109キーを利用して入力する
KBB-710 Androidスマホ(Nexus 6P)を立て掛けたところ。スタンドの左右間隔はおよそ50mmなので、幅がスリムな「iPhone SE」も問題なくセットできる
KBB-710 横から見たところ

 iOSは、キーボードの設定から「日本語(ローマ字)」を追加して利用する。キートップの印字とは一致していないため、記号などは説明書に記された表を参照しなくてはいけないが(例えば「&」の入力は、Windows/Androidでは「Shift+6」だが、iOSでは「Shift+7」になる)、こうした記号類を除いた日本語入力そのものは快適に行える。

 外付けキーボードを用いた場合の日本語の入力方法が独特という、iOSならではの問題は別にして、この手のiOS用外付けキーボードとしては普通に使えるレベルだ。

iOS settings iOSの設定画面。KBB-710の初期ロットには句読点の「。」「、」がそれぞれ「.」「,」に、また「ー」が「-」になる不具合があったが、こちらは同社カスタマーサービスに連絡することでアップデートが可能だ
KBB-710 「9.7インチiPad Pro」を立て掛けたところ。スタンドは最大10型までのタブレットに対応するとされる。それより大きいサイズも立て掛けられなくはないが、重量の関係でバランスが悪くなる
KBB-710 横から見たところ

外出先で快適に文字入力を行いたいモバイラーにおすすめ

 KBB-710は丸めて収納するという特異なギミックが目を引くが、実用性も非常に高い。入力性能の高さもさることながら、電池込みでわずか約161gと軽量なことから、その細さとあいまって、バッグの中に入れたままでも存在をまるで感じさせない。

 どこかに置き忘れたのではと心配になってバッグを開けるとちゃんと入っていた……ということもしばしばで、モバイルユースには最適と言える。

 一般的に折りたたみ式のキーボードと言えば、中央に向かって両端から2つ折りまたは3つ折りにする機構がメジャーだが、折り目付近のキーを押した際に下へ沈み込むため入力に集中しにくい製品も多い。

 その点、KBB-710は横1列が1つのプレートで支えられているため不安定さは少なく、入力時に気を取られにくい。また構造上、2つ折りや3つ折りのキーボードに比べて薄型なので、キーボードとデスクとの段差が気になりにくいのもメリットだ。

 5点満点で点数を付けるならば、持ち歩き可能なBluetoothキーボードとしては5点、OSごとの使い勝手はWindowsが5点、Androidが4.5点、iOSが4点といったところだろうか。各OSに対応したキー印字のあるデスクトップ向けの製品ならいざ知らず、モバイルでこれだけ高い平均点を備え、かつスタンドも内蔵した製品はなかなかない。

 1万円台前半から半ば(税込)というモバイルキーボードでは安くはない実売価格、及び膝や布団の上などで使えないことがネックにならなければ、外出先でさまざまなデバイスから文字入力を快適に行いたいモバイラーへ、おすすめしたい一品だ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年10月11日 更新
  1. ロジクール初の分割式“左手デバイス"が登場 プロ絵師による「MX クリエイティブ コンソール」レビュー (2024年10月10日)
  2. 長年のPixelユーザーがiPhoneに乗り換える前に最新の「Pixel 9/9 Pro XL」を触った理由 (2024年10月10日)
  3. 2台のPCを行き来できる便利マウスが8000円切り! 「Rapoo MT760」はどこまで使えるか試してみた (2024年10月09日)
  4. 「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2024年10月4日現在】 (2024年10月04日)
  5. 急な工事日変更で右往左往? むしろラッキー? ふと思い立って自宅の光インターネットを1Gbps→10Gbpsに切り替えた話【中編】 (2024年10月08日)
  6. 上位モデルのQuest 3ではなく、5万円以下で買える「Quest 3S」という選択肢はアリか? 実機を試した (2024年10月08日)
  7. アイ・オーが2.5GbE搭載個人向けNASをモデルチェンジ 実効性能を向上し遠隔管理にも対応 2万1800円から (2024年10月09日)
  8. Galaxy Z Fold3から「Pixel 9 Pro Fold」に乗り換えました サイズ感が秀逸な“Googleの二代目折りたたみスマホ” (2024年10月09日)
  9. 最新版「Windows 11 バージョン 24H2」をインストールしてみた (2024年10月02日)
  10. 「VRChatユーザーのために開発」──8K対応で約185g未満のVRヘッドセット「MeganeX superlight 8K」発表 (2024年10月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー