KBB-710はWindows、Macに加えて、iOS、Androidに対応している。今回はWindowsとAndroid、それにiOSについて、ざっと使ってみた結果をお届けしよう。
まずはWindowsだ。こちらはキートップの印字通りに入力できるため、全く違和感なく使える。Enterキーの形状が通常の日本語キーボードの2列にまたがる仕様ではなく、キーボードの右端にデバイス選択用のキーが並ぶことによる違和感は最初はあるが、しばらく使っているうちにあっさり慣れてしまった。
今回は手持ちのノートPCと組み合わせて試用したが、Windowsタブレットで利用するならば、軽さと押しごたえを重視して標準付属のカバー一体型のキーボードではなく、KBB-710を使うという選択肢もありそうだ。
続いてAndroidだが、こちらも違和感のないタッチタイピングが可能だ。記号の配列もWindowsとほぼ同じなので、日本語入力と英字入力を半角/全角キーで切り替えることだけ覚えておけば、通常入力ではさして支障はない。Ctrlキーと組み合わせてのショートカットも問題なく機能するほか、キートップにオレンジ色で印字されたキーもきちんと動作する。
iOSは、キーボードの設定から「日本語(ローマ字)」を追加して利用する。キートップの印字とは一致していないため、記号などは説明書に記された表を参照しなくてはいけないが(例えば「&」の入力は、Windows/Androidでは「Shift+6」だが、iOSでは「Shift+7」になる)、こうした記号類を除いた日本語入力そのものは快適に行える。
外付けキーボードを用いた場合の日本語の入力方法が独特という、iOSならではの問題は別にして、この手のiOS用外付けキーボードとしては普通に使えるレベルだ。
KBB-710は丸めて収納するという特異なギミックが目を引くが、実用性も非常に高い。入力性能の高さもさることながら、電池込みでわずか約161gと軽量なことから、その細さとあいまって、バッグの中に入れたままでも存在をまるで感じさせない。
どこかに置き忘れたのではと心配になってバッグを開けるとちゃんと入っていた……ということもしばしばで、モバイルユースには最適と言える。
一般的に折りたたみ式のキーボードと言えば、中央に向かって両端から2つ折りまたは3つ折りにする機構がメジャーだが、折り目付近のキーを押した際に下へ沈み込むため入力に集中しにくい製品も多い。
その点、KBB-710は横1列が1つのプレートで支えられているため不安定さは少なく、入力時に気を取られにくい。また構造上、2つ折りや3つ折りのキーボードに比べて薄型なので、キーボードとデスクとの段差が気になりにくいのもメリットだ。
5点満点で点数を付けるならば、持ち歩き可能なBluetoothキーボードとしては5点、OSごとの使い勝手はWindowsが5点、Androidが4.5点、iOSが4点といったところだろうか。各OSに対応したキー印字のあるデスクトップ向けの製品ならいざ知らず、モバイルでこれだけ高い平均点を備え、かつスタンドも内蔵した製品はなかなかない。
1万円台前半から半ば(税込)というモバイルキーボードでは安くはない実売価格、及び膝や布団の上などで使えないことがネックにならなければ、外出先でさまざまなデバイスから文字入力を快適に行いたいモバイラーへ、おすすめしたい一品だ。
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