ブラザー初の全色顔料インクでビジネス文書の画質を向上――A3インクジェット複合機「PRIVIO」新モデル発表会

» 2017年01月19日 17時47分 公開
[ITmedia]
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 ブラザー販売は1月19日、インクジェットプリンター「PRIVIO」の新製品として、A3対応ビジネス複合機3モデルを発表、2月上旬より発売する。

A3インクジェット複合機3モデルを発表

 ブラザー初の全色顔料ベースインク採用モデルで、ビジネス文書の印字品質や耐久性を向上させているのが特徴。また、プリントボリュームの大きなビジネス現場に訴求するため、1枚あたりの印刷コストをカラー4円、モノクロ0.9円に引き下げたほか、大容量カートリッジの採用によりA4カラーで約1500枚、A4モノクロで約3000枚の印刷が可能となっている。

 発表会ではブラザー販売代表取締役社長の三島氏が登壇し、ビジネスインクジェットプリンターの市場戦略を説明した。2008年にブラザーが創出したA3ビジネス複合機でのインクジェットという選択肢は、2011年までに競合他社の参入もあって市場規模が2倍に拡大したものの、2013年を境に成長が鈍化、2014年以降の販売台数は11万台から12万台の規模で推移している。

A3インクジェットプリンターの市場推移

 一方、コピー機ベースのA3ビジネス複合機市場は、レーザー複合機の推測稼働台数が約369万台と依然として大きい。このうち、同社が実施したアンケートによれば、「インクジェットを選ばなかった理由」として、ランニングコストや印刷スピード、耐久性、画質などを挙げる回答が多く、この部分を払拭することで「369万台のうち2.8%は、使用頻度や印刷枚数でオーバースペックなコピー機よりもA3インクジェットがマッチする新規開拓層になる」(三島氏)と説明する。

A3複合機全体の市場。このうち、生産性を上げるための分散配置やサブ機としてビジネスインクジェットの潜在需要がある

 山田氏は、ビジネス品質を向上した新モデルによって、よりプリントボリュームの大きなビジネス現場に訴求し、SOHOユーザーからSMBまで拡大して市場開拓の動きを加速させるとした。

ブラザー販売代表取締役社長の三島氏と、特命営業部長に就任したタレントの小島瑠璃子さん

 続いて新製品の概要はブラザー販売マーケティング推進部長の伊藤氏が解説した。約3年ぶりのフルモデルチェンジとなる新モデルでは全色顔料ベースにインクを刷新。印字がにじみにくく、ビジネス文書の文字やグラフを鮮明に印刷できるように改良した。

フラッグシップモデル「MFC-J6995CDW」

顔料系インクの採用により、ビジネス文書の画質を向上した

 また、プリントボリュームの大きな層に向けて耐久性を向上。装置寿命は従来機種の約1.5倍となる約15万ページを達成している。「月に2500枚印刷しても5年間は持つ耐久性だ」(伊藤氏)。さらに、少量印刷を頻繁に行う用途を想定してファーストプリントも短縮。カラーは約9.5秒から約6秒へ、モノクロは約9秒から約5.5秒と大幅にアップし、印刷時のストレスを軽減している。

ファーストプリントを大幅に短縮

 このほか、本体設計を上段トレイ250枚、下段トレイ250枚、背面手差し100枚(従来1枚)の3WAY給紙に改良、さらに前面コントロールパネルの物理キーを復活させ、シンプルかつ簡単に扱えるようにしたという。細かいところでは、トレイ指定を不要にする原稿サイズ自動検知機能(MFC-J6995のみ)や、原稿取り忘れ機能なども加わっている。

設計からフルモデルチェンジ。手差しの多目的トレイが100枚の給紙に対応したのが目を引く

 予想実売価格は、MFC-J6995CDWが6万5000円前後、MFC-J6989CDWが5万円前後、MFC-J6580CDWが4万円前後。年間販売目標台数はA3ビジネスインクジェットプリンター合計で約8万台。なお、各モデルの詳細は、ブラザー、ビジネス文書に適した全色顔料インクを採用するA3インクジェット複合機3機種を参照。

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