日本を代表する老舗の国産ワープロソフト「一太郎」シリーズの最新版、「一太郎2017」。一太郎の前身とも言えるJS-WORDの発表から33年。すでに機能は十分すぎるほどだ。これ以上の機能追加はバージョンアップの理由付けにしかならない、誰も使わない機能しかないのではないか、と思っていた人も多いのではないだろうか。
筆者自身、そのように考えていた時期もあった。だが、実際に使ってみてそれが誤りであることに気づかされた。一太郎2017はここ数年の中でも非常に大きな革新を遂げた、1つのマイルストーンとなるバージョンだ。それはユーザーのフィードバックを反映させた「ものを書く道具」としてのワープロソフトのあり方を示すものだった。
今回、人気ライトノベル作家であるカミツキレイニー氏に最新一太郎に対する率直な感想を聞く機会を得たが、インタビューの前に注目機能をおさらいしておこう。
一太郎2017は発売前からネットで話題に上がっていた。それは「一太郎2017は同人小説書きを狙い撃ちにきている」というものだった。
ワープロソフトであれば当然、小説の執筆にも使えるはず。そこをあえて「小説書きを狙い撃ちにきている」とまで言わしめる理由、その1つは「やろうと思えばできる」ではなく、「やりたいことが簡単にできる」という点にこだわった製品であることだ
人によって便利と感じるポイントは異なると思うが、ここでは3つ挙げる。
使いやすい、という感覚はユーザーによって異なる。同じインタフェースであっても、自分が慣れているかどうか、自分の思考・行動パターンに沿ったものかどうかで大きく変わってくるからだ。そのため、万人がよい、とするインタフェースを作ることは無理な話だ。
一太郎2017ではユーザーに合わせた画面、操作環境を設定する「オーダーメイド」機能が搭載された。これによってユーザーごとに異なるインタフェースを設定できるようになっている。
一太郎オーダーメイドにはプリセットとして複数の設定をまとめた「かんたんオーダー」が5種類用意されている。そのほか、各設定を個別に指定できる「こだわりオーダー」がある。画面、編集画面、操作、安心の4カテゴリ計22項目を設定することができるので、ちょっと使いづらいな、と思ったら見直してみるといいだろう。
欲を言えば、同じユーザーでも用途によって異なる設定を使い分けたい、という場面を想定して、こだわりオーダーで設定したものを保存・呼び出せるようにしてほしかったところだ。
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