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» 2017年06月23日 06時00分 公開

「iPad Proの日本語入力」がここまで快適に! JIS配列が加わったSmart Keyboardを試してみた(2/3 ページ)

[山口真弘,ITmedia]

「英数」「かな」キーで直感的なIME切り替えが可能

 本製品はJIS配列ということで、既存のUS配列のSmart Keyboardとは、キーの配置や形状が異なる他、キーそのものの数も異なっている。スペースキーの左に「英数」、右に「かな」キーがあり、2段にまたがった「Return」キーが採用されているのが、US配列のSmart Keyboardとの大きな相違点だ。

 これらはMacのキーボードの配列を踏襲しているので、日ごろからMacを利用していれば違和感なく併用できるだろうし、Windowsユーザーにとっても違和感は少ない。筆者の場合、普段の入力環境はWindowsがメインだが、今回のJIS配列Smart Keyboardであれば大きな戸惑いもなく、日本語の入力作業が行えた。従来のUS配列Smart Keyboardでは配置に慣れないことから入力に集中できなかったが、本製品はそのようなこともない。

 ところでJIS配列と言えば、2段にまたがるReturnキーの存在が目立つが、本製品の最大のメリットはMacと同様、スペースキー左右の「英数」「かな」キーでIMEの切り替えが行えるようになったことだろう。これまでであれば、「地球」マークのキーを押してIMEを切り替える必要があったわけだが、本製品では独立した「英数」「かな」キーを用いて直感的に切り替えられる。

 ちなみにキーピッチは約18.5ミリとかなり広い。iPad Pro本体が10.5インチとなって横幅が広くなったぶん、Smart Keyboardのキー幅およびキーピッチにも余裕ができた格好で、入力中に左右の指がこすれ合うといったこともなく快適だ。横方向のキーの数そのものが増えているのだが、Shiftキーや右寄りのキーの幅を変えるなどして影響を最小限に抑えている印象を受ける。

Smart Keyboard 本製品(上)と、「9.7インチiPad Pro」用Smart Keyboard(下)の比較(写真の縮尺が異なる点に注意)。上がJIS配列、下がUS配列ということでキーの配置や形状が異なるほか、キーそのものの数も異なっている。また本製品はキーに日本語かなの印字がある
Smart Keyboard スペースキー左右に「英数」「かな」キーがあり、それぞれをタップすることで英語と日本語の入力を素早く切り替えられる
Smart Keyboard Returnキーは日本ではおなじみの2段にまたがった形状となっている。その隣、右端のキーの幅は若干狭めだが、ローマ字入力での利用頻度を考えると、そう大きな問題にはならない
Smart Keyboard 「地球」マークのキーは、上下左右キーの左側に配置されている。もっとも、キーボードの切り替えには「英数」「かな」キーを用いるため出番は少ない
Smart Keyboard タッチタイピングを行っている様子。キーピッチは広く、左右の指が干渉することもない
Smart Keyboard Returnキーは面積が広いため押しやすい

9.7インチiPad Proとの組み合わせは「可能だがおすすめできない」

 ところでiPad Proユーザーの中では、従来の「9.7インチiPad Pro」で本製品を使用したいと考えている人もいるのではないだろうか。

 本製品は10.5インチiPad Pro用に設計されており、製品ページの互換性の欄にも10.5インチしか記載はないが、接続がSmart Connector経由であることに変わりはない。もし、本体幅がフィットしないことを我慢して、従来の9.7インチiPad Proでも問題なく利用できるのなら、手持ちの9.7インチiPad Proを10.5インチに買い替えずに、本製品だけを買い足すという選択肢が生まれてくる。

 先に結論を書いてしまうと「認識はするが、おすすめできない」というのが筆者の意見だ。確かにSmart Connector経由で接続し、認識させること自体は可能だ。天地および幅のサイズが異なるため、上下左右がわずかにはみ出してしまうが、それも1センチあるかないかといったところで、少なくとも利用時には全く気にならない。むしろ若干横幅が広いことから、タイプに余裕があるのは利点と言っていいだろう。

 ではなぜおすすめできないかと言うと、理由は2つ。1つはキートップの印字と入力文字とが完全に一致しないためだ。本稿執筆時の最新OSであるiOS 10.3.2で試したところ、10.5インチiPad Proではきちんと入力できる文字が、9.7インチiPad Proでは入力できなかった。例えば最上段のキーを試しただけでも、数字はきちんと入力できるものの、それ以外のキーが合致していない。これではストレスがたまることは必至だ。

 もう1つは、自動スリープ機能が9.7インチiPad Proでは働かないことだ。iPad Pro本体とサイズがきちんと合致していれば、カバーを1〜2センチほど開くと画面がスリープから復帰し、それ以下になると消灯してスリープ状態になるのだが、本製品と9.7インチiPad Proを組み合わせた場合、完全に閉じた状態でも画面は表示されたままになり、バッテリーの消費を招いてしまう。手動でスリープさせなくてはならないため、機動力は大幅に損なわれてしまう。

 9.7インチiPad Proは本稿執筆時点で既にiPad Proの製品ページから姿を消しており、これが終息を意味するのであれば、新たにオプションが発売される可能性は低い。それゆえ10.5インチiPad Pro向けの本製品を流用するという発想が生まれてくるわけだが、少なくともキートップの印字と入力文字とが一致するよう改善されない限り、実用レベルで使うのは難しい。

 逆に、このJIS配列Smart Keyboardを使えることが、10.5インチiPad Pro、及び新しい12.9インチiPad Proの利点と言えそうだ。

Smart Keyboard 9.7インチiPad Proとの接続。本体幅は異なるとはいえ、Smart Connector自体の規格は同じなので問題なく接続できる
Smart Keyboard 9.7インチiPad Proを立てた状態。左右が少しはみ出すものの大きな違和感はない
Smart Keyboard カバーがひとまわり大きいため、上下左右が本体からはみ出す
Smart Keyboard およそ5〜10ミリほどはみ出す
Smart Keyboard カバーの位置がずれることからオートスリープが動作せず、カバーを閉じようとしても画面がオフにならず点灯したままになる
Smart Keyboard 本製品を用いてiPad Pro各製品の文字入力を試したところ。上から順に9.7インチiPad Pro、10.5インチiPad Pro、12.9インチiPad Pro(2017年モデル)で、それぞれ2行目が最上段の数字キー、3行目がShiftキーを押しながら数字キーを入力したもの。9.7インチiPad Proはキートップと異なる文字が出力される
Smart Keyboard ちなみに12.9インチiPad Proにも本製品は装着できるが、ご覧のようにサイズが大きく異なる。素直に12.9インチ用のSmart Keyboardを買ったほうがよいだろう

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