以上のように、JIS配列のSmart Keyboardは、US配列のキーボードに馴染めなかった日本語ユーザーにとって、まさに待望と言っていい製品だ。これまで「iPad Proで快適な日本語入力」をうたう外付けキーボードは数多くあったが、ことごとくUS配列の壁にはね返されていた。
今回のJIS配列Smart Keyboardは、その壁をようやく越え、実用レベルでの日本語入力を可能にしてくれる製品として、高く評価できる。ここまで普通に使えてしまうと、ノートPCをそのまま置き換えるところまではいかないにしても、日本語のテキスト入力が快適に行えることを売りにしていた2in1デバイスや専用テキストツールにとっては、かなりの脅威となるだろう。
ネックとなるのは1万7800円(税別)と、外付けキーボードとして見たときにはやや値が張ることだ。とはいえ、既存の9.7インチiPad Pro向けSmart Keyboardに比べると2000円の価格差しかなく、またUS配列のモデルよりも割高に設定されているわけではないので、キーボードにカバーを足した費用として、本製品を購入プランに織り込んでおくとよいだろう。
ちなみに以前、9.7インチiPad Pro用のSmart Keyboardが登場してからしばらくたって、やはりSmart Connectorに対応したキーボードがサードパーティーから登場したことがあった。
しかし今回はJIS配列という特殊なモデルであり、サードパーティーから別の選択肢が登場する可能性はあまり高くない。仮に登場した場合も、携帯性を中心とした機能面、及び価格面で本製品以上のメリットを提示するのは難しいというのが筆者の見立てだ。
10.5インチiPad Proでテキスト入力を行いたいユーザーにとって、実質的な必須オプションであり、追って登場が予告されている「iOS 11」とともに、iPad Proの使い方を大きく変える役割を担うことになりそうだ。
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