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「9.7型iPad Pro」+「Smart Keyboard」は仕事の文字入力にどこまで使える?US配列しかないが……(1/2 ページ)

» 2016年04月27日 00時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

←・前回:「9.7型iPad Pro」+「Apple Pencil」は仕事用デジタルノートとしてどの程度使える?

 「iPad Pro」は、Apple純正のキーボードカバー「Smart Keyboard」と筆圧・傾き対応スタイラスペン「Apple Pencil」を用いることで、さまざまな作業に対応できる点が、従来のiPadシリーズにはない大きな特徴だ。それは大画面の「12.9インチiPad Pro」に限らず、iPad標準の画面サイズを採用した「9.7インチiPad Pro」にも当てはまる。

 今回は9.7型のiPad ProとSmart Keyboardの組み合わせが、仕事の文字入力作業でどれくらい役立つのかをチェックしていこう。

9.7インチiPad ProとSmart Keyboard 「9.7インチiPad Pro」(税別6万6800円から)に「Smart Keyboard」(税別1万6800円)を装着した状態。Windows PCで増えている2in1デバイス(タブレットとノートPCを1台でこなす製品)のような外見になる
側面 側面から見たところ。Smart Keyboardのカバー部を三角形に折り返してスタンド代わりにする。画面のチルト角度は変更できない
背面 背面から見たところ。この状態にセットした9.7型iPad Pro本体の安定性は高く、容易には倒れない
カバーを展開 Smart Keyboard本体を展開したところ

iPad ProならではのSmart Connectorで接続が安定

 iPadで使用できる外付けキーボードは多数市販されているが、そのほとんどは接続方法がBluetoothだ。今回の9.7型iPad Proでは、iPad Proシリーズで新規搭載されたSmart Connectorの採用により、設定不要で簡単に接続できるようになった。

 このコネクタ経由で物理的に信号をやりとりしているので、Bluetoothにありがちな通信環境の問題で不意に接続が途切れるようなことはない。また、iPad Pro本体から給電されるので、別途充電する必要もない。

Smart Connector iPad ProとはSmart Connectorで接続する。Bluetooth接続ではないので、ペアリングなどの作業は不要だ
機器の接続 iPad ProとSmart Connectorで接続した後、キーボード上部のくぼみにマグネットで取り付ける
カバーを閉じる(1) たたむ際はキーボード部、カバー部、iPad Proをいったん広げた状態にする
カバーを閉じる(2) まずはキーボードを内側に折りたたむ
カバーを閉じる(3) 続いてiPad Proを上からかぶせるように折りたたむ
たたんだ状態(1) Smart Keyboardをたたんだ状態
たたんだ状態(2) 横から見たところ。キーボード収納部分に段差があるが、厚みは最小限に抑えられている

Smart Keyboardの日本語入力を妨げる問題

 といった具合に、接続の仕方は非常に優れているのだが、実利用にあたっては大きな問題が2つある。

 1つはキー配列が日本語のJIS配列ではなく、US配列であること。これは12.9型iPad Proでも指摘されていた問題だ。今に至るもサードパーティーを含め、日本語配列のキーボードは(Smart Connector対応品では)発売されていない。

 従ってユーザーとしては、このUS配列に慣れることを前提としなくてはいけない。中でもReturnキーが1列しかない点は、日本語キーボードに慣れたユーザーを戸惑わせることだろう。

キーレイアウト キー盤面。Returnキーの形状からも分かるようにUS配列で、キートップにも日本語の文字はない。Mac用キーボードとは異なり、最上段のファンクションキーを省いた5列仕様だ。iOSデバイスなので、トラックパッドのようなポインティングデバイスはなく、必要に応じて画面にタッチして操作する必要がある
キーピッチ キーボードのキーピッチはそれなりに広く、左右の指がギリギリこすれ合わない程度のすき間はある
Returnキー 日本語配列のキーボードに慣れたユーザーが最も苦戦するのが、普段は小指で押しているReturnキーが1列しかないこと。上のバックスラッシュキーなどを誤って押してしまうこともしばしばだ

 もう1つはキータッチだ。多くのタブレットが同様のカバーと一体型の薄型キーボードを採用する中、Smart Keyboardはかなり健闘している部類に入るとは思うのだが、やはりパンタグラフ式のキーボードと比較すると分が悪い。

 キーボードカバーのおまけと考えるのならまだしも、仕事でバリバリ使いこなすことを考えるならば、しっかりとしたキータッチの外付けキーボードを用意したほうがよいと感じる。

TK-FBP083BK 持ち歩きにこだわらないのであれば、iOSに対応し、かつ日本語JIS配列を採用したサードパーティー製のキーボードは多数存在しており、価格面のメリットも大きい。これは実売3000円前後から入手可能なエレコムの「TK-FBP083BK」
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