5000円切りの超小型気象センサー「WxBeacon2」で何ができるか試してみた(1/2 ページ)

» 2017年08月23日 06時00分 公開
[山口真弘,ITmedia]

 IoT(Internet of Things)の普及により、耳にする機会が増えたのが「クラウドセンシング」なる言葉だ。これは観測機器から得られたデータをクラウドに自動アップロードすることにより、従来よりも精度の高い加工や分析が行えるようになる技術である。

 これまでは観測機器を広範囲に設置しようとしても、データを手動で回収して回らなくてはいけないため、地点を絞らざるを得ないという問題があった。その点、クラウドセンシングではデータがほぼリアルタイムに、かつ自動的にアップロードされるため、観測機器を増やすことが容易になり、その結果として回収できるデータ量もぐんと増える。クラウドセンシングにより加工や分析の精度が上がるからくりはこれだ。

 今回紹介するウェザーニュースの超小型気象センサー「WxBeacon2」は、クラウドセンシングの実例となる製品だ。これを多くのユーザーに配布することで観測地点をメッシュ状に増やし、ユーザーから寄せられる膨大な計測データを活用し、より精度の高い気象予測を行おうという製品である。設計にはオムロンの技術が使われており、価格は4798円(税込、送料込)だ。

 今回はこのWxBeacon2を用いて、どのようなことができるのかを見ていこう。

WxBeacon2 写真右上の白い小さなデバイスが「WxBeacon2」。ユーザーへの配布および販売用にウェザーニュースが用意している小型の気象観測器だ
WxBeacon2 WxBeacon2の本体。サイズは46×39×14.6mm、重量は電池込みで16gと非常に小さくて軽い

わずか16gの超小型デバイス。5分もかからず導入と設定が完了

 WxBeacon2は超小型の気象観測器だ。気象観測器、と聞くと何やら巨大な装置のように思えるが、実際には手にすっぽり収まってしまうサイズで、重さも電池込みで16gと超軽量だ。

 本製品で観測した各種データはビーコン技術によってスマートフォン経由でクラウドへとアップロードされるが、本体にはボタンは一切なく、一見すると何をするための製品なのか分からない。背面に電池が入れられることから、辛うじて電池で動く何かなのだろう、と分かる程度だ。

WxBeacon2 文字通りの手のひらサイズ。据え置き利用に加えて、バッグなどに装着して持ち歩く用途も想定しているようだ
WxBeacon2 側面にある穴は、本体内部に空気を通して気象データを測定するためのもの
WxBeacon2 利用にあたっては、まず背面カバーを開けて電池(CR2032)を入れ、フタを閉じる。ちなみに本体にはこれ以外にボタンやスイッチ類は一切ない
WxBeacon2 電池を入れて正しく認識すると正面のLEDが一瞬だけ点灯する。ほんとうに一瞬で、裏返したままだと見落とすことも少なくないため、できれば数秒程度は点滅させるなど改善を希望したいところ

 利用にあたっては、本体のセットアップ、アプリのインストール、アプリの設定を順番に行う。といっても本体のセットアップは電池を入れるだけだし、アプリの設定といってもBluetoothで本製品を認識させた後に地域を選ぶだけだ。作業自体は5分もかからずに完了する。

WxBeacon2WxBeacon2 本製品で取得したデータは専用アプリ「ウェザーニュースタッチ」を使って表示できる(画像=左)。データのアップロードもこのアプリが行う。電池を入れたらスマートフォンとBluetoothで接続する(画像=右)
WxBeacon2 ウェザーニュースタッチで「受信する」をオンにし、「測定間隔」を決めれば、後はスマホにデータが自動的に蓄積されていく

データアップロード以外にもローカルでのグラフ表示に対応

 WxBeacon2で測定できるのは、気温・湿度・気圧と、明るさ・騒音・UV(紫外線)の6つの要素だ。従来のモデルでは前の3要素のみだったが、第2世代となる今回の製品では後ろの3要素が新たに加わっている。

 このWxBeacon2の用途は、大きく分けて2つある。1つは冒頭で紹介したクラウドセンシングだ。本製品を使って全国から集められた気象観測データを、気象予報の精度向上に利用する。

 スマホからのデータアップロードは、ユーザーがアプリで天気や雲の様子を報告する「ウェザーリポート」の送信時に添付される。測定データが定期的に自動アップロードされるわけではなく、レポートを投稿する際に、客観的な測定データとして添付される仕組みだ。

WxBeacon2WxBeacon2 アプリのメニューを表示し、「ウェザーリポート」を選択する(画像=左)。ウェザーリポートの「実況」欄に、本製品で測定した気温・湿度・気圧が自動挿入される(画像=右)
WxBeacon2WxBeacon2 こちらは別画面(後述)で見られる、本製品で測定した気象観測データ(画像=左)。先ほどのウェザーリポートに挿入されていた気温・湿度・気圧の値はここから引用されている。ウェザーリポートを送信中(画像=右)。これらは手動で行われるので、測定データ全てが自動的にアップロードされるわけではない
WxBeacon2 アップロードが完了するとバッジがもらえる仕組みだ

 もともと本アプリは、各地域に在住するユーザーの投稿によってきめ細かな地域の天候を確認できることを売りとしており、本製品の気象観測データはその精度を高めるために使われる。レポート送信を伴わずにデータが定期送信される仕組みがあってもよいのではと個人的に思わなくもないが、本製品は現時点では会員を中心に販売されている段階であるため、それらのフェーズはあったとしてもしばらく先になることだろう。

 また、このデータについては、前述の6つの要素が全て送信されるわけではなく、気温・湿度・気圧の3要素のみが送信される。そもそも明るさや騒音はローカルな測定値であるため、気象観測データとしては利用価値がなく、これは当然だろう。

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